ねことわたしのやわらかな日々

17年一緒に暮らした愛猫を亡くしましたが、日々のささやかな幸せを、
手のひらで温めて暮らしています。

誇り高き雑草

2010年03月21日 20時02分00秒 | 音楽・アート
今日は朝から黄砂がすごかったけれど、
友人との昼食会が延期になったので、
御影の香雪美術館で今日から開催されている、
敬愛する日本画家・堀文子さんの特別展へ。


(美術館へと続く、風情ある土塀と石畳の道)

「命の画家」とも称される堀文子さんの
身の回りの小さな生命に向けられるまなざしは
どこまでも温かく、慈しみに満ちていて。
特に道端のなずなの絵に添えられていた文章は
作品と共に、心に深く静かな余韻を残しました。

(前庭に植えられた枝垂れ桃)

「雑草と呼ばれるこの草達の目立たぬ地味な姿をさげすみ、
見つけ次第抜き捨てる人は多い。
何百年も人に踏まれ、愛される事のなかった雑草達。

(中略)水やりもされず、肥料も貰わず、
暑い日向も日陰もいとわず、
わずかの土を見つければ根を張った草達。
目立たないが、花も葉も立ち姿も
整然としたリズムを奏でる愛らしい姿を、
しみじみと見詰める事のなかった人間。

花屋で売られず、人の慰み物にならなかった事を誇りとし
踏まれる度に自分を鍛えた雑草の
自立の姿に私はひかれるのだ。(中略)

こんな花達を雑草と呼び、さげすんだ人間のおごりを、
恥ずかしく思わずには居られない」

コメント
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