mimi-fuku通信

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NHK-BShi:『クラシック・ドキュメンタリー傑作選』(6回シリーズ)

2010-07-04 11:55:55 | クラシック・吹奏楽

 
 
『クラシック・ドキュメンタリー傑作選』
 
放送予定のご案内。

 Ⅰ:トスカニーニとの会話
  ~BShi:2010年7月5日(月)午後3時~午後4時15分
 関連記事1→ http://blog.goo.ne.jp/mimifuku_act08/d/20090605
 関連記事2→ http://blog.goo.ne.jp/mimifuku_act08/d/20090216

 Ⅱ:帝国のオーケストラ/ ~第2次大戦下のベルリン・フィル~
  ~BShi:2010年7月6日(火)午後3時~午後4時30分
 関連記事1→ http://blog.goo.ne.jp/mimifuku_act08/d/20080828
 関連記事2→ http://blog.goo.ne.jp/mimifuku_act08/d/20080327

 Ⅲ:カラス・アッソルータ/ ~マリア・カラスの生涯~
  ~BShi:2010年7月7日(水)午後3時~午後4時40分
 関連記事→ http://blog.goo.ne.jp/mimifuku_act08/d/20090502

 Ⅳ:グレン・グールド/ ~永遠のピアニズム~
  ~BShi:2010年7月8日(木)午後3時~午後4時50分

 Ⅴ:シルヴィ・ギエム/ ~バレエ限界への挑戦~
  ~BShi:2010年7月9日(金)午後3時~午後4時35分

 Ⅵ:ヘルベルト・フォン・カラヤン/ ~その目指した美の世界~
  ~BShi:2010年7月13日(火)午後8時~午後9時35分
 関連記事1→ http://blog.goo.ne.jp/mimifuku_act08/d/20100711
 関連記事2→ http://blog.goo.ne.jp/mimifuku_act08/d/20080314

 <mimifukuから一言>

 2010年4月のNHK番組改編以来、
 BS放送でクラシックを楽しむファンには選択肢の少ない日々が続いています。
 クラシック・ロイヤルシートとハイビジョン・ウィークエンド・シアターの2つ枠が、
 
1つになってプレミアム・シアターに統合され同じ番組を2週続けてみる編成は、
 見逃した方々には朗報ですが録画して観る事が多い深夜番組枠で何故?

 その代わりと言ってはなんですが、
 NHK教育放送(地上波)の芸術劇場では月に1度のクラシック特集があり、
 時にはファン涎垂のプログラムが組まれ地上波を中心に観られる方の
楽しみが、
 増えたように思います。 

 今回NHK-BShiで放送されるクラシック・プログラムは総て再放送ながら、
 秀逸のドキュメンタリー番組の連続で演奏家の素顔を知るのに最適。
 Ⅰ~Ⅴは何れも午後3
時からの放送で仕事をお持ちの方は録画視聴になります。
 Ⅵだけは午後8時のゴールデンタイム枠での放送に期待は膨らみます。

 Ⅰ、Ⅱ、Ⅵは偉大な指揮者の足跡をたどるストーリー。
 Ⅰ:『トスカニーニ』は残された言葉を現代の俳優達がドラマで再現。
   癇癪持ちとして著名なトスカニーニの性格を生み出した時代の物語。
 Ⅱ:『ベルリン・フィル』はナチスの台頭と市民オーケストラが辿る運命の物語。
   時代背景の中で作曲家・指揮者・楽団員に迫る選択権の放棄と弾圧の実態。
 Ⅵ:『カラヤン』は4度目の放送でカラヤン全盛当時の豪華キャストが多数登場。
   興味深い発言の数々にカラヤンが求めた美の真実を探訪できるプログラム。
   
~番組の詳細は関連記事→ のURL上をクリックしてください。

 以上の3作品を通して感じる“時代の中でこそ存在”し得る各々のキャラクター。
 Ⅰ&Ⅱで見られる独裁国家(ファシズム)の時代の芸術家の立位置の確認。
 強い指導力と統制の中で紡がれたトスカニーニやフルトヴェングラーの音楽。
 カラヤンが紡いだスマートな音楽にも強い統率力の意志を感じるものの、
 現代の大指揮者クラウディオ・アバドが求める楽団員への信頼と意志の疎通。
 生まれる
べきして生まれた戦中・戦後の厳格なオーケストラ表現。
 音楽に関わらず“総ての芸術表現は時代の鏡”ではないか?
 私は3つのドキュメンタリーを観て“そんなこと”を感じました。

 Ⅲ:『マリア・カラス』はカラスの生涯を知る最良のドキュメンタリー。
 “ゴシップ”や“歌唱の堪能”だけではないカラスの真実を学ぶ伝記映画。
 オペラ史上“空前絶後の伝説のヒロイン”の貴重な映像をお楽しみください。
 個人的な感想として6番組中最高のお薦め作品になっています。

 Ⅳ:『グレン・グールド』は孤高のピアニストとして独歩な活動が知られています。
 クラシック音楽に興味はないがグールドだけは別と語る識者も数多く、
 ジャズ奏者やロック・ギタリスト達も敬愛するバッハの音楽表現を改革。
 演奏表現の革命者としての地位がグールドを語る時には欠かせないキーワード。
 変人・奇人として知られるグールドですが映像の中で幼少期の思い出として、
 自らが自閉気味な子供であり学校に通わなかったことを述べています。
 また幼少の頃から癇癪持ちだったようで自分の嫌なことには徹底して抵抗。
 音楽の授業で輪唱を歌う場面でフレーズが面白くないと違ったフレーズを創作。
 教師から体罰に似た仕打ちを受けた時に枠にはめる教育への抵抗を強く意識。
 人と接することが苦手で自分の世界に籠りたいグールドの思考が生み出す表現。
 ヨーロッパの伝統的な演奏表現の枠(型)の指導と接触することなく、
 独自な表現を追求した結果生まれたグールドの表現は癖に塗れた新境地。
 グールドの紡ぐ熱を帯びない無機質にも似た音楽表現はBGMにピッタリ。
 番組はホロビッツの演奏表現の対極に位置するピアニストの真実に迫ります。

 Ⅴ:『シルヴィ・ギエム』は録画してあるのですが未聴です。
   この機会にぜひ観なければと考えています。

 BS放送では近年、
 リヒテルやロストロポーヴィチの名作ドキュメンタリーを放送しているのですが、
 今回は放送が見送られた模様。
 日本人でも五嶋みどりさん、吉田都さんの名作ドキュメンタリーが存在。
 物故者ばかりでなく現在活躍中の芸術家の生涯や発言を記録する必要性。
 芸術思想の真実を追究する最良の手段としての本人の言動の記録。
 残された記録を視聴し鑑賞者が再び作品と向き合えば違った真実が見える。
 そんなことを感じさせる<6本のドキュメンタリー番組>をぜひご鑑賞ください。

 ~以下NHKホームページ記事転載。
 
 過去に放送した数々の名作クラシックドキュメンタリーの中から、
 反響が多く寄せられた6作品を再びお届けいたします。

 *「トスカニーニとの会話」
  ~BShi:2010年7月5日(月)15:00~16:15

 20世紀を代表する巨匠:アルトゥーロ・トスカニーニは、
 80歳を過ぎてからも精力的に演奏活動を続けていたが、
 1954年4月4日を最後についに表舞台から姿を消す。
 彼が余生を送ったニューヨークの邸宅には友人たちが度々訪れたという。
 息子のワルターは父に内緒で自宅で交わされた会話を、
 150時間以上にもわたって録音。
 本作品はその録音や手紙をもとにして作られたものである。
 舞台は1954~1955年の大晦日。
 ワルター、娘ワリー、カナダ人指揮者をウィルフリード・ペレティアー、
 元アシスタントのアニタ・コロンボ、グイード・カンテルリの妻イーリスが、
 トスカニーニのもとに集まり彼の話に耳を傾ける。
 トスカニーニの指揮者デビューの顛末やさまざまな作曲家との出会い、
 スカラ座やNBC交響楽団の思い出、
 ムッソリーニとの交流と決別などが明かされる。

 *「帝国のオーケストラ~第2次大戦下のベルリン・フィル~」
  ~BShi:2010年7月6日(火)15:00~16:30

 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団は設立当初、
 楽団員たちが資金を出し合い自主運営していた。
 しかし1933年にナチスが政権をとった直後に国営化され、
 国民啓蒙・宣伝省の管轄下に置かれる。
 ゲッペルス大臣のもと国内外でプロパガンダに利用された。
 楽団員は兵役を免除されナチスドイツの文化水準の高さを象徴する存在として、
 ヒトラーの威信を高めるために活動。
 また十数人の団員がナチ党に入党しオーケストラの人間関係にも亀裂が入る。
 激しい空襲の日々も続けられていたベルリンでのコンサート。
 負傷した兵士たちを前にしての演奏会。
 ナチスの思惑はどうあれ多くの団員たちにとっては、
 人々に音楽を届けるための活動にほかならなかった。
 当時の楽団員やその家族などが大戦中や終戦直後のベルリン・フィルについて、
 生々しく証言し貴重な映像とともに振り返る。


 
*「カラス・アッソルータ:究極のカラス」
  ~BShi:2010年7月7日(水)15:00~16:40

 伝説的なソプラノ歌手:マリア・カラスの芸術と人生をよみがえらせた、
 ドキュメンタリー映画。
 歌手であり1人の女性であったマリア・カラスの時にオペラそのものをしのぐ、
 ドラマティックな人生を過去の素材を交えて再現する。


 
*「グレン・グールド 永遠のピアニズム」
  ~BShi:2010年7月8日(木)15:00~16:50

 20世紀が生んだピアノの奇才グレン・グールドは、
 超絶技巧の演奏と風変わりな言動で今なお多くのファンを魅了してやまない。
 使い古した背の低い折りたたみ椅子を持ち運び、
 手袋をしたグールドは多くの謎に包まれた人物であった。
 早くから天才ぶりを発揮し14歳でデビューしたグールドは、
 32歳で突然コンサート活動をやめ録音に専念する宣言をして、
 音楽界に衝撃を与えた。
 グールドのコンサート嫌いや録音への執着は有名で、
 これもまた彼が風変わりと評されるゆえんである。
 バッハの作品についての独自の解釈はよく知られ、
 「ゴールドベルク変奏曲」の録音は世界の音楽ファンを驚かせた。
 彼はまた弦楽四重奏も作曲している。
 番組ではグールドの書簡と演奏シーンを軸に、
 ファンへのインタビューなどを織り交ぜながらその人物像に迫ってゆく


 *「シルヴィ・ギエム~限界への挑戦~」
  ~BShi:2010年7月9日(金)15:00~16:35

 世界中に愛されるプリマ・バレリーナ:シルヴィ・ギエムのドキュメンタリー。
 日頃カメラに撮られることを苦手としていた彼女が、
 2007年1月から2009年3月までという彼女のキャリアにとって重要な期間を、
 フィルムに収めることを認めた貴重な映像である。
 フランス、ケベック、ロンドン、スペイン、イタリア、日本といったロケ地での、
 彼女の舞台活動だけではなく自らの芸術性を高めるべくあくなき努力を続ける、
 彼女の姿勢を追う。
 そしてこのドキュメンタリーは、
 シルヴィ・ギエムと演出家ルパージュやマリファント、カーンといった、
 ダンサーとのコラボレーションを通し北アメリカの開拓精神、
 ヨーロッパ・クラシックとコンテンポラリー・ダンスの境界線、
 そしてアジアの魔力と知恵といったものを描いている。


 *「ヘルベルト・フォン・カラヤン ~その目指した美の世界~」
  ~BShi 7月13日(火)20:00~21:35

 20世紀の音楽界でおそらく世界で最も有名な指揮者だった、
 ヘルベルト・フォン・カラヤン(1908~1989年)。
 その音楽家としての歩みや芸術への姿勢などを、
 彼を知るたくさん人々の証言でたどる。
 カラヤン自身のインタビューや私生活の映像も織り込まれている。
 ザルツブルグで生まれたカラヤンは幼少からピアノの神童と目された。
 しかしやがて自分の表現したいものはピアノだけでは物足りないと感じ、
 指揮者を目指す。
 ドイツのウルムやアーヘンの劇場などで指揮者として経験を積み、
 1955年。
 名門ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の首席指揮者・芸術監督となる。
 ウィーン国立歌劇場でも活躍し原語でオペラを上演するなど実績を残した。
 ベルリン・フィルとは30年以上にわたって輝かしいコンビとして、
 世界に名を馳せた。
 カラヤンは演奏の映像化に非常に力を入れたことでも知られている。
 音楽は美の体現であり聞いても見ても美しくなければならないと考えていた彼は、
 ステージの演出にも自ら取り組んでいた。
 バーンスタインとのウィーン・フィルのコンサートツアーを、
 一緒にやる計画もあったという。
 晩年はベルリン・フィルとの軋轢が生まれ、
 終身とされていたポストを辞す結果となったカラヤン。
 また健康上の問題も抱えていたが最後まで音楽への情熱を持ち続けた。

 

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