乾燥状態と湿潤な空気の流入”を指摘すると同時に、
先ずは、
“短時間局地豪雨”の話題。
昨晩、一昨晩と福島県郡山市では2日続きの豪雨による浸水被害。
短時間局地点豪雨(通称:ゲリラ豪雨)による被害なのだが、
1日目が1時間雨量46・5㍉で2日目が1時間雨量27ミリ程度。
郡山市は地形の利からこれまで大量の降水経験がなかったのか、
都市設計が1時間最大35㍉の被害想定で設定されているらしい。
石川県では多くの市町村で、
1時間雨量:30~50㍉。
3時間雨量:80~120㍉。
24時間雨量:120~200㍉。
が被害想定基準だと聞いたことがある。
~前後の降雨の状態や河川・ダムの水量による変化等を考慮。
“短時間局地豪雨”は、
擂鉢上の地形や斜面の下部に当たる地域では家屋への浸水が起きやすく、
20㍉程度の降水でも数件が水に浸かる地域が“あちらこちら”に点在する。
地域のニュースにもならない“水が貯まりやすい場所(地形)”は各地に多い。
郡山市の高低地形がどのようなものかは分からないが、
浸水商店街地域に“水が貯まりやすい”地形的な問題(低地)があるのだろう。
また排水能力として短時間降雨がどのようなものか?
“排水は基本的に時間との戦い”なので、
10分間に20㍉の降水があれば“どんな場所でも”排水は追いつかない。
1時間50㍉の降水量の内訳が、
最初の30分:45㍉で残りの30分:5㍉での事情はまったく違う。
その場合は1時間50㍉の排水能力があっても洪水は起きるだろう。
短時間局地豪雨の原因をヒートアイランドに求める意見が一般的だが、
今年の場合は寒気の入り込みに大きな原因があるようだ。
“冷たい空気と暖かい空気の遭遇は急激な気象変化”を起こす。
・冷たい部屋からストーブで暖められた湿潤な部屋(湿度調整不可状態)に、
ペット・ボトルやDVDディスクを持ち込むとどうのような現象が起きるか?
・夏の暑い日にグラスに半分まで注いだ常温の水に氷を数個入れると、
グラスの周りの結露はどのように変化するか?
寒気と暖気の遭遇が<ヒステリックな現象>を起こす。
“ヒートアイランドと暖気の関係”や、
“地域の
“寒暖差をもたらす寒気の位置”に注目すべきなのだろう。
次に、
“長時間集中豪雨(=積算される長雨)”が原因と見られる、
鹿児島県南大隅町で起きた<土石流>の問題。
地図を見ると鹿児島県最南端の海岸線に面した山地が崩壊。
被害地の海岸線は大隈半島西よりの南北に走り、
直接壁になるべき障害物もなく海からの雨雲がダイレクトに当たる地点。
今年の梅雨前線が九州南部に長期間停滞したことと、
梅雨前線は台風等のように風の回転運動がないために、
基本的に西から東に雲が移動するため雨雲が西側山地へ集中滞在。
~ただし前線が南北に振られる場合は雨雲は停滞せずに南北に移動し、
前線が蛇行する場合には南東・北東方向に雨雲が入り込むことも多い。
また低気圧が発生した場合は雨雲は必ずしも教科書通りに移動しない。
鹿児島県では6月の降水量が記録的な数字を示しており、
南大隅町佐多での6月の月間降水量は1093ミリと観測史上最多を記録。
7月に入っても降雨は続き同4日の午後2~3時に34ミリの時間雨量を観測。
このように次々と襲い掛かる雨雲の積算降水量に地面が耐え切れず崩壊。
“長時間集中豪雨(or集中降雨)”による大規模な土石流となった。
雨雲は今後も九州南部を襲う見込みで今後1週間はさらなる崩壊の危険性。
長期間の晴れ間が続かない限り観測地点東側に山地を持つ地域は警戒が必要。
これは鹿児島県に限ったことではなく梅雨末期の大雨は各地で災害を齎すため、
週末~週明けは西日本~関東南部で特に警戒。
7月15日を過ぎると例年北陸や東北の日本海側でも大雨が降りやすく、
毎年深刻な被害が多発する梅雨末期の大雨(温度上昇との関係)は、
西から東に雨雲が移動する性質(山地西側斜面に雨雲が集中)を加味し、
厳重な警戒が必要となる。
ただし“短時間局地豪雨”では地形には関係なく、
どこで起きるか分からない性質を持ち見極めが困難。
真っ黒な雨雲、冷たい風、遠くに聞こえる雷等に気付いたら、
雨雲レーダー(PC、携帯電話、デジタル・テレビ)で雨雲の位置を確認。
“自分の身は自分で守る”
特に自動車の運転中は運転を諦めて高台(たかだい)で待機。
~高台と言っても高低差1mの地点で洪水リスクは大きく軽減。
マフラーから水が入ると通常エンジンは麻痺し運転(作動)は停止。
またタイヤ半分の高さでもブレーキに不具合が出る場合もあります。
短時間局地豪雨の場合は通常長くても2~3時間で雨雲は去るので、
自宅に帰りが遅くなると連絡して安全な場所への退避が肝要。
特に尋常でない雨量(息苦しくなるような降水)を一瞬でも身に感じたら、
ガードレールの下など擂鉢状の地形や道路のクボミを回避(遠回り)し、
安全な場所(非洪水地域の商業施設の駐車場等を事前に確認)で、
雨が降り止むまで動かないことを心がけてください。
水没した自動車の修理は高額である上に、
泥水がエンジンに入った場合は修理不能。
数分~数時間の判断ミスで多額の損益が自身を苦しめます。
また、
自宅などの駐車場で駐車中に浸水被害にあわれた場合は、
水没状態に拘らず水が引いても絶対にエンジンはかけず、
修理工場に連絡し整備士の指示に従ってください。