mimi-fuku通信

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【世界恐慌:1929年暗黒の木曜日】 ~その時歴史が動いた。

2009-03-04 20:52:00 | テレビ番組

 
 第353回「その時歴史が動いた」
 経済危機、世界を揺るがす
 
〜1929年「暗黒の木曜日」はなぜ起きたのか〜

 *本放送:平成21年3月 4日:
午後10時~10時43分 NHK総合 
 
*再放送:平成21年3月 9日:午後5時15分~5時58分 NHK-BS2 
 
*再放送:平成21年3月10日:午後4時5分~4時48分 NHK総合
   ~すべての放送は終了しています。 
 
 <mimifukから、一言。>

 つい先日(2009年2月18日)、NHK-BS1で、
 『クラッシュ1929:世界恐慌の教訓は生かされるのか』
 
が放送された。

 このブログ内にも、2008年10月12日に記載した、
 『1929年:世界大恐慌に学ぶ2008年金融危機の読み方。』
 が長く読者の関心を集めている。

 調べてみると、
 『その時歴史が動いた』では、
 過去にもこの題材を扱った番組が放送されている。
 
(下記参照)

 1929年~45年までの長き期間、
 15年以上に渡って世界を巻き込んだ絶望の時代

 過去に起きた事件である<世界恐慌>がこれまでになく注目されてい理由は、
 現在世界が置かれている状況が、1929年の時代と酷似していることにある。

 *第一次世界大戦の終結と冷戦時代の終結。
 *グローバル社会と生産技術が実現した大量生産システム。
 *新しい伝達手段としての通信技術の発達。
 *新しい金融取引技術の誕生。

 人々は時代の変化を歓迎し、楽観的に栄華が続くものと信じた。
 しかし、クラッシュは、ある日突然訪れた。

 この番組では、1929年10月24日の「暗黒の木曜日」に焦点をあて、
 過去の事例を通して現在の私達の置かれている立場を見つめる
 注目すべき番組となっている。

 この3月で放送を終了する『その時、歴史が動いた』
 その中で同じ題材を2度に渡って放送することは異例で、
 この2009年の時代に起きている苦悩の原因を知る
 有効な手段は過去を学ぶことである。
 そんな気持ちで番組を見たいと考える。

 <関連記事へのブログ内リンク>
  *1929年:世界大恐慌に学ぶ2008年金融危機の読み方。
   http://blog.goo.ne.jp/mimifuku_act08/d/20081012


  <番組を見て感じたこと。>

 今回の番組の最大の特徴は、1920年代の日本に注目したこと。
 関東大震災以後の疲弊した日本の中で政府手形を悪用した鈴木商店。
 片岡大蔵大臣の失言と状況を把握せずに紙面に掲載された銀行破綻情報。
 銀行破綻の流言が引き起こした銀行の閉鎖(取り付け騒ぎ)と金融危機。
 「クラッシュ1929」でも話題になったテッカーの功罪。
 よく1929年の株式の大暴落は食い止められたと言われるが、
 その場を凌いでも何れは通らなければならない下降の道。
 バブルの反動は、<山高ければ、谷深し>の名言が知られているが、
 平坦な道を好まぬものは、山と谷を駆け巡る。
 1929年は、悲劇の序章に過ぎない。
 米国においては、1933年のどん底経済まで4年間の下降線をたどった。
 世界においては、番組が語る悲劇への道を一直線にたどった。
 
 この番組の中で注目すべき点は、
 <大戦の悲劇>以前に起きた、
 <関東大震災の悲劇>について語られている。

 この国の一極集中が誤りであることは、
 阪神淡路大震災の時に充分に議論されたはずなのに、
 僅か15年足らずでその時の反省を忘れ、
 誇大化した都市構築に向かってひたすら走り続けている。

 地方経済の急激な衰退を見て見ぬ振りする、
 中央集権のあり方に疑問を持たぬものはない。
 
 この番組を見て、
 <失意の中の悲劇>が、
 再び起きぬことを願った。 



 ~下記、NHKホームページより転載。

 ▽今から80年前。
 米ニューヨーク証券取引所の株価大暴落をきっかけに起きた「世界恐慌」。
 番組では暴落にいたる経過を追いながら、
 経済危機の時代に生きるための教訓をさぐる。

 企業の経営破綻や失業の増大。
 経済の混乱に揺れる現代の日本、そして国際社会。
 ちょうど80年前にもこれと酷似した状況があった。
 アメリカ、ニューヨーク証券取引所の株価大暴落、
 「暗黒の木曜日」をきっかけとした、
 「世界恐慌(大恐慌)」である。
 この経済的破滅から脱しようとしたあげく日本と世界は戦争に向かってしまう。
 「世界恐慌」発生の経過を追いながら、
 現代の危機に生きる私たちがそこから得られる教訓とは何かをさぐる。

 【コメンテーター】:内橋 克人

 【キャスター】:松平 定知


 番組HP:http://www.nhk.or.jp/sonotoki/2009_03.html


 ~以下、番組ホームページより転載。

 <資料:1>

 「その時歴史が動いた(2009年3月4日放送)」
 第353回:経済危機、世界を揺るがす。
  
 
その時: 1929(昭和4)年10月24日。

 *出来事: ニューヨーク証券取引所で株価が大暴落する。

 【番組概要】 
 
 2009年現在、
 アメリカのサブプライムローン問題に端を発した、
 世界同時不況の波は日本にも押し寄せ、
 企業経営や雇用に深刻な影響をもたらしている。
 この危機的状況とよく比較されるのが80年前のニューヨーク証券取引所の
 株価大暴落をきっかけとして起こった「世界恐慌」である。

 当時、
 第一次世界大戦で疲弊したヨーロッパに代わってアメリカに資金が流れ込み、
 一般民衆の間では株取引でもうける投機ブームが起こっていた。
 しかし、
 返済不可能な借金による株売買が蔓延し、株価上昇も限界に達したため、
 米株式市場は一気に暴落、崩壊する。

 これをきっかけとする「世界恐慌」は、
 当時金融恐慌と関東大震災で弱体化していた、
 日本経済にも致命傷を与えた。
 やがて日本と世界は悲劇的な末路をたどる。

 番組では、
 ニューヨークの株価暴落への経過を追いながら、
 当時の経済の破滅的状況を浮き彫りにし、
 経済危機に直面している現代の我々にとって、
 活かしうる教訓を探る。

 【番組の内容について】

 *鈴木商店の経営責任者 金子直吉の手紙の文言について。
 (1917年(大正6):金子が鈴木商店のロンドン支店に当てた手紙より)

 「この戦乱を利用し大もうけをなし、
 三井・三菱を圧倒するか、並んで天下を三分する。」
 ~大戦後の鈴木商店の会議内容について「金子直吉傳」や、
 当時の幹部が残した資料(西川文蔵書簡集)などから再構成しました。

 *大蔵大臣:片岡直温(なおはる)の失言について。
 (片岡大蔵大臣の失言は第52回帝国議会・衆議院予算委員会の時のことです)

 「現にきょう正午ごろにおいて、渡辺銀行がとうとう破たんをいたしました」

 *ジョセフ・ケネディの買い占めについて。
 
 分かりやすくするため「買い占め」と表現しましたが、
 仲間内で一定量の株の売買を繰り返して株価を上げる、
 「株価操作」にもあたります。
 この手法は現在は違法とされています。

 *番組内のティッカーの実物について。

 『Museum of American Finance(金融博物館/アメリカ・ウォール街)』
 が所蔵展示している復元品です。

 *楽観論を唱えたアーヴィング・フィッシャー教授について。
 (1929年当時:市場の安泰と株価がまだ上がると主張した著名学者の一人)

 「我が国の経済基盤は健全です。
 株式市場の動向は我が国のすばらしい繁栄の妨げとはなりません。」

 *世界恐慌を見たジョセフ・ケネディの言葉について。
 (JFケネディの父親であり、株式投資で大儲けし、実業家に転身しています)

 「証券会社や投資家などの金融界の連中はこれまで過大に評価されてきた。
 でも彼らは、この混乱を収拾できないではないか。」

 *エンディングで紹介したオバマ米大統領の演説について。
 (2009年1月20日の大統領就任式での演説の際の映像です。)

 「現在の危機は人々が市場の動きを注視していないと制御不能になり、
 また富裕層ばかり優遇する国家は長く繁栄できないことも教えてくれました。」
  (以上、一部意訳しています)

 
 
<資料:2>
 
 
「その時歴史が動いた(2000年10月25日放送)」
 第26回:1929年NY株価大暴落。
 
 *その時:1929年10月24日 
 
 *出来事:ニューヨーク株価大暴落の時

 1929年10月24日木曜日ニューヨーク株式市場で株価が大暴落。
 まもなく未曾有の恐慌となって全世界に波及する。
 この空前の株式暴落はなぜ起きたのか?

 1920年代。
 戦争で疲弊したヨーロッパに変わってアメリカは好景気に沸いていた。
 株式市場では、信用取引や短期売買で巨万の富を得る相場師が現れた。
 その代表格がケネディ財閥の創始者で、
 息子J.Fを大統領にした男ジョセフ・ケネディと、
 「ウォール街のキング」ジェシー・リバモアである。

 一般大衆もこぞって株式市場に参入し、
 株価は実体経済と大きくかけ離れて上昇していく。
 暴落の前兆は現れていたが、
 誰も正確にその時を予測することはできなかった。

 大暴落の日
 ほとんどすべての投資家が損失をこうむる中でケネディとリバモアは、
 暴落の波をしたたかに乗り切ろうとする。

 番組では、二人の相場師の対照的な人生を軸に1929年の株式大暴落は、
 どのようにして起きたのか、大暴落から得られる現代への教訓は何かを描く。
 
 *大暴落の映像について
 記録映画「Stock Market Crash in 1929」を基本的に使用しています。


 <参考文献>
 
 「ウォール街の崩壊」
 G・トーマス、M・モーガン=ウィッツ著 常磐晋平訳 講談社

 「その日アメリカが崩壊する」
 トム・シャクトマン著 二見書房

 「大不況下の世界1929~1939」
 C・P・キンドルバーガー著 東京大学出版会

 「大恐慌前夜~究極の大相場~」
 ロバート・ソーベル著 三原敦雄訳 徳間書店

 「ケネディ家の創始者ジョセフ・P・ケネディ伝」
 リチャード・ホエーレン著 鹿島出版

 「欲望と幻想の市場:伝説の投機王・ジェシー・リバモア」
 エドウィン・ルフェーブル著林康史 訳 東洋経済新報社
 ~以上共通資料。

 「ドキュメント 恐慌」 内橋克人著  新潮文庫
 「悪夢のサイクル」  内橋克人著  文藝春秋
 ~以上、2009年放送分。

 ※絶版となったものもあります。
   出版社などにご確認下さい。

 

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