久しぶりの4JG2ですが…
正直、モメてます…笑
以前の記事にて組み上げていく段階でシリンダーヘッドのバルブシート間にクラックがある事が発覚したのでお客様に交換の必要性を説明してたんですが…
新品のシリンダーヘッドとバルブで約25万と高額な追加になってしまう事になかなか承認が下りず…
お客様が一時はクラックの入ったシリンダーヘッドをそのまま使ってくれ…と。
それで壊れてもそれはこっちの事情だから…とまで言ってたんですが…
さすがに燃焼室にクラックが入ったシリンダーヘッドをそのまま組めば、いずれ壊れるのは目に見えてる訳で、壊れてもいいから…と言われても、部位が部位だけにハイ分かりました…なんて無責任な事は出来ないので、交換の必要性を根気よく説明してたんです…
それでもやっぱり高額な追加がネックらしくなかなかO.Kが出ず…
なのでこちら側も新品シリンダーヘッドと新品バルブは仕切り価格での提供とヘッド交換工賃などはサービス…
エンジン屋さんにもクラックが入ってた事を説明して今回の研磨と水圧テストの作業料をサービスしてもらい削減(コレは当然…⁉︎)
なんとか当初の見積り金額との差額を縮めて再提示したところ担当者さんには納得して頂けました。
が、残るはその担当者さんの上司の許可が必要との事で現在その承認待ちの状態です…
ただ、現在はブロック側もクランクシャフトを組み付けた段階で止まっており、長期間バラした状態だと気になるのはやっぱり錆…
外した部品全てに油膜を張るのは現実的じゃないし、外気に晒されてるとゴミやホコリも付くので…
特にムービングパーツの錆だけは避けたい事もあり、空いた時間を見つけピストンなどを組み付ける事に…
まずは重量合わせ。
ピストン、ピストンピン、コンロッド、ピストンリングなどの腰上の重量を合わせていきます。


今回はライナーキットで交換するのでライナーに合わせピストンとピストンピンも新品です…
何故、重量を合わせるのか?と言うとエンジンは1分間に何千回転も回っており、クランクシャフトのような重量物を燃料と空気の混合気を爆発させた衝撃で回転させてる訳ですが、そんな重量物が物凄い力で何千回転も回る時に最も重要なのがバランスで…
腰上(ピストンやコンロッド)の重量バランスが悪いと低回転では分からなくても回転が上がるにつれ振動が出て、やがてサージングという異常振動を起こして最悪の場合はエンジンが破損する事も…
重量を合わせてバランスをとる事でエンジン破損を防ぐ為は勿論の事、回転ムラが無くなりエンジンがスムーズに回ると、各部にかかる負担減による耐久性向上や結果的に燃費向上などにも繋がってきます。
それに量産エンジンは生産効率重視なのでトルク管理も含め、細かいところの調整は結構アバウトなんです。
そんな理由もあり重量合わせを行います。
まずはピストンやコンロッドなど個々の重さを計ります…



それぞれの重さを記録しておき、数字上で計算して理想的なバランスの組合わせを考えるんですが…
まず困ったのが新品ピストンの重量の誤差。


この2つのピストンで既に3.5gの誤差…
写真を撮り忘れましだが1番のピストンは791.5gで上の写真にも写ってる2番のピストンは786.5g…
この時点で5gの誤差があるんです…
この…腰上で5gの誤差を合わせるのは結構大変な事で…
整備書では全体での重量差は3g以内…となってますがピストンだけで既にアウト。
量産車のエンジン部品の精度なんてこんなもんでしょうけど…
コンロッドは再使用なので位置は変えられないし、ピストンリングも合口調整済みの為、実質ピストンピンかスナップリングでこの誤差を埋めるしか無いんですが、ピストンピンとスナップリングで5gの差が無くなる訳もなく…
組合せを色々と考えても、誤差3.5gが限界。
仕方なくコンロッドを少し削る事に…
プレス金型の繋ぎ目部分や新品時に削ったであろう角などを、ベルトサンダーで削ります…


画像だと光の当たり具合で物凄い削った様に見えますが、実際には表面をサラッと削った程度です…笑
で、トータルでの重量を確認…


結果的にトータル重量は…
1番が2434.5g
2番が2434.0g
3番が2434.5g
4番が2433.5g
という結果に。
1gの誤差はありますが基準の3g以内には入っていますので今回はこの辺で…
ちなみにV型エンジンだと重量合わせももっとシビアで、更に高い精度の秤が必要です…
重量合わせも済んだらコンロッド、ピストンリング等を組んでブロックに組み込み…





コンロッドキャップの締め付け…
29Nmで締め付け後に45〜60°の角度締め。
ちなみに整備書ではコンロッドキャップの締め付けトルクが2.9Nm+45〜60°と間違った記載になってます。
本来は29Nm+45〜60°が正しい数字です。
まあ2.9Nmを信じる人なんかいないと思いますが…

この角度計付きのトルクレンチは便利です…
角度の積算も可能なので1ストロークで目標角度まで締める必要もありませんし…
今までのアナログ角度計での作業からすると効率、正確性も格段に上がりますね…

ココまででまた作業は一旦ストップです…
錆びない様にマスキング処理とオイルパンを仮付けして終了です…


それにしてもこの4JG2のオイルパンは不恰好だなぁ…
当初の設計より油量が足りずにオイルパン容量を無理やり増やした…みたいに感じるのは自分だけでしょうかね⁉︎…笑
正直、モメてます…笑
以前の記事にて組み上げていく段階でシリンダーヘッドのバルブシート間にクラックがある事が発覚したのでお客様に交換の必要性を説明してたんですが…
新品のシリンダーヘッドとバルブで約25万と高額な追加になってしまう事になかなか承認が下りず…
お客様が一時はクラックの入ったシリンダーヘッドをそのまま使ってくれ…と。
それで壊れてもそれはこっちの事情だから…とまで言ってたんですが…
さすがに燃焼室にクラックが入ったシリンダーヘッドをそのまま組めば、いずれ壊れるのは目に見えてる訳で、壊れてもいいから…と言われても、部位が部位だけにハイ分かりました…なんて無責任な事は出来ないので、交換の必要性を根気よく説明してたんです…
それでもやっぱり高額な追加がネックらしくなかなかO.Kが出ず…
なのでこちら側も新品シリンダーヘッドと新品バルブは仕切り価格での提供とヘッド交換工賃などはサービス…
エンジン屋さんにもクラックが入ってた事を説明して今回の研磨と水圧テストの作業料をサービスしてもらい削減(コレは当然…⁉︎)
なんとか当初の見積り金額との差額を縮めて再提示したところ担当者さんには納得して頂けました。
が、残るはその担当者さんの上司の許可が必要との事で現在その承認待ちの状態です…
ただ、現在はブロック側もクランクシャフトを組み付けた段階で止まっており、長期間バラした状態だと気になるのはやっぱり錆…
外した部品全てに油膜を張るのは現実的じゃないし、外気に晒されてるとゴミやホコリも付くので…
特にムービングパーツの錆だけは避けたい事もあり、空いた時間を見つけピストンなどを組み付ける事に…
まずは重量合わせ。
ピストン、ピストンピン、コンロッド、ピストンリングなどの腰上の重量を合わせていきます。


今回はライナーキットで交換するのでライナーに合わせピストンとピストンピンも新品です…
何故、重量を合わせるのか?と言うとエンジンは1分間に何千回転も回っており、クランクシャフトのような重量物を燃料と空気の混合気を爆発させた衝撃で回転させてる訳ですが、そんな重量物が物凄い力で何千回転も回る時に最も重要なのがバランスで…
腰上(ピストンやコンロッド)の重量バランスが悪いと低回転では分からなくても回転が上がるにつれ振動が出て、やがてサージングという異常振動を起こして最悪の場合はエンジンが破損する事も…
重量を合わせてバランスをとる事でエンジン破損を防ぐ為は勿論の事、回転ムラが無くなりエンジンがスムーズに回ると、各部にかかる負担減による耐久性向上や結果的に燃費向上などにも繋がってきます。
それに量産エンジンは生産効率重視なのでトルク管理も含め、細かいところの調整は結構アバウトなんです。
そんな理由もあり重量合わせを行います。
まずはピストンやコンロッドなど個々の重さを計ります…



それぞれの重さを記録しておき、数字上で計算して理想的なバランスの組合わせを考えるんですが…
まず困ったのが新品ピストンの重量の誤差。


この2つのピストンで既に3.5gの誤差…
写真を撮り忘れましだが1番のピストンは791.5gで上の写真にも写ってる2番のピストンは786.5g…
この時点で5gの誤差があるんです…
この…腰上で5gの誤差を合わせるのは結構大変な事で…
整備書では全体での重量差は3g以内…となってますがピストンだけで既にアウト。
量産車のエンジン部品の精度なんてこんなもんでしょうけど…
コンロッドは再使用なので位置は変えられないし、ピストンリングも合口調整済みの為、実質ピストンピンかスナップリングでこの誤差を埋めるしか無いんですが、ピストンピンとスナップリングで5gの差が無くなる訳もなく…
組合せを色々と考えても、誤差3.5gが限界。
仕方なくコンロッドを少し削る事に…
プレス金型の繋ぎ目部分や新品時に削ったであろう角などを、ベルトサンダーで削ります…


画像だと光の当たり具合で物凄い削った様に見えますが、実際には表面をサラッと削った程度です…笑
で、トータルでの重量を確認…


結果的にトータル重量は…
1番が2434.5g
2番が2434.0g
3番が2434.5g
4番が2433.5g
という結果に。
1gの誤差はありますが基準の3g以内には入っていますので今回はこの辺で…
ちなみにV型エンジンだと重量合わせももっとシビアで、更に高い精度の秤が必要です…
重量合わせも済んだらコンロッド、ピストンリング等を組んでブロックに組み込み…





コンロッドキャップの締め付け…
29Nmで締め付け後に45〜60°の角度締め。
ちなみに整備書ではコンロッドキャップの締め付けトルクが2.9Nm+45〜60°と間違った記載になってます。
本来は29Nm+45〜60°が正しい数字です。
まあ2.9Nmを信じる人なんかいないと思いますが…

この角度計付きのトルクレンチは便利です…
角度の積算も可能なので1ストロークで目標角度まで締める必要もありませんし…
今までのアナログ角度計での作業からすると効率、正確性も格段に上がりますね…

ココまででまた作業は一旦ストップです…
錆びない様にマスキング処理とオイルパンを仮付けして終了です…


それにしてもこの4JG2のオイルパンは不恰好だなぁ…
当初の設計より油量が足りずにオイルパン容量を無理やり増やした…みたいに感じるのは自分だけでしょうかね⁉︎…笑
確かにこういう作業は周りの環境も含め、お客様の信頼が無いと成立しない作業ですね…
作業効率などを踏まえて今は自社でO/Hする会社も少ないように思います。
融通の利かないお客さんは少なからずおりますね…笑
難しいところですが…
運送会社も経営が厳しい中なるべく安くしてあげたいと思う反面、安全性や耐久性が何より大事ですから。
そういう場合うちは根気よく説明して納得してもらうようにしたり、お客によっては修理しないと駄目です‼︎…と強めに言わせてもらう事もあります。
今のお客様はそういう事もあり、少しずつ信頼が重なり今に繋がってるのかな…と思います。
もちろんそれが原因で離れていったお客もいますけど…笑
でもやっぱり整備士としての信念みたいなモノは持って仕事をしようとは常々思いますね…。
自分も同業者でトラック専門の町工場のサービスフロントをしています。
やっぱりウチもこういうのあります。
車輌担当の人が機械に関して無知で、
お金かかる=じゃあやらなくていいや的に返答寄越すパターン。
車輌担当の人の気持ちも判らないワケではないのですが、修理金額だけで判断して欲しくないんです。
そこを修理しなかったばかりに後に故障しまた修理とその時積んでいた荷物が届かない又は遅れる事に対しての運送会社の保証、故障した時の場所によってはレッカーもあるわけで、任意保険付帯のロードサービスに入ってれば良いのですが、入ってない場合は自腹になりますし、厄介なのはなんであの時修理しなかったと今更ゴネる会社もあります。
そこまで考えた上で返答をいただきたいものです。
ちなみに自分は首都圏排ガス規制地域なので
mikiaxisさんのこの修理に当てはめると初年度登録の車によっては後何年使うかという選択もお客様に問いてます。
まさにCHAUさんと同じ状況でウチも過去にゴネられた事があります。
何故あの時直さなかったんだ…と。
言った、言わないの話でラチがあきませんでした。その上、休業補償まで請求されましたね…
その時は弁護士を間に挟み事無きを得ましたが…笑
それ以来他のお客様にも、安全性や耐久性に問題があって、走行不能や路上故障の可能性があると判断した箇所に限っては修理した方がいいですよ…では無く、修理しないと駄目です…とキツめに言うようにしてます。それでも直さないなら他をあたって下さい…と。
結果的に離れたお客もいますが、引き続き取引させて頂いてるお客様の中にはそこまで提案してくれるのは非常にありがたい…と言って下さるお客様もいましたからね…
その時は嬉しかったですよ…笑
話はかわり今日の出来事ですが、F24日産アトラス。グレーチング跳ね上げて、アルミ製のオイルパン粉砕してました。運転手がすぐにエンジン止めたので、オイルパンの交換ですぐ納車できると思ってたらメーカー欠品でひと月ぐらいかかると普通にゆわれました。モチロンお客様発狂。
まだ、新車登録から5年くらいなのに、メーカーは何を考えてるのか。
ちなみにそのお客様の矛先は当然車を買った日産ディーラーに。が、部品がないことにはどうしようもないとゆわれ、何とかしてくれと、泣きつかれました。
で、とりあえず2日は車を開けてくれるので、とりあえずの応急処置で明日からオイルパン作ります。
けど思うのはトラックは仕事で使い、動かなければ商売にならないし、納品などができなくなると、取引先も失いかねません。その辺の事考えて車を作ってほしいもんです。日産さん。
納期&金額&整備内容乗用車とは全く違います
一般のお客様なら代車でどうにか納期は頂けますが
トラックとなると積み荷の仕様もありますし
乗用車なら見積もりした時点で代替えがほとんどかなと思います
大型メインの所はDラー&町工場問わず
エンジン&MT&DFのO/Hって少ないとは思いますが
通常作業で入庫するんですか?
重量合わせなんてチューニングショップ位の作業かと
思ってました
乗用車エンジンO/Hって実際ほとんど無いに等しい作業になってますよね
多分最初からベアエンジンや中古交換って見積もり作ります
乗用車系からトラック系の職場に変わると部品価格の違いにビックリするとも聞いた事あります
グレーチングですか…
微妙な所を踏んだんでしょうか…
どのメーカーでもそうですが、在庫が無いのはホント困りますよね。
でもアルミのオイルパンの場合、それこそ下廻りヒットさせて割れでもしない限り交換しないので注文数が圧倒的に少ないんでしょうかね…
メーカーは在庫を極力持ちたく無いんでしょうが、その車を作った責任がありますし…
文句を言ったところで状況が変わる訳では無い事も分かってはいても言わずにはいられないですよね…
そう…トラックは荷を積んでいると替えが効かないんですよ…笑
だからこそ運行中にトラブルが起こらないような予防整備が大事なんですよね…
以前、荷を積んだままクラッチが滑って走れなくなった大型を朝までに荷を届けないといけない…という事で夜中に高速道路のサービスエリアでクラッチ交換した事もありました…笑
トラックメインの会社でも今ではエンジンやデフ、ミッションを自社でO/Hする会社は少ないと思います…
色んな理由があると思います…
メカニックはヤル気でも会社が消極的だったり、会社はヤル気でもメカニックがやりたがらなかったり…
ディーラーさんは効率優先でリビルト載せ替えや外注が基本ですし。
まあ、だからエンジン屋が成り立つ訳ですが。
乗用車のエンジンはなんといっても玉数があるのでリビルトエンジンも安価に設定出来るんですが、トラックのエンジンは圧倒的に台数が少ないので価格も高く、リビルトにはアタリハズレがあるのが現状です。
またウチはそういう仕事の依頼を受けるようにしてるので他の工場に比べると多いかもしれません。
部品代もトラックの値段に慣れると逆に乗用車の部品はこんなに安いの⁉︎…って思いますよ。笑
トラニオンやらクラッチやらもろもろの作業で。
トラックの部品代は高いですねー。僕も最初の頃はドキドキしてました。誤診だったらどーしよう、洒落にならんぞー、って。今はさらっと注文しますけど。
部品代がどうしても高いから仕方無いのもありますが…
トラニオンやシャックルなんかはガタがあっても見て見ぬフリする業者も多いですからね…
自分は過去に大きな誤診をした事があります…
もちろんその間違えた部品代はお客様には請求出来ませんので、かなりヘコんだ記憶があります…
高い勉強代でしたが…
まあそれも今となってはいい経験です。笑