リフトアクスル機構付きのタンクトレーラー…

トレーラーのリフトアクスルはこのブログでも何度か記事にしてるので説明は省きますが…
通常、走行時にはリフトアクスルの制御は自動にしておくもので、自動にしておくと空荷の時はアクスルが自動でリフトアップされます…
タンクトレーラーで言えば荷は液体が多く、積込み時にタンクの中に液体が充填されていきます。
で、先ほどのリフトアクスル制御が自動であれば荷を積んでいき、一定の重量になると軸が自動で下がるんです。
今回のトレーラーは荷を積込んでいく段階で本来なら下がるはずの軸が下がらない…という症状。
リフト制御を下降にすれば軸は強制的に下がるので走行には支障もありません…
実は半年ほど前に修理の依頼があり、トラブルシュートまで終わって見積りを出していたんですが…
なかなか予定が合わず半年経ってようやく入庫です。
このリフトアクスル車両にはリフトアップしない…という症状も多いんですが、今回のようにリフトダウンしない…という症状もたまにあります。
まあ、意外と壊れるという事ですね…笑
リフトアクスルは仕様や年式にもよりますが、トレーラーのリフトアクスル制御をEBSコントローラーで行うタイプと、ECASというコンピュータで行うタイプがあります。
今回はEBSコントローラーで制御するタイプで…
軸を下げるかどうかの判断はEBSコントローラー内のコンピュータが判断してるんですが、先ほど重量で判断してる…と言いましたが、コンピュータは実際には重量をモニターしてる訳では無く、エアサスのベローズの圧力をモニターしており…
3軸中2軸がリフトされていて荷を積んでいくと設置してる軸のベローズに荷重がかかるので当然ベローズの圧力は高くなります…
ベローズの経年劣化を除けば、その圧力と荷重は比例するので間接的に重量を計ってる事にはなるんですが。
で、半年前のトラブルシュート時はベローズの実圧力とEBSコンピュータが示す圧力が異なっていたんです…つまり圧力センサーの不良。
ただ、問題なのはこの圧力センサーはEBSコントローラー内のコンピュータ基盤に直接組み込まれている為、単品での供給が無いんです。
なのでEBSコントローラーASSYでの交換になってしまいます。
EBSコントローラーと言っても実はABSの制御も行っていてモジュレータ類が一体式になっているのでコレがまたビックリするぐらい高額…
ただ、ASSYでの交換しか方法が無いのでお客様は泣く泣く交換を依頼されます…
EBSコントローラー交換の為取り外し。

取り外したEBSコントローラー

各部のコネクター類を付け替えて車両に組み付け。

取り付けた新品のコントローラーには各種パラメータの設定が必要なので専用PCを接続して設定していきます。


専用インターフェイスで接続。

各種パラメータの設定と動作テストなどを行い…



最終確認でベローズの圧力とコンピュータ上の数字が合っている事を確認して完了です。

で、その後取り外したEBSコントローラーからコンピュータ基盤を取り外し、基盤に取り付けられているベローズ圧力センサーを調べてみると…

2つ付いていて抵抗を調べてみると1つは問題無さそう…
他にもブレーキチャンバー用の圧力センサーなどもハンダ吸い取り機で上手くセンサーだけを取り外せば再利用も可能かも知れませんね…
取り外した正常なセンサーを在庫しておいて、今後センサー不良のコントローラーに移植出来るような修理方法も確立出来ないかな…と考えてるんですが、その為にはもちろん移植後のテストや互換性や耐久性のデータも取らないといけないので時間はかかりそうですが、とりあえず以前取り外したEBSコントローラーがもう1台あるので色々と試してみます…
こればっかは試してみないと分からない事も多いですからね…

トレーラーのリフトアクスルはこのブログでも何度か記事にしてるので説明は省きますが…
通常、走行時にはリフトアクスルの制御は自動にしておくもので、自動にしておくと空荷の時はアクスルが自動でリフトアップされます…
タンクトレーラーで言えば荷は液体が多く、積込み時にタンクの中に液体が充填されていきます。
で、先ほどのリフトアクスル制御が自動であれば荷を積んでいき、一定の重量になると軸が自動で下がるんです。
今回のトレーラーは荷を積込んでいく段階で本来なら下がるはずの軸が下がらない…という症状。
リフト制御を下降にすれば軸は強制的に下がるので走行には支障もありません…
実は半年ほど前に修理の依頼があり、トラブルシュートまで終わって見積りを出していたんですが…
なかなか予定が合わず半年経ってようやく入庫です。
このリフトアクスル車両にはリフトアップしない…という症状も多いんですが、今回のようにリフトダウンしない…という症状もたまにあります。
まあ、意外と壊れるという事ですね…笑
リフトアクスルは仕様や年式にもよりますが、トレーラーのリフトアクスル制御をEBSコントローラーで行うタイプと、ECASというコンピュータで行うタイプがあります。
今回はEBSコントローラーで制御するタイプで…
軸を下げるかどうかの判断はEBSコントローラー内のコンピュータが判断してるんですが、先ほど重量で判断してる…と言いましたが、コンピュータは実際には重量をモニターしてる訳では無く、エアサスのベローズの圧力をモニターしており…
3軸中2軸がリフトされていて荷を積んでいくと設置してる軸のベローズに荷重がかかるので当然ベローズの圧力は高くなります…
ベローズの経年劣化を除けば、その圧力と荷重は比例するので間接的に重量を計ってる事にはなるんですが。
で、半年前のトラブルシュート時はベローズの実圧力とEBSコンピュータが示す圧力が異なっていたんです…つまり圧力センサーの不良。
ただ、問題なのはこの圧力センサーはEBSコントローラー内のコンピュータ基盤に直接組み込まれている為、単品での供給が無いんです。
なのでEBSコントローラーASSYでの交換になってしまいます。
EBSコントローラーと言っても実はABSの制御も行っていてモジュレータ類が一体式になっているのでコレがまたビックリするぐらい高額…
ただ、ASSYでの交換しか方法が無いのでお客様は泣く泣く交換を依頼されます…
EBSコントローラー交換の為取り外し。

取り外したEBSコントローラー

各部のコネクター類を付け替えて車両に組み付け。

取り付けた新品のコントローラーには各種パラメータの設定が必要なので専用PCを接続して設定していきます。


専用インターフェイスで接続。

各種パラメータの設定と動作テストなどを行い…



最終確認でベローズの圧力とコンピュータ上の数字が合っている事を確認して完了です。

で、その後取り外したEBSコントローラーからコンピュータ基盤を取り外し、基盤に取り付けられているベローズ圧力センサーを調べてみると…

2つ付いていて抵抗を調べてみると1つは問題無さそう…
他にもブレーキチャンバー用の圧力センサーなどもハンダ吸い取り機で上手くセンサーだけを取り外せば再利用も可能かも知れませんね…
取り外した正常なセンサーを在庫しておいて、今後センサー不良のコントローラーに移植出来るような修理方法も確立出来ないかな…と考えてるんですが、その為にはもちろん移植後のテストや互換性や耐久性のデータも取らないといけないので時間はかかりそうですが、とりあえず以前取り外したEBSコントローラーがもう1台あるので色々と試してみます…
こればっかは試してみないと分からない事も多いですからね…
えーっと、〇〇〇車輌の25KL汚水車 ですね、これは。
僭越ながら補足説明をさせていただきます。
リフトアクスル・コントロールは大別して2種類あります。
1つ目は電気式で、代表的にはEBSのエアサス・コントロールの機能として存在するもの。
2つ目は(自分も呼称でちょっと違和感が有るのですが)機械式であるもの。
今回の車両はEBS式なので、EBSに直接入力されたベローズ圧をもとに、
あらかじめ設定された数値(エア圧)をもって制御されます。
一般に非リフトベローズの左右 いずれかから引き込んでセンシングします。
(ちなみに、EBSの入力ポートは1つのみ)
当然EBSが作動する状況下(イグニッションON)でないと作動しません。
リフトアクスル作動重量(圧力)は、ECUのパラメータとしてセットされるため、
調整を含む変更行為には書き換えのためのPIN(暗証番号)が必要です。
「リフトアクスル・コントロールバルブ」は電気式で、無調整です。
制御は全てECUからの電気信号によります。
故障パターンとしては、ECUの圧力センサの不調が多い様です。
( すいません!説明が複雑に成るので ECASの説明は略します )
もう一方の機械式ですが、やはり非リフト側のベローズから圧力を取りだし、
「リフトアクスル・コントロールバルブ」に直接引き込んで、
設定された圧力をもとに、リフトアクスル制御を行うものです。
( 正式には「コンベンショナルタイプ」と呼ぶようです )
これは、リフトアクスル・コントロールバルブを車両セット状態または、
相当状態におき、圧力値をセッティングするもので、
早い話がネジの回し具合でリフト重量(圧力)が決まります。
こちらはベローズからの圧が来て居れば、常に制御するもので
走行時停車時を問わず、年中無休でリフトを制御するものです。
パーキング時にはタイヤの回転が阻害されるので
リフト作動開始圧力(重量)が狂いやすいような 気(け) は有ります。
故障パターンとしては、「リフトアクスル・コントロールバルブ」のエア漏れ、かなー。
いずれの制御も、エアサス作動用のエアが充分ではない場合、
リフトの制御を止め、軸が降りる様な仕様に成って居ます(故障時も同様です)。
なので、何の用意も無しにリフトを作動させて軸を持ち上げてタイヤを外したりする方が居ますが、
なんかの拍子にエアが足りなくなり、いきなりリフトが非作動状態に移行して、
ベローズをパンパンに膨らませてしまう事例が有り、注意が必要です。
( 作業時はリフト軸がいきなり降下してもダイジョブな様な安全策が必須であると言う事ですね )
それと、ブレーキがEBSで有っても、諸般の事情で機械式リフトを装備する場合も有ります。
また、EBSもバージョンが上がって、強制2軸切替を「スマートボード」というコントローラで行う車種も有ります。
ご参考まで。
EBSコントローラーもそうですが、ECASもトラブル多いですよね…
特に圧力センサーやハイトセンサーなど…
スマートボードはウチにも何台か管理車両でありますが、こちらもチラホラとトラブル発生してます。
ただ、故障コードはスマートボードが表示してくれるので大まかな診断は比較的楽ですね。
ただ、キャリブレーションもスマートボード上で出来ると尚良いんですが…笑
それは贅沢ですかね…