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メカニック日記

メカニックです。仕事ネタから感じた事思った事など気まぐれに更新していきます…

プロフィア…ドライヤーオーバーホール。

2016-02-04 22:51:20 | 日野
QKG-SS1Eのプロフィア…

以前にも記事に書きましたが…

ドライヤーのオイルキャッチタンク…
高年式、低走行距離にもかかわらず、オイルの溜まりが異常に多い事例が…

多すぎます。

コンプレッサーが初めから悪かったのか…それともオイルキャッチタンクのせいでコンプレッサーが悪くなったのかは定かではありませんが…
結果的にオイルキャッチタンクにオイルが溜まります…


今回の車両は3軸トラクターヘッド…


キャッチタンクのドレンを開けると…

大量のオイルが…



オイルキャッチタンクがこの状態だとドライヤーの中はもっとヒドイです…
なので、ドライヤーの内部を掃除&乾燥剤を交換します。

前にも書きましたが、6ミリヘックスを外して反時計回りに回すと簡単に外れます…

外すと中は案の定オイルでゴテゴテ…


結構な量のオイルが溜まってます…
ドライヤーでこの量ですからね…

乾燥剤側も…


乾燥剤を交換していきます…

ピン抜いて…
中のケースを左に回すと外れます。


スプリングが効いている為、
プレスで押さえて…


カバーを外していきます。


更に中フタも外すと…乾燥剤がお目見え。

オイルを吸って真っ黒…
中身を取り出すと…


キャビアみたい…笑

ケースの方も…

ゴテゴテ…
この車両…走行8万キロですよ⁉︎
酷すぎます…


キレイに掃除して…


アルミフィルターを入れて…


プレートやシートを入れたら…

乾燥剤を流し込み。


あとは渦巻きスプリングを入れてフタを取付け。


ケースとカバーの位置を合わせて合体…

切り欠きが合いマークになってます。




ボディ側もキレイに掃除して…
車両に取付け。


キャッチタンクの中もキレイに掃除しておきます…




キレイにしたら取付けて完成。

今回はお客様の都合でドライヤーだけでしたが…出来ればコンプレッサーもオーバーホールした方がいいんですけどね…

そんなこんなで完了です。



余談ですが…
このプロフィアの3軸トラクターヘッドのリヤ2軸は…



車検時などには…ハブをバラさなくても、ドラムのみ外れます…

そのタイプはアクスルシャフトの取付けがスタッドボルトタイプになっており、ハブ内部にはグリスではなく、デフオイルが入ってます…

フロントは従来通りのハブなんですけどね…笑



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J07E…終

2015-12-12 20:38:15 | 日野
昨日の続き…


補機類を取り付けて…





で、エンジン始動の時…

何台やってもこの瞬間は緊張しますね…笑
ボルトの締め忘れが無いか?…や、工具の置き忘れなどや各パーツの取り付け状態などを再確認して…クランキング。

組んでく段階である程度油膜は作ってありますが、エンジンかける前にもう一度クランキングしてオイルを回しておきます…

そしてエンジン始動…

無事かかりました…


…が、


なんかバラついてる⁉︎



ミスった…⁉︎なんて思いながらデータを確認すると…インジェクター補正値が振り切っており…

ここで思い出しました…

インジェクターを交換したのにIDコード書き換えるの忘れてました…泣


急いでID書き換え…


で、再始動…


バラつきも無くアイドリングも安定しました…


補正値も…


いい感じになりました…


良かった~


久々に嫌な汗かきました…笑


水面も安定してます…



エア抜きと暖機をしっかり行って…
後は休み明けに試運転後に最終確認して完了です…。

















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続…J07E

2015-12-11 23:49:03 | 日野
本日もJ07Eのヘッド作業の追い込みです…

今週中に終わらせないと、来週からも別の仕事がたくさん入庫して来ますので…


昨日出したヘッドを待つ間に各部品の洗浄や点検を進めていきます…


ブロックはキズや歪みも無かったので、オイルストーンにて軽く研磨しておきます…


にしても何故5気筒なんでしょう…
中途半端ですよね…笑


まあそれはいいとして、定盤の無い当工場での常套手段…ブロック上でのカムシャフト曲がり点検。


結果、振れが0.02mmなので0.01mmの曲がり…
問題ありませんね…

カムシャフトのメタルの当たり具合は…

半分ほど当たりが付いてます…
オイルクリアランスも0.02mmで基準値内なので
再利用も出来そうですが今回は交換します。



そうこうしてるうちにヘッドが戻って来ました…


前から予約してた作業なのでかなり早く仕上がりました…
ありがたいです。

結局0.05mm研磨してもらいました…


早速ヘッドを乗せていきます…
個人的にはココが1番気を使う作業です…


で、無事ドッキング完了。


ヘッドボルトを締め付けたあと…
修正研磨してるのでカムアイドルギヤのバックラッシュも点検しておきます


こちらも問題無さそうです。

後は順番通りに組んでくだけです…







ヘッドカバーまで組んだ所で今日は終了…
なんとか明日には終わりそうです…








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J07E…オーバーヒート

2015-11-29 10:28:43 | 日野
先日、ブローバイから戻るオイル量が多くインテークパイプ周辺からオイルが外部に漏れちゃっててエンジンオーバーホールの見積りを出してたレンジャーJ07E…

吸引車なんですが、繁忙期を過ぎるまでは長期間車両を止める事は出来ないのでオーバーホールは来年の4月以降にする事に…ただ今現在漏れてる状況をなんとか止めて欲しい…との事。

とりあえず応急?でも無いですがパイプ内やらインタークーラーなどに溜まってるであろうオイルをキレイに洗浄する事に…


このJ07Eはインタークーラーも簡単に外せるので良かったです…


内部洗浄はラジエーター屋さんにお願いします…

専用の洗浄液じゃないとキレイになりませんし、
インタークーラーの場合内部の水洗いは効果があまり無いうえにリスクが高いです…
それに専用の洗浄液を使用しても完全に乾かす事が出来ないのであれば自分で作業する事はやめた方がいいですね…

完全に乾かさずにエンジンをかけると、中に残った可燃性ガスがエンジンに吸い込まれて異常燃焼してオーバーランする事もあります。


そして当工場がお願いしてるラジエーター屋さんは仕事が早い‼︎
昼前に出して15時半には戻ってきます。
値段も良心的で非常にありがたいです。



そしてインタークーラーが戻って来る間に冷却水が減る…というこちらもレンジャーJ07E…
外部に漏れはありません…


エンジンかけて1500回転ほどでレーシングすると…


みるみる水面が上がってきます…
残念ですが…ダメでしょう…


見積りを出してお客様に説明します…

問題はこのJ07Eは基本…平研禁止と整備要領書には書いてあります…
が、実は0.1mmまでなら研磨可能です。
ただ、歪みが0.1mm以上だと残念ながらヘッド交換となります…
そのあたりもお客様に説明しておきます。


にしてもこの吸引車などの特装車は上物をメインで使われてるので正直エンジンには過酷みたいですね…
停車した状態で長時間エンジンに負荷がかかるのでファンだけでは冷却不足のようです…
過去にこの会社の車両でヘッド作業をしたのはもう4台…それに今見積もってる1台…
実は先に書いたインタークーラーを掃除した車両も同じお客様なんです…
オーバーヒートではありませんが、この距離であのブローバイのオイル量は他の車両じゃ考えられない位に多いですから…



チューニングカーならラジエーターを高効率な物に替えようってなるんでしょうが、トラックですからね…笑


何かいい対策はありませんかね…










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レンジャー…エンジンかからない⁉︎

2015-11-27 00:33:20 | 日野
BKG-FC7Jレンジャー…エンジンJ07E


中古車業者さんから突然エンジンがかからなくなったので見てほしい…との依頼で現地まで向かい車両を確認すると…

セルは元気よく回るがエンジンがかかりません…
燃料にエアーが噛んだのかな⁉︎…と思い、エア抜きしてみるもかかりません…


話を聞くとさっきまで普通にかかってた…との事。バッテリーは新品です。
次に診断機を繋ぎ故障コードを確認するも異常無し…
データを見ながらクランキングしてみるも燃圧はちゃんと上がってます…
SCVも最近変えたみたいでピカピカでした…

念のためもう一度しっかり燃料系統のエア抜きをしてエンジンをかけてみると普通にかかったんです…
正直エアが噛んでる様子はありませんでしたが、
各データを確認すると問題なく、吹け上がりも良好だったのでエア噛みが原因だったのか…って事でエンジン止めてキャビンを下ろして片付けをしてからもう一回セル回してみると…かかりません…

…。


マジか…


その後もエンジンがかかる時とかからない時、それにかかってもすぐ止まっちゃう時の3パターンある事を確認…


これ以上は現地で見るのも困難なので業者さんには説明して1度引き取って会社で調べる事に…
調子良くエンジンがかかった時に乗って帰ってきました…
エンジンも1度かかっちゃえば走行には何も支障はありません…


会社に戻ってきてトラブルシュートの続き…



エンジンがかかってる時は絶好調なのでこの時点で燃料系では無いだろう…と判断。
そうなると電気系統が怪しいかと…

ただ、エンジンがかかる時とかからない時のパターンが全く読めずバラバラで…

ここで配線図やらリレー位置の図面などを用意して調べていきます…





で、アレコレ調べていくと…エンジンがかかる時とかからない時にある一定の条件がある事を発見…
それはキーをONにした時にエンジンメインECUっていうリレーに作動音がする時はエンジンがかかるんです…
そのリレーの作動音がしない時はエンジンがかからないか、かかってもすぐエンストしちゃいます

正直、詳しい方なんかはこの症状でもしかして⁉︎…と思う方もいるかもしれませんが…この症状を始めて経験した自分にとっては非常に難解でこの後どツボにハマる事になります…笑

まず苦労したのが、エンジンがかかる時とかからない時の違い…パターンは発見したものの、その発生状況はまるで分からず…
とりあえず問題のリレーを同型のリレーと入れ替えたりしてみますが症状変わらず…
リレーを分解してみますが異常はありません…

その時点でリレーが原因では無いかも…と判断。

次にリレーからECU間の配線や関係ありそうなリレー回路、始動回路などを徹底的に調べました…




が断線やショートも無さそうです…
ここまでハーネスを調べるのに2時間ほど費やしてます…
いよいよECUが原因か?なんて思いながらも

ここで1つ気になることがあり、エンジンECUのメインリレーの配線がECUに入る前に3ピンのちょっとしたボックスに接続されてたんです…

これは何だろう…と思い位置関係から図面で調べてみると…



DC/DCコンバーター(イモビライザー)⁉︎

??

てかこの車両イモビ付いてんの⁇…とここで始めてイモビ付き車両だと知りました…
それに日野純正のイモビは始めて見ました…というか他の車両でも付いてたのに気付かなかっただけかもしれませんが…


で、イモビライザーの回路を用意して調べてみます…



どうやらイモビのECU…というのがあるみたいで、その配線やリレーやらをいろいろ調べてるとエンジンがかからない時はそのイモビECUからエンジンECUに入る配線うちの1本だけ信号が出て無かったんです…
この時はメインECUのリレーに作動音はありません…
逆に信号が入力される時はリレーの作動音もしてエンジンは普通にかかったので…犯人はイモビライザーと判断。


ID認証かなにかが上手くいってないのかな…って思いながら何気なくキーを確認してみると…



あー、2つのうち1つはキーが新しいな…なんて…思い…な…がら…

あ…

新しい…⁉︎




ここでようやく気付きました…


中古業者さんにこの新しいキーは最初からありました?と聞くと
業『スペアが無かったから1本はうちで新しく作ったキーだよ…』と…

やっぱり…


古いキーだと問題無くエンジンかかります。

新しいキーではかかりません。


という事は…新しいキーはID登録してないみたいです…

新しいキーでもエンジンがかかる時があったのは一緒に付けてあった古いキーのIDをたまたま認証出来たからみたいで…
そのせいでかなり苦労しましたが…
試しに古いキーを外して新しいキーだけでクランキングしてみると絶対かかりません…


ここまで時間かけて調べて最後の最後にようやくその事に気づくとは…

中古車業者さんが普通にエンジンかかってた時はたまたま古いキーを使ってたので調子良かったんですね…

新しいキーはディーラーでID登録して貰わないと使い物にならない事を説明して納車しました…


ただ、イモビライザーの回路図を見てるとメーターやらルームランプやらにも繋がってるのは何故なんでしょう…
ひょっとして何かキーのIDが合わない事を知らせるサインでもあったのかな?


どちらにしても原因は単純な事でしたが、かなりの時間を費やしました…



はぁ…疲れた…。



























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デフロック解除出来ない…

2015-11-01 11:17:03 | 日野
日野プロフィアトラクターヘッド。

少し前の作業ですが…デフロックが解除出来ない…との症状で入庫。

インターアクスルデフ付きの2デフ車両で、後2軸間の旋回時の回転差やトルク配分を均等に振り分ける差動装置で、通常走行時は差動装置オン…つまりデフロック解除の状態。
スリップしやすい道路や悪路を走行する時のみ車内にあるスイッチを押して差動機構をオフにして…後2軸間のデフをロックします…

で、今回はボタンを押してもランプは消えるがロック自体は解除されない状態…

まずデフロック作動用のシリンダーを点検します…ボタンを押すとマグネットバルブがオンになりエア圧でピストンを押す仕組み…

そのエアホースを外しボタンを押してみると、シュー…とエアが出てきます。
なのでマグネットバルブは正常。

次にシリンダーのキャップを外し内部を点検…
ピストンを手で押し込み離すとちゃんと押し戻されます…という事はリターンスプリングも正常。


車上で出来る点検はここまで…ピストンを手前に抜いて内部を確認する事も可能ですが、ピストンを抜くとフォークが中に落ちる可能性があるのでやめときます…

とはいうものの下ろさなきゃこれ以上は調べられませんが…






なので…降ろしました。



とにかく重い…
廃材とウマで簡易的なスタンドを作って、天井クレーンとワイヤーとチェーンブロックを駆使して何とか立てました…

ハウジングを外して調べていくと…





原因判明…

メインドライブシャフトとドライブギヤが…焼き付いてました…




このギヤとシャフトは普通手で抜けてくるんですが…焼き付きの為抜けなかったので、プレスにて
抜きとり…

ちなみに新品はギヤとシャフトで25万円ほど…


交換しなきゃいけない部品、交換した方がいい部品なども含め見積もると約40万程…

リビルトは部品のみで60~80万…


お客様は時間はかかるがオーバーホールする事を希望されました…
途中手が油まみれで写真がありませんが…




見積りにシムも何種類か入れておいたのでシム待ちする事も無くバックラッシュも調整出来て…
歯当たりの点検も…


良さそうなので
後は車両側にドッキングして完了。



焼き付き方を見る限り…前デフをスリップさせ過ぎた事による焼き付きっぽいです…
スロープなどで後前軸だけ浮いたままアクセル開けたのか…
ぬかるみで空転させたのかは分かりませんが…


今回、交換した後に思いついたんですが…傷付いたシャフトとギヤを新品に交換するんじゃなく、現物を溶射にて肉盛りして旋盤にて再加工してもらったらどれ位の金額だったんだろう…⁉︎

恐らく…25万はかからないと思うんですが…




思い付くのが遅かった…











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レンジャーDPR再生出来ない…

2015-09-24 20:13:00 | 日野
日野レンジャーADG-FD7の散水車…

題名通り、DPRのランプが点滅してるのにスイッチを押しても再生出来ない…との事で入庫。

症状を確認すると確かにスイッチ押しても何も反応しません…

スイッチ不良⁉︎…なんて思い、スキャンツールを接続してスイッチの信号を確認すると…データ上ではちゃんとオンになります。

なのでスイッチは正常みたい…


次に強制再生をしてみるも…最終画面まで行き『車両側スイッチを押して下さい』となり、スイッチを押すんですが…やっぱり無反応…

再生禁止状態なのか…⁉︎と考えながらいろいろ調べながらDPRデータリセットしたりするも、いっこうに再生出来ません…

あーだこーだしますが…
とうとう万策尽きて、渋々ディーラーに問い合わせ。

最初から聞けばいいじゃんと思う方もいるかと思いますが、個人的には極力ディーラーには頼りたくないんです…
自分で調べて解決したい…というのもあるので…

でもそんな事も言ってられないので電話で事情を説明すると…

デ『うーん…ECUかな~⁉︎…とりあえず一回ECUをリプロしてみます⁉︎』…と

やっぱそうなるのね…と思いながらもディーラーさんも忙しいみたいなので当然すぐには出来ないと言われ…

お客様に説明して、このまま一度うちで預かる事に…
で、車検も近いのでそのまま作業もする事になり

下廻りの洗車だけでもしておこうと思い、スチームで洗って、散水車のタンクに水が4トン分満載だったので効率良く抜こうとPTO入れて散水ポンプ回して抜く事10分…

抜けきったようなのでバルブ閉めてPTO切って車両に乗り込み、なんとなくダメ元でDPRスイッチ押してみると…なんと再生出来ました…

なんで??と思い、今やった事を考えながら調べていると…なんとなく答えが分かりました。




どうもこのアクセルセンサー開度(PTO)というのがイタズラしてたみたいです…

と言うのも、この車両…ポンプ付き散水車で車両の左後方にPTO作動時にエンジン回転を上げれるようにレバーが付いてるんです…

で、どうもPTOが作動してない時でもECUはそのレバーの開度をモニターしてるらしく、そのレバーが微妙な感じで戻りきっておらずセンサー開度が0%じゃなかった為に再生動作を禁止してたみたいで…

試しにレバーをほんと微妙に開けてデータ上の開度を1~2%にして再生スイッチを押してみると、無反応になります…


そう言えば確かにこの車両に限らず、この型式は再生中にアクセルペダル触っちゃうと再生止まっちゃうもんな…と思い出し

なるほど…と


ディーラーに持ってかなくてヨカッタ…


ECUリプロしてたかと思うと…ゾッとします…







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