日野プロフィアトラクターヘッド。
少し前の作業ですが…デフロックが解除出来ない…との症状で入庫。
インターアクスルデフ付きの2デフ車両で、後2軸間の旋回時の回転差やトルク配分を均等に振り分ける差動装置で、通常走行時は差動装置オン…つまりデフロック解除の状態。
スリップしやすい道路や悪路を走行する時のみ車内にあるスイッチを押して差動機構をオフにして…後2軸間のデフをロックします…
で、今回はボタンを押してもランプは消えるがロック自体は解除されない状態…
まずデフロック作動用のシリンダーを点検します…ボタンを押すとマグネットバルブがオンになりエア圧でピストンを押す仕組み…
そのエアホースを外しボタンを押してみると、シュー…とエアが出てきます。
なのでマグネットバルブは正常。
次にシリンダーのキャップを外し内部を点検…
ピストンを手で押し込み離すとちゃんと押し戻されます…という事はリターンスプリングも正常。
車上で出来る点検はここまで…ピストンを手前に抜いて内部を確認する事も可能ですが、ピストンを抜くとフォークが中に落ちる可能性があるのでやめときます…
とはいうものの下ろさなきゃこれ以上は調べられませんが…
なので…降ろしました。

とにかく重い…
廃材とウマで簡易的なスタンドを作って、天井クレーンとワイヤーとチェーンブロックを駆使して何とか立てました…
ハウジングを外して調べていくと…




原因判明…
メインドライブシャフトとドライブギヤが…焼き付いてました…


このギヤとシャフトは普通手で抜けてくるんですが…焼き付きの為抜けなかったので、プレスにて
抜きとり…

ちなみに新品はギヤとシャフトで25万円ほど…
交換しなきゃいけない部品、交換した方がいい部品なども含め見積もると約40万程…
リビルトは部品のみで60~80万…
お客様は時間はかかるがオーバーホールする事を希望されました…
途中手が油まみれで写真がありませんが…


見積りにシムも何種類か入れておいたのでシム待ちする事も無くバックラッシュも調整出来て…
歯当たりの点検も…


良さそうなので
後は車両側にドッキングして完了。
焼き付き方を見る限り…前デフをスリップさせ過ぎた事による焼き付きっぽいです…
スロープなどで後前軸だけ浮いたままアクセル開けたのか…
ぬかるみで空転させたのかは分かりませんが…
今回、交換した後に思いついたんですが…傷付いたシャフトとギヤを新品に交換するんじゃなく、現物を溶射にて肉盛りして旋盤にて再加工してもらったらどれ位の金額だったんだろう…⁉︎
恐らく…25万はかからないと思うんですが…
思い付くのが遅かった…
少し前の作業ですが…デフロックが解除出来ない…との症状で入庫。
インターアクスルデフ付きの2デフ車両で、後2軸間の旋回時の回転差やトルク配分を均等に振り分ける差動装置で、通常走行時は差動装置オン…つまりデフロック解除の状態。
スリップしやすい道路や悪路を走行する時のみ車内にあるスイッチを押して差動機構をオフにして…後2軸間のデフをロックします…
で、今回はボタンを押してもランプは消えるがロック自体は解除されない状態…
まずデフロック作動用のシリンダーを点検します…ボタンを押すとマグネットバルブがオンになりエア圧でピストンを押す仕組み…
そのエアホースを外しボタンを押してみると、シュー…とエアが出てきます。
なのでマグネットバルブは正常。
次にシリンダーのキャップを外し内部を点検…
ピストンを手で押し込み離すとちゃんと押し戻されます…という事はリターンスプリングも正常。
車上で出来る点検はここまで…ピストンを手前に抜いて内部を確認する事も可能ですが、ピストンを抜くとフォークが中に落ちる可能性があるのでやめときます…
とはいうものの下ろさなきゃこれ以上は調べられませんが…
なので…降ろしました。

とにかく重い…
廃材とウマで簡易的なスタンドを作って、天井クレーンとワイヤーとチェーンブロックを駆使して何とか立てました…
ハウジングを外して調べていくと…




原因判明…
メインドライブシャフトとドライブギヤが…焼き付いてました…


このギヤとシャフトは普通手で抜けてくるんですが…焼き付きの為抜けなかったので、プレスにて
抜きとり…

ちなみに新品はギヤとシャフトで25万円ほど…
交換しなきゃいけない部品、交換した方がいい部品なども含め見積もると約40万程…
リビルトは部品のみで60~80万…
お客様は時間はかかるがオーバーホールする事を希望されました…
途中手が油まみれで写真がありませんが…


見積りにシムも何種類か入れておいたのでシム待ちする事も無くバックラッシュも調整出来て…
歯当たりの点検も…


良さそうなので
後は車両側にドッキングして完了。
焼き付き方を見る限り…前デフをスリップさせ過ぎた事による焼き付きっぽいです…
スロープなどで後前軸だけ浮いたままアクセル開けたのか…
ぬかるみで空転させたのかは分かりませんが…
今回、交換した後に思いついたんですが…傷付いたシャフトとギヤを新品に交換するんじゃなく、現物を溶射にて肉盛りして旋盤にて再加工してもらったらどれ位の金額だったんだろう…⁉︎
恐らく…25万はかからないと思うんですが…
思い付くのが遅かった…
「肉盛りして旋盤加工」は、Sカムのホルダ部分の摩耗にやって居る整備工場さんが有ります。
エコですよね。
時間的余裕が有れば、良い方法かもしれません。
後である加工屋さんに聞いたら今はドライブシャフトの肉盛りは禁止された…なんて事を言ってました。
溶射が薄いと剥がれる可能性もある…と。
かと思えば他の加工屋さんは大丈夫ですよー…なんて言ってたのでどっちが正しいんでしょうかね…笑
どちらの加工屋さんも高い技術を持った業者なので答えが割れると悩みます…
結局のところ、熱処理の問題と思います。
調質された材質を、スプラインなりを切って加工してから、
講習波焼き入れ等の熱処理を施しているはずです。
それに加熱を伴う加工を実施するのは、当然教科書的にはご法度のはず。
責任問題と成るので、メーカ的には禁止する方向での話に成る訳ですが、
その先は自己責任のはずが、「熱影響部以外は関係ねージャン」とばかり
追加工をすると。
何か有って「ダメって書いてねーよ」とのたまう方が出て来ると、
メーカ的にはどこかに「追加工はダメです」と記載すると。
「熱影響部以外は関係ねージャン(この太さだと充分保って)」派と
「調質が狂うから基本ダメでしょ(疲労して居るのにまた加工してストレス入れるの)」派
が拮抗する事に成ると思われます。
自分ですか?
自分は、施工される方の自己責任でされれば良いと”思います”。
遠心分離機でそれをやってシャフトが寸断されドラムがぶっ飛んだ事例があります
結果的に作業が終わった後ですが、2社に聞いて1社は出来ません…と返答がきましたが、もう1社は出来ますよ…との返事だったんです。
出来ると言った加工屋さんはかなり高い技術を持ってるので、それを信じて頼んでもよかったのかな〜と思ってる訳です…笑
まあ今回は新品に交換しちゃったのであとの祭り…ですけどね。
良い勉強になりました。有難うございます