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覚えてるよぉ!

2010年01月22日 | 日記・エッセイ・コラム
ふとした瞬間に蘇る記憶がある
 
それは風景だったり、表情だったり
そして、時としてその記憶は鮮明に刻まれており
ふと思い出すわりには、強烈に蘇る
 
10.19
 
数あるプロ野球の名勝負の中でも
僕の中に鮮明に刻まれた試合があった
脅威の追い上げで首位に迫る近鉄のダブルヘッダー
負けられないプレッシャーの中
9回に代走に出た選手が三本間で挟まれ刺された
 
タッチされ、塁審を見上げる選手
無情にもアウトを先刻される
あのときの彼の表情
 
切なく、そして、すべての事に押しつぶされそうな
嘆願するあの瞳
テレビで見ていて、胸が締め付けられたのを
思い出す
 
目は口ほどにモノを言う
 
視線とは時に甘酸っぱく
そして、時として残酷な一面を持つ
 
高校時代にも
忘れられない体験をした
 
英語の授業、先生が僕を指差す
一番不得意な教科だったんで
自信無さげに椅子を引く
立ち上がると、どこからともなく湧き上がる
シュプレヒコール
 
それに合わせて、僕は踊るのである
そしてその時に僕に投げかけられた先生の視線
囃子たてる者を叱るわけでもなく
僕を哀れむ、そして軽蔑しているような冷たい視線
あの表情も一生忘れる事は無いと思う 
 
それにしても、あの光景は
いまから思えば“いじめ”のようにも
感じなくはないが、いじめられた思う経験はなく
ただただ、僕が言われたようにするから
そんな事が続いていったんだと思う
 
面白いのは、その掛け声
 
「つるべ!つるべ!つるべ!」
 
なのである
もちろん、アフロだったわけでもなく
眼鏡をかけているわけでもなく
笑顔でも目だけは笑っていなかったわけでもなく
奇妙なステップを踏んで踊っていた
わけでもなく・・・
 
とにかく、何をとっても似ていないと
思っていたのだが、誰かが
 
「つるべに似ている」
 
と呟いたのが、そのままお囃子になった
 
今から思えば、何かの因縁か
 
 


コメント
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