おかげさまで生きてます

日々の暮らしのなかで

先生、おしっこ!

2010年01月18日 | 日記・エッセイ・コラム
コンビニで真剣にガリガリ君を選んでいると
一人のオッサンが入ってきて、一言
 
「トレイ借りるでぇ!」
 
もちろん、バイト君は「はぁ!」と小さな声で
対応したが
思えば最近では、コンビニでトイレを使うのに
店員に声をかけることは少なくなったなと思う
 
何年前になるだろうか
当時はコンビニのトレイを使えるようになったと
頻繁にPRしていた事があったと記憶しているし
そのくせ
使うときには店員に言って
鍵を開けてもらって入ったことがあった
 
「そんなトレイなかったですよぉ!」
 
僕の記憶の場合、よく否定形で会話が進んでいく事が
多々あるが、実際、鍵の掛かったトイレをあけて
もらって使った本人が言ってるのだから
事実なのである
 
普及し始めた時には、店に悪いからと
ガムのひとつでも買ったものだが
これだけ普及した今では
立ち読みをしてから帰るという
公衆トイレにはないサービスがついてると
勘違いしないわけでもない
 
そんな日常に溶け込んだ風景で
改めて、店員に一言いってトレイに消えていった
オッサンが新鮮に見えたし、小学校時代の
先生が脳裏に蘇った
 
「先生、トイレに行ってもいいですか?」
 
授業が始まると、決まってそんな事を言う奴がいた
その先生が担任をするまでは
それがどうと言うことはなかったが
四年生になったときの担任は、そう言われて
 
「先生がアカン言うたら、お前はトイレに行かへんのか!」
 
これは子供ながらに新鮮だった
 
確かにそうだ
トレイに行きたいのなら、先生に一言はいるだろうが
許可を得なければならないとは、些か理不尽だ
 
「吸ってもいいですか?」
 
愛煙家にこう言われて
 
「駄目です!」
 
と言う人は稀だろう
いや、はっきりいえる人はいないかも知れない
言う方は、断ればいいだろうと思っているし
言われた方は、正直に言えるわけもなく
 
「どうぞ」
 
と言わざるを得ない
 
「先生!トイレに行ってきます」
 
そういうとその担任は
 
「なぜ、休み時間に行かへんのやぁ!行ってこい」
 
釘を刺すのも忘れない
幼心に、これは正解だなぁ!と感心したのを
ふと、オッサンの声で思い出した
 
 


コメント
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