日々思うこと

日常と、
日常につながるもの。

やっぱり品がほしい。

2006-11-06 | 堅めの話
ここで書こうか書くまいか、迷っていたのだが、やはり書いてみることにした。
ご意見をいただければうれしく思う。


先日、学校で講演会があった。
「ブックトーク」と銘打っていたのだが、いらした方のうちお一人のお話は、微妙なものだった。

その方のお名前は、森達也さんという。(映画監督だそうだ。)

講演が始まると、驚きの連続だった。
いきなりしょっぱなから、愛想も何もなく
「今日は私、早朝から長距離移動しなきゃならなかったんで疲れてます。」
などとおっしゃる。そんなことを言われても…
なんだかこちらが悪いことをしているような気分になった。
でも普通講演会のしょっぱなでそんなことを言うだろうか?講演を聴きに来ている人に対する礼儀を欠いていないだろうか…?

一応 「今ごろドラクエにはまって寝不足っていうのもあって…」
などとつけくわえていたが、それはそれで若者に媚びているようでなんとも…(ドラクエは私も好きなんだけどねぇ…)


その後のお話の内容はといえば、
「空港のボディーチェックには意味がない」
「意味のない決まりごとには、従う必要はない」
などなど、“超リベラル”なことばかりだった。

「考えもせず決まりごとに従うのはバカ」
森達也さんに言わせると、その例の一つが
「トイレの後、手を洗うこと」
なのだそうだ。

何でも
「キタナイ手で触った蛇口を、洗った後の手でまた触るなんて意味ないでしょ?そう思わない?」
ですと。
「オレの○○(…書きたくないので伏字にしているが、講演ではズバリおっしゃっていた。わかるよね?^^;)と蛇口と、どっちがきれいかって話ですよ。オレは自分の○○のほうがキレイだと思うから、手は洗わない」んですって。
・・・・・・・・・
思わず絶句してしまった。
なぜ小学校の講演会でそんな品のない話を聞かなきゃならんのだ…?

トイレの後に手を洗うのは、単に“常識”でいいではないか。
こういう、お互いへの最低限の敬意を表す常識という前提があるから、安心して握手もできるというものではないのだろうか。
そりゃあ理屈を捏ね回せば全ての決まりごとは論破できるだろうが、そんなことをして何の意味があるのか…

関係ないのだけれど、実は服装にも驚いた。
くたびれたパーカーにジーンズ。長髪気味の髪はボサボサ。
一応講演会なんだから、それなりにフォーマルな格好で演台に立つのが礼儀というものではないだろうか。
それだけでも違和感があったが、個人的には「笑顔」がほとんどないというのも気になった。
必要以上に愛想よくしろとは言わないが、普通ある程度社会人生活を送ってきた人は、ある程度の人当たりのよさを身につけるものだと思っていたのだが…


帰宅してから、失礼ながらお名前を検索してみた。どこかで聞いたことがあったような気がしたので…

そしたら…ふうん、なるほど。
私の確信が、おかげでまた少し強いものになったような気がする。