日々思うこと

日常と、
日常につながるもの。

op.39 抗がん剤考

2020-09-26 | 闘病記に名を借りた自分語り
抗がん剤投与を受けるとき、私は毎回
生命の神秘と、それを研究する人間の営みとに畏敬の念を抱きます。
体内にガンという異物が出来てしまうことも不思議ですが、
それを小さくする薬を作ってしまう人間という存在も、考えてみたら凄いなあ、と。

ガン細胞に対してこれほどの効き目がありながら、
他の細胞には(毛髪の細胞などを除き)ほとんど影響しないなんて...
どうすればそんな魔法のような薬が出来るのか、どう考えてもその仕組みが分かりません。(当たり前ですが笑)

一つの抗がん剤が世に送り出されるまでに、
どれだけの人々が
どれだけのトライアンドエラーを重ね
どれだけ膨大な時間と資材と施設が費やされたのか...
その恩恵を受けられる私はなんと幸せ者か。
考えただけで感謝で胸が一杯になります。

ネット上には、
化学療法や放射線療法といった標準治療以外に
実に多種多様な民間(代替)療法についての情報が溢れています。
残念ながらその大半は、医学に対する不信感に毒された(とあえて言います)ものばかりです。
曰く、製薬業界の陰謀が...
医療業界の闇が...等々。

私も大人ですから
そういった業界に、闇のようなものが「全く生じない」とは言いません。
言ってしまえば、すべて組織は(医薬業界に限らず)闇を抱える可能性があります。
しかし、エビデンスではなく不信感から標準治療を否定してまわる人々によって、
地道な研究の積み重ねすべてを否定されることには我慢なりません。

...とはいえ、たとえば
ひどい副作用に苦しみ、抗がん剤をいくつも試すも効果がない、という状況におかれた人にとっては、藁にもすがる思いで他の療法に頼りたくなる気持ちも分かります。
せめて、代替療法が
そんな患者の弱味につけこむようなものではないことを祈るばかりです。

op.38 美を称賛する/される

2020-09-23 | 闘病記に名を借りた自分語り
「あなた髪とってもきれいね。😊」
椅子から立ち上がってバッグを肩にかけた瞬間、
そばに座っていた年配の女性からニコニコと褒められて戸惑う。
ありがとうございます、でもこれはウィッグで...
なんて知らない方に言うのも変だな😅と
一瞬の間にいろいろ考えて、無難に笑ってお礼だけ言いました。

教育委員になりたての頃からお世話になっている先生(男性)に久々にお会いしたときにも
「おっ、髪型変わりましたね🎵いいですね~😄」と褒められて、お礼を言ったはいいけれど
なんだか偽りの姿で騙しているようで気が咎めました。

「美しいですね」と褒める/褒められる、
それに対してお礼を言う...
今まで何の迷いもなく行っていたやりとりが、こんなに悩ましいものになるとは思ってもいませんでした。

まっ、こう見えて私、今までにも
外見(パーツ)を褒められたことはあるにはあるわけですが😆
照れながらもやはり嬉しく感じていました。
しかしウィッグという人工物を日常的に身につけるようになって、
そもそも美を称賛する/されるという行為はどういう意味を持つのか?という根元的・哲学的?問いが生まれてしまいました。

自毛であっても、人前に出るときにはそのままの状態である場合のほうが少なくて
染めたり巻いたり伸ばしたり...と人工的手段を必要としているし、
顔にしても、眉毛を描いたりまつ毛を強調したり(笑)して
文字通りメイクして(作って)いる姿を褒められたところで、それって喜んでいいものなのか...

かといって、
人工的に手を加えないものなら
褒められて単純に喜んでいいのか?
考えてみたら、髪にしても肌にしても
本人が努力して作り上げたものではなく、ただ与えられたものに過ぎないんですよね。
それを(称賛するのはともかく)誇ったりするのは、やはり何か違うという気がしてなりません。
とにかく「自然な姿」ほど美しいのです!と来る「自然原理主義」みたいなものにもなじめません。

私がたどり着いた暫定的な落としどころは
「美しいと称賛するもの・称賛されるもの、
双方が幸せだと感じているか」
ここがポイントなのかなと。

褒める側は
(美しいものを見て得た)幸せな気持ちを伝えたい、
そして相手も幸せな気持ちになってほしい、と思えること。

褒められる側は
自分が相手を幸せな気持ちにさせることができた、と嬉しく思えること。
(それが自然な姿であれ、多少作った姿であれ。)
それらが揃った奇跡のような、パーソナルな一瞬のために
美を称賛するという行為があるのかもしれません。

op.37 良い知らせと、それほど悪くない知らせ

2020-09-16 | 闘病記に名を借りた自分語り
8/25にスタートした抗がん剤第二クールは、早くも昨日で4回目。

ガンの現状について報告していませんでしたが、
結論から申し上げますと、抗がん剤は劇的と言ってよい効果を上げています。
最大2.9cmあったガンは、今や超音波でわずかに痕跡が見える程度です。
このまま行けば画像上ガンがなくなる可能性も出てきました。(それでも手術は必要だそうですが😂)

化学療法に入る前の生検で、私のガンは悪性度(増殖力)の高いタイプのものだということが分かっていたのですが、
このタイプのガンによく効く分子標的薬という抗がん剤が数年前から使用されるようになり、治療も予後も劇的に改善されていました。
私はなんて運が良いのかと驚き、感謝しています。(まだ治療途中ですが笑)

余談ですが、
いろいろな方から励ましを受けるうちに
私が運が良いのは、今まで一生懸命生きてきたことに神様が報いてくださっているからなのかも...と思えるようになりました。😆
ガンになってるのに運が良い??と疑問に思われる人もいるかもしれませんが、とにかく幸福感しかわいてきません。こればかりは分かってもらえないかもしれませんね。😆

話がそれましたが、以上が良い知らせ。

一方で下痢は断続的に続いており、やはり副作用ですね、とのこと。
体重も少しずつですが減ってきているので、今後の使用については要検討ということになりました。
ただ、幸い次週は休日で抗がん剤投与が一週空くことと、
違う種類の下痢止め(前回もらったものは効かなかったので)の効果に期待して、
今回まで予定通りの投与で経過を観察することになりました。
投与から4 、5日目が一番ひどいので、薬を飲みつつ様子を見たいと思います。

op.36 地味

2020-09-12 | 闘病記に名を借りた自分語り
美しくない話ですm(_ _)m
このところ、夜中~明け方にトイレ🚻に通いつめる(笑)ことが続いています。
個人的な感覚ですが、やはりこれは今つかっている抗がん剤の副作用ではないか、と思い始めました。
お医者さんは「あまり聞いたことがない症状」とおっしゃいますが、ネットで調べてみたら無くはないようです。

日常生活に支障は、「あると言えばある・ないと言えばない」レベル。
日中は、今のところ非常事態に見舞われたことはないのですが、いつも心配でお腹に力が入らないような感じ。
寝不足なので頭もボーッとしてるし...
謎の不調は、他にもあります。
太腿や二の腕の皮膚に強い冷えがあったり、
寝ているときに歯を食いしばっているせいか首や肩がこったり、
他にも○○が○て困ったり(美しくないので自粛笑)などの謎の症状があり、常にどこかを気にしていなければならない状態。何も心配しないでいられる時間がほとんどありません。
数日ならやり過ごせても、こんな感じであと2か月となると...😣
あからさまな苦痛があるわけではないのは有難いのですが、こういう地味な大変さはなかなか理解してもらいづらいだろうな...

ガン闘病記といえば、まず抗がん剤の副作用との壮絶な闘いをイメージされる方が多いのではないでしょうか。
私の場合、幸いなことに、これまではさしたる健康被害には見舞われませんでしたが、
表沙汰になっていないだけで、実はこんなふうに地味にしんどい目に遭っている人も多いのかもしれません。

op.35 副作用?

2020-09-08 | 闘病記に名を借りた自分語り
先週からお腹の調子が良くありません。
体調自体はそれほど悪くないのですが、時々トイレに駆け込む必要が😂
このところずっと肝機能改善のお薬を処方されていて、それのせいかも?ということで、
お医者さんから止めてみるように言われてそうしているのですが、あまり良くならず...
もしかしてこれは抗がん剤の副作用?
第二クールも無事始まったとホッとしていた矢先だったのですが、もしこれが続くならちょっとしんどい...
今日は3回目の投与なので、あらためてよく相談してみようと思います。