日々思うこと

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op.77 私を救ってくれなかったもの②

2021-06-30 | 闘病記に名を借りた自分語り

楽観的な声かけ

…これは意外でした。

闘病中の人に向かって
不安になるようなことは言わないほうがいい、ということに
異論を差し挟む人は少ないのではないかと思います。
しかし、楽観的な声かけがガン患者を楽にするかというと
そうではないこともある、というのは意外な発見でした。

特に、それほど親しくない人から簡単に
「ガンなんて今は大したことない病気だって、大丈夫大丈夫〜」
のようなことを言われると
「そうですよね〜」と笑顔を作ってはいましたが
孤独感のようなものは増すばかりでした。

「元気そうじゃない、安心した〜🎵」
という言葉も同様です。

抗がん剤投与中は、吐き気止めのステロイドも処方されていたのですが、
そうすると顔がむくみ気味になり、
皮肉なことに肌の張りや色艶がよくなることがあります。
場合によっては「逆に太った?(笑)」というようなことを言う人も…
元気そうな様子に安心した、ということを言いたいのかもしれませんが、
吐き気や食欲減退と戦っているさなかには返答に困るものがありました。😂

親しい人だったら事情も説明できますが
そうでない場合は…
悪気はないのは分かっているだけに、曖昧に笑って「おかげさまで〜」と言うしかありません。

かといって、
「心配だね〜」とか「やつれたね〜」などと言ってほしいわけでもないんですよね。
「じゃあ何て声をかければいいの!?」と思われるかもしれません。

一番有難いのは、特に親しい間柄でないなら
ことさらに病気のことや外見のことに触れないでいてくれること、かもしれません。

でも親しい間柄だったら別です。

闘病中、一番苦しかったときに
ある友人が
「あなたみたいないい人に、神様がひどいことするはずがないよ〜!
だから絶対、大丈夫だよ…!」
と言ってくれたとき、私はこらえきれず
「そうだよね、そう信じるよ…!」と一緒に泣くことができました。

その友人も少し前に、九死に一生を得る経験をしていたのですが
やはり私もそういうことを言ったような気がします。

結局は、
どのくらい信頼関係が築けているか?ということに尽きるのかもしれません。