バージニア労働者

アメリカで働くってどんな感じ?アメリカの企業で働く統計アナリストの労働ブログ。アメリカ生活小話や猫も登場。

日本がない (日本人なのに - 前編)

2008年04月10日 | アメリカ生活
「どこで生まれたの?」

今日、エレベーターの中でこう聞かれた。
この手の質問はしょっちゅうある。

「どこで生またの」という質問は、少し変な感じがしないでもないが、
移民が集まってできた国アメリカでは、こんな質問が頻繁に飛ぶ。

私のことも、移民だと思ったのかもしれない。

「日本で生まれて育って、そして今でも日本人です。」と答える。

相手は「ああ、そうなの。」と、納得できないように言う。

私はアメリカに移住して、かれこれ10数年たつ。
でもアメリカ国籍は所得していない。

質問してきた相手は、「どうしてアメリカ国籍を所得しないんだろう」
とでも思ったか。

だって、今のとこ、所得する理由もないのだ。

夫がアメリカ人なので、永住権があるし、仕事もできる。
ないものといえば、選挙権と、国家公務員として
働けないということか。

日本という国は厳しいのか、二重国籍を認めていない。
ある国では、アメリカ国籍と、本国の国籍、どっちでもいいよ、
ってところもあるのに。

日本国籍でいるか、アメリカ国籍にするか...。
ディナーはイタリアンか、メキシカンか...を決めるのとは
わけが違う。

話は戻るが、私はこの手の質問は好きだ。

苦手なのは、「あなた○○人でしょう?」と、
適当に、アジアのどこかの国を挙げて、言い切られることだ。

オリンピックの選手のように、『私は日本代表です!』と、
背中に日の丸を背負っている感覚はないが、
日本以外の、よその国を挙げられると、なんだかむかつくのだ。
あてずっぽうに言うならば、最初からどこ出身か聞いてくれば
いいではないか。

私にも愛国心というものがあったのかと、なんだか笑えてくる。

そういえば、思い出したことがある。
思い出すだに、まじでむかつく、というか、あきれる。

今の職場で初めて仕事をし始めたころ、
当時同僚だったドミニクがやって来て、

「ケイエスはもともとどこで生まれたの?」

と聞く。もともとというのが、やっぱりアメリカっぽい。

今回は、私は何ジンということになるのだろうと思い、当てさせることにした。

「ドミニク、あててごらん。」

彼は、韓国から始まり、知っているアジアの国をどんどん挙げた。

そのたびに私は、

ノー

違う

はずれ

トライアゲイン

などと、日本がでてくるのを待っていた。

が、でてこないのだ。

しまいには、「えーと、えーと。もうわかんない。」と、
彼は諦めてしまった。

「日本よ、ジャパン。肝心な国、忘れとったね。」

と言ったら、すごく申し訳ない顔をしていたので、可哀想になり、

「いいよ、もう。ドミニクの世界地図には日本がないんでしょう?」

と、優しくフォローしたつもりだったが、
全くフォローになっていなかった。

彼はとってもバツが悪そうに、苦笑いしていた。

私は笑顔で言ったつもりだったが、
目が笑ってなかったんだろう(爆)。


ドミニクへ。ここがジャパンよ。あなたの世界地図に加えておいてね。




それにしてもだ。

日本をアジアから完全に忘れ去るとは
一体どういうことなんだろう。

アジアといえば、日本ではないか...と、
愛国心もどきが、むくむくと顔をだす。

オリンピックのユニフォームみたいに
国旗が入ったジャケットでも着て、
日本をさりげなく(ちっともさりげなくない)アピールするべきか。
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