Michiyo Kamei "Shape of life"いのちのかたち  

画家 亀井三千代 記
「身体曼荼羅」春画と解剖図
michiyokamei diary

亀井三千代 HP/Michiyo Kamei official web site 

https://michika-6.wixsite.com/michiyokamei

無の在処

2010年11月17日 09時45分21秒 | EXHIBITION


亀井三千代 『無の在処』(部分) 
墨・岩絵の具・膠・和紙 2010年制作

新作の画像(部分)である。
これは19日から開催されるプリュス・トウキョウ・コンテンポラリーアートフェアに出展される予定である。

私は医科歯科大の解剖学教室で学んだ解剖図をモチーフに絵を描いてきた。
今まではもっと、いのちや生に対してポジティヴに捉えてきたが、
今年に入り父のこともあり、生に対する想いが変わってきた。
生と死の区別は今の私には難しい。

私自身がどこから来てどこへ行くのか、幼い頃からの疑問だった。
なぜ今生きているのか、すべては謎だ。
それが知りたくて絵を描いてきた。
定義できないものなら描くことができると信じてきたのだ。

そんな私にとって、死と向きあう父と接することができたのは大きかった。
やはりどこか場所がありそうな気がする。
無から生まれて無へ帰る、でも無は空虚ではなくて場所として在るように思う。

今、私が描きたい解剖図は、生と死の両方にまたがる者。
無の在処を予言する者。

プリュス・トウキョウ・コンテンポラリーアートフェア@
東京美術倶楽部
亀井三千代の取り扱い画廊: 羽黒洞木村東介 (ブース番号4F 4-16)

2010年 11月19日(金)16:00~20:00
      11月20日(土)11:00~20:00
      11月21日(日)11:00~17:00 

詳細:http://jpn.tcaf.jp/

私は、20日(土)の早い時間帯を除いては、ほとんど羽黒洞ブース、あるいは会場内をうろうろしている予定です。

ご興味のある方はいらしてください。
お待ちしております。


食べる毛虫、食べる私

2010年11月16日 09時34分30秒 | 日記

 

主人に作ったお弁当。

夏の暑い時期を除いて、なるべくお弁当を作るよう心がけている。
といっても、毎日は無理。子供のために毎日お弁当を作るお母さん達は本当にスゴイと思う。
私は要領が悪いので、お弁当を作る時は5時過ぎに起きて、
インターネットラジオOTTAVA(オッターヴァ)を聴きながらたらたら作る。
写真を見てもあまりおいしそうではないが、
栄養や、油の量などは調節できるから、外食よりはよいかもしれない。
何よりも主人への応援の気持ちである。


 こちらはお食事中の毛虫ちゃん。

ベランダで無心に葉や花を食べる彼らをよく見かける。葉っぱが何だかとてもおいしそうに見えてくる。
おそろしい蛾になってしまったらどうしようと思いつつも、これを見ちゃうと捕殺できない。
食事中に邪魔をするのはルール違反なのである。

私も自他共に認める大食漢である。誰かと楽しく食べることはとても大事。
食べるのが好きな人も虫も大好きである。

これはとある日の私。絶品麻婆を食べて幸せ一杯でした。
この麻婆の味は決して忘れません。


複雑な世界

2010年11月08日 08時36分41秒 | 日記

美味しかった!いただきもののホタテ。身が厚くてプリプリしていた。
先日酒蒸しにして食べた残りを、洗ってベランダのベンチに干しておいた。表面には無数のひょろ長い生き物の残骸がくっついている。
よく見れば見るほど、一般の貝殻のイメージを打ち破ってくれる。

「この世界は複雑で、とても一言では言い切れない。」

尊敬する作家の言葉。当たり前のように聞こえるかもしれないが、私たちは膨大な情報量を整理する訓練を受けてきたように思う。
シンプルな一言で言い切るような訓練…。
でもそれを繰り返すうちに複雑な何かを省略し、見落とし、そしてやがて見えなくなるのかもしれない。

最近、『ホーキング、未来を語る』 (Stephen William Hawking アーティストハウスパプリッシャーズ) という本をざっくり読んだ。
私には奇天烈すぎて頭がおかしくなりそうな内容だったが、あまりにもわからなすぎた為に、逆にすべてを受け入れることができた。
この時空がゆがんでいるという。

ここまでくると、自分が体感できる限界を超えている。でも、その小さな能力の外れたところに未知の大きな世界が存在し、想像を絶する真実が埋もれていることにとてもうれしくなる。
それは、死や無と関係があるのかな…。

目で見ることのできる世界、その限界を超えた世界、両方にまたがって生きている。
やはり世界は複雑なのである…

 プリュス・トウキョウ・コンテンポラリーアートフェアのDMが手に入りました。

プリュスのサイト内、羽黒洞木村東介のページはこちらです。 http://jpn.tcaf.jp/?eid=117


大泣きの爆弾

2010年11月04日 08時15分18秒 | 日記

巨大ローズヒップ。。。だと思う。
確か薔薇のはずだが…大きすぎて自信がない。
白い大きな薔薇の茂みにあった果物みたいなローズヒップ。こんな大きいの初めて見ました。

父が亡くなって10日ほど経つ。
何も変わらない日々が続く。離れて暮らしていたのだから当然かもしれないが。
私の記憶の父は、何人かいる感じだ。若い頃のお兄さんのような父、齢をとって家で飲んだくれている父、闘病で木のようにやせ細った父…。
正直とても同じ一人の人とは思えない。
ただ、姿はどうあれ常に私の頭の中に父は在る。

葬儀の後、私をほっとかなかった友人達に感謝している。

絵の提出日を告げて「描け」と言ってくれた羽黒洞の方々。
いつものように飲み屋でおかしな話を展開する太極拳の仲間。
引っ越しに私をこき使ってくれた日本画の恩師。
毎日を淡々と共に過ごしてくれる主人。すべての人に感謝している。

ところで、私はまだ泣いていない。
大泣きの爆弾が胸のあたりにあるのは感じている。何かが詰まっている感じだ。
この爆弾はいつ、どこで爆発するのだろう。
私は「不発がいい。泣くは嫌だな。なんだかこわい」って言うと、ある友人は「自然にまかせるのがいいのよ」って言ってくれた。

本当に、優しい人ばかりである。

恩師の山椒

2010年11月02日 10時25分23秒 | 日記

上海に飛び立った日本画の恩師の山椒。
他にも、師の育てていた植物たちをいくつか預かることになった。
植物の面倒などまめにみる人とも思えなかったので、あまり期待はしていなかったが、意外なことに、どの鉢の植物も立派なものだ。
あばれた幹にはしっかり支柱がさしてあるものの、自由なままに優しく育てられたのがわかる。
そういえば、人に対してもそういう人だった。何よりも強制や決めつけを嫌う、その人なりの個性の伸び道を模索していた。
とにかくおもしろい、良い人だった。

私は日本でがんばります!

ところで現在、19日から開催されるプリュス・トウキョウ・コンテンポラリーアートフェアの準備中である。取り扱い画廊である羽黒洞が私の作品の写真を2つの美術系雑誌に載せて下さった。 


 p.73 実行委員による対談のページに載せていただいた。私のようなものの写真を載せて下さって本当に感謝しております。写真は軸の作品「声」

p.17 こちらは日本画の素材を使って描いた新作「無の在処」

詳細はまたお知らせいたします。
皆様、どうぞよろしくお願い申し上げます。