Michiyo Kamei "Shape of life"いのちのかたち  

画家 亀井三千代 記
「身体曼荼羅」春画と解剖図
michiyokamei diary

亀井三千代 HP/Michiyo Kamei official web site 

https://michika-6.wixsite.com/michiyokamei

男性作家の不思議1

2012年04月23日 09時44分49秒 | 日記


弁当、復活!!

真夏以外は
大抵朝5時台に起きて本を読む。

この読書の時間帯、
時々、弁当づくりにあてることにした。

読書と比較して思ったことは、
料理は明らかに肉体労働だ(…って当たり前だ、立って作るんだから)。
しかも頭も使い、相手を思いやる。
全身余すところなく使う、創造的活動だ。

そういえば、
男性の作家さんに料理の話をふると
彼ら、異様に盛り上がる。
なんなら競いあうので、とても面白い。

女性は情報交換のために料理話をするが、
男性作家の場合はあきらかに自慢だ。

作家はそんなにお金がないので
工夫に工夫を凝らすのだ。

また、不思議なことに
彼らが結婚しているケースでも
食事は自分が作る、と言う作家が多い。

私が出版系の人間だったら
「男性美術作家の食卓」みたいな本を出してみたい。


昨日、
立川の某画廊に下見に行く。

秋に行われる日本画系のグループ展に
交ぜていただけるらしいのだ。

メンバーの世代は全くばらばらで
美術大学の先生方から院を出られた若手の作家さん、
主要な団体所属の作家さん
そこに何故か私のようなものが…
自分が特殊な位置にいるのをひしひしと感じる。

誘ってくださった方に心から感謝いたします。
頑張ります。

その飲み会で、さまざまな世代の作家さんの話を聞けるのは
とても貴重な体験だ。
美術界の移ろいを捉え、飛び出す本音が面白い。


私はいつか、勇気を出して
料理の話をふってみたいと目論む。





「声」

2012年04月19日 08時57分11秒 | EXHIBITION


「春HARU」
実は、春画 がモチーフでした。

1体に見えますが、実は2体描かれています。
交接部もしっかり描きましたが
よくよく見ないとわからないような仕掛けになっています。
着物の柄なども初めて描き、
もっと複雑な形も描いてみたくなりました。

この絵は、もう日本を脱出しました。

昨日、作品撤去・梱包のため
羽黒洞スタッフ、関係者の方々と
パークホテル東京に集う。

一人の方から、
「珍しく、気持ち悪くないわ」という感想をいただいた。
ちょっとうれしい自分を発見!!
気持ち悪くなくてもいいんだ…


昼間のラウンジは自然光がたっぷり入り
吹き抜けで、開放感にあふれている。
天井もガラス張り。


ラウンジのソファの座り心地がとても良く
お茶なんか飲み始めたらもう、
ずっと居たくなっちゃいます。

上の写真左端に
ちろっと白い壁が見えていると思いますが、
夜は、そこに映像が投影されます。

とても素敵です。

「春HARU」撤去後は
掛け軸「声」を展示することになった。
この絵はかつてのスケッチから起こした
解剖図がモチーフです。

自分でも大好きな作品ですが

これをホテルに展示って
とってもスリリング!!
羽黒洞さん、ありがとうございます!!

「声」 亀井三千代 2010年

もちろん、他の作家さんの作品もすばらしい
見応えのある展覧会です。

皆様 どうぞ汐留のパークホテル東京へいらしてください。
http://www.parkhoteltokyo.com/artcolours/


急遽お知らせ

2012年04月18日 08時19分03秒 | EXHIBITION

「春HARU」 亀井三千代 P60号

現在汐留パークホテル東京で開催されている展覧会
「春色の墨」展 http://www.parkhoteltokyo.com/artcolours/
に展示されている作品 「春 HARU」が
本日の夜(4月18日)、撤去となりました。

これは悪い知らせではなくて
良い知らせ。

「春 HARU」は
訳あって海外へ飛び立つことになりました。

夕方からホテルに入り
作業です。

このブログをどれだけの人が
見てくださっているのかはわかりませんが、
取り急ぎお知らせ申し上げます。

撤去後には
別の作品を展示する予定です。
追ってお知らせ申し上げます。


沢山の方々に支えられているのを感じます。

皆様に
感謝をこめて。


花の毒

2012年04月11日 09時48分13秒 | 日記

 


ぽつんと咲く桜

多摩川の芦原に
1本だけある。

まわりの芦がぼうぼうで
埋もれて見えるけど
そのおかげか、
この木の下で宴会をする人はいない。

ここに越してきて
すぐに気がついた。
こんなところに
桜の木 *¹

周りをぼっと
明るくするほど
木に花がつくなんて
一種異様だ。


先日、八重洲の不忍画廊で 大島哲以展 *² を見る。
怪しいほど美しい世界観、毒のある色に見とれて、
長居をした。

画廊を出ると
桜並木

大島哲以の影響もあるかもしれないけど、
不健康な美だな、と
ふと思った。

桜を好きな日本人を見ていると
その心のうちに、
儚い美しさを超えて、
何かこう、
不健康なものに引き寄せられてしまうような
危うい美意識が
潜んでいるように思う。

それはマイノリティでは
決してない。


大島哲以「ライヘナウの花の女」1973

*1 http://blog.goo.ne.jp/michika-6/d/20100610
*2 http://www.shinobazu.com/top/index.htm


忘れ芋

2012年04月07日 21時46分05秒 | 日記


すっかり忘れていた。
芽の出たジャガイモ

画室を掃除していたら
あろうことか、隅に放置されていた。
(というか、私が放置していた)

本当に驚いた。
だってその存在を、
全く忘れていたから。

虫じゃなくて 
良かった…





先日も、
やかんを火にかけて、絵を描き始めたら
(忘れそうだから気をつけようと思いながらも)
やっぱり忘れて放置した。

しばらく経って 「ああっ!!」と思い、
リビングに行ったら
蒸気で、部屋がサウナみたいになっていた。

警報が鳴る寸前でしょうか…

この先、人さまに迷惑をかけることなく
人生を全うできるのかな





ところで、ジャガイモ
2ヶ月前よりも育っている?*
これって生きてるの??

以前より、黒く
たくましくなっている
(ように私には見える


とりあえず、土に埋めてみることにした。
育ててみよう。

* http://blog.goo.ne.jp/michika-6/e/8ed00998fd2834641ea8800063db34e9


誘惑

2012年04月03日 17時31分48秒 | 日記


暴風雨…
ベランダを台風仕様にした。


昨年の台風6号の教訓を活かす。

ゴンゴンという音はひっきりなしで、
ド ド ド ド …と
時折大きく、地響きのように風が唸り、
窓にぶつかる。


このゴンゴンは
洗濯竿が、くくりつけられたベランダの桟に当たる音。

今日は、午前中から準備を始める。

ラティスの上の鉢は
全て降ろして土嚢をのせる。

土嚢は最低3個は必要だ。
私は、古い土をビニールに入れて作っておく。
(運ぶときは腰に注意だ!)

薔薇は自分のトゲで自分の葉を傷つけ、
ぼろぼろにしてしまう。
したくもない自傷行為は
ビジュアル的にも悲劇だから
絶対にさせないよう部屋へ入れる。

でも何より辛いのは
音にあおられて
外の様子が気になり
見に行きたくなるのを堪えること。

暴風域に入ったら、
どんな音がしようとも
決して外に出てはならない。





「後ろにいる妻の姿を見てはいけない」という
ギリシャ神話があったと思う*。
でも、結局は見てしまって
妻とは別れ別れになる。

禁止の言葉とそれを守れない人の心理
そんな神話や昔話は数限りなくあるのだが
この恐ろしい風の音を聞いていると
ふと、それらを思い出す。

無力で何もできないにもかかわらず、
外の様子が気になって
ついつい扉を開け、事故にあう。

そこには何か誘惑めいたものが渦巻く
あるいは、危険と誘惑を勘違いする
あるいは、禁止の言葉の中に誘惑が潜んでいる

Jean-Baptiste-Camille Corot - Orphée
* 
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AA%E3%83%AB%E3%83%9A%E3%82%A6%E3%82%B9