Michiyo Kamei "Shape of life"いのちのかたち  

画家 亀井三千代 記
「身体曼荼羅」春画と解剖図
michiyokamei diary

亀井三千代 HP/Michiyo Kamei official web site 

https://michika-6.wixsite.com/michiyokamei

第40回人人展…準備あれこれ

2016年02月27日 09時44分09秒 | EXHIBITION


「魔女の飛翔」 P100  墨・岩絵の具・膠・箔・和紙 亀井三千代

自分としてはまだ完成ではないので ギリギリまで描きますが、
これ以上の加筆は私だけのこだわりであって
人から見たら何が変わったのか全く分からないと思うのでアップします。
第40回人人展に出展いたします。

先日は、
今回の特別陳列「連続する在野」に出展する物故作家の作品を借りるため

所蔵画廊を2軒まわる。

作品に保険をかけるので、元学芸員の大先輩に
絵や額縁の、擦れや剥がれを念入りチェックするようにと 電話で指示を受ける。
言われた通りに細かく写真を撮り、図面にも書き込んだつもりだけど
あれで良かったのかどうか…

そんなテンションの中、

同行した人人会会長の郡司宏氏は
何故かマスク姿でひょこひょこ登場。

画廊の人から
「花粉症ですか?」 ときかれ

「ちょっと風邪気味」 と答えていたが
実は既に飲んでいて、赤ら顔を隠すためだった。
恐るべし人人…
マスクしてきてくれてホント良かった。

上海から恩師も戻ってきており
こんな私を見て

「亀井さん、家事と事務局やめたら?」

確かに今回、
人人の事務作業に時間をかなり取られたのは自分でもわかっている。
なので、少しずつ若手の作家さんに業務を振り分けるよう考えている。
でも、家事はねぇ…
家事といってもほとんど料理くらいしかやらない。

料理は、食べるの好きだから譲れない。

自分の作った料理を「ン~旨い(T-T)!
」 とか言いながら食べるのやめたら、
ストレスで私絶体にダメになります。


身体に聞け!!

2016年02月16日 08時33分22秒 | EXHIBITION


少し前になるが
作品「プリズム」が額装されて戻ってきた。
手にした時の感激は忘れられない。

今はもう
お求めいただいた方のところへ旅だったが
やはり私は、自分が欲しいものを描いているんだと思う。

作品が自律する条件には
絵が完全に私のコントロールから離れて
意思を持って進行するように感じられること
小さな存在である私の想像力を遙かに超えていくこと。

その時、私は単なる奉公人でしかなく(笑)
制御の中で描いているのだけど
制御しながらその制御を超えていくこと
しかもそれを自ら仕掛けないというルールで。

その不思議は
身体が既に知っていたりする。






実は先日健診を受けた。

初めて鼻から胃カメラというのをやり
これはやっちゃいけないことだと直観した。

消化管の中は綺麗で何事もなかったが
検査が終わってしばらく鼻血が止まらなかった。

内視鏡が太すぎるのだ。

鼻を通るとき、眼球が飛び出すかと思った。

この検査で、今まで綺麗だった所に
傷がついたのかもしれない。
内視鏡はもっと細くするべきだと思う。

マンモグラフィーも

ものすごく乱暴な技師さんで
バーンって挟む。

「うわっちゃ、いてててて!!(`Д´)!!」

検査のあと何日間か
胸の痛みがとれなかった。
これで乳がんになったらどうすんねん??
だからもうしばらくはやらない。

胆管ポリープはなくなっていた。
血糖値、他の成績も以前より良く
ほっとしたせいか
それ以来 私は菓子への奉公人か。

あらかわ画廊の荒川さんに
菓子の食べ過ぎだと こっぴどく叱られてから
制御することが身についたはずだったが
制御しながらその制御を超えていくこと
しかもそれを自ら仕掛けないというルールで…


第40回人人展 図録完成あと一歩!!

2016年02月12日 09時38分37秒 | EXHIBITION



第40回人人展の図録を現在制作中です。
表紙の絵は、山下菊二「昭和20年・夏」 80.0×116.0  1974
日本画廊さんのご厚意で、この度貸していただけることになりました。
表紙はその部分です。


展覧会の特別陳列、つまり企画やまたそれに合わせた図録をゼロから作るのは、
とてつもなく 不可能なことに思えましたが、

10名ほどの会員が集い、企画のコンセプトやイメージカラー、タイトルなど
ざっくばらんな発言が少しずつ積み重なって
今の形になってきました。

今回の図録は、
現在の会の チームワークの良さそのものだと言っても
過言ではないように思います。



トリミング検討中…「どうする、どうする??」


打ち合わせ、作業日と称して4ヶ月に一度は
参加可能な会員10名ほどで湯島・羽黒洞に集う。
(それを「百鬼夜行*」と呼ばれたりもするが…)
作業の後は、当然皆でご飯を食べるが
絵の話なんて一切しない。
皆いい年にもかかわらず、
「どんな男性が好みなの?」

「タレントに例えると誰?」

「五郎丸がいい」「私も」


って女子会か!!(男性もいます)

一体この気の抜けようは何なのか
かたやこの気合いの入った図録は何なんだ!
ギャップに時々気が狂いそうになる。

第40回人人展、お楽しみに。


*図録レイアウト、印刷は長年お世話になっている陽光社印刷さんです。
我々の、人智を越えたありえないミスに、毎年辛抱強く対応して下さいます。
福島にあるこの会社は3.11で被災されました。
人人会ではこれからも、微力ながら協力してまいります。
(逆に迷惑をかけてなければ良いが…)
陽光社印刷 http://www.yokosha.co.jp/


カマキン 寄せ書きにうるうる

2016年02月03日 08時40分39秒 | 日記


最終日に訪ねた。
鎌倉近代美術館

込むと嫌なので10時着を目標に家を出た。

久しぶりの鎌倉
小町通りは人がいっぱいでイライラした
早く美術館に行きたいんだけど
道を塞ぐカップルはゆったりだ。

少し曇り空。

ところで、日本美術における近代は
西洋美術のモダンとはだいぶ意味が違うように思う。

輸入された西洋美術にどう追いつくか
そして現在、未だにその延長にあるように思う。
何故、追いつかなくてはならないのか
いつまで追いかけなくてはならないのか。

懐かしく、古くて新しい日本の近代絵画たち。

中庭から空を仰ぐ
雲の切れ目から 蒼空がのぞき始めた。

主人のお目当ては絵画より喫茶
いつの間にか並んで席をゲットしていた。
喫茶《ピナコテカ》

喫茶内の壁画 田中岑《女の一生》1957は
軽やかに踊る身体、女性への慈しみ、柔らかい質感と色調で
店内をぬくもる素敵な壁画だが
男性から見たある種の女性像には、女性の立場から見ると
多少のズレを感じるし、これを女性が見ることによって女性像をすり込まれる
なんてことはないんだろうか?

とか、考えない考えない…



ロールケーキとサンドイッチ
ショップで山下菊二のコラージュ展のカタログを見つけて
有頂天になる!!


テラスから…

そして出口付近、
いきなり
胸を打たれた。

寄せ書き
美術館の様々な想い出がストレートに書かれてあった。

美術館は、ある人達の人生の中ではこんなに大切な場所になりうる。

「死んだ父と来た」という寄せ書きを見つけ
私もふと父のことを思い出した。





子供の頃、竹橋の国立近代美術館にはよく父に連れて行かれた。
音の出る立体作品があってそれが大好きだった。

今でも実は上野よりも竹橋の方が好きで
かなり落ち込んだ時はそこに行ってぼっとする
作品をながめていると
いつの間にか気持ちがすっかり切り替わる。


私にとっても美術館は特別な場所だったのだ。

寄せ書き1枚1枚の気持ちが痛いほど伝わり
なんだかうるうるきた。
そんな気持ちのまま美術館を出ると、友人にばったり出会い
絵画の話より寄せ書きの話をしている自分が居た

形のあるものは有限
絵も、建物もこの身体も

でも人の気持ちは伝達し世代を超えて乗り移り、
終わらない記憶となる…だろうか?

形にならないものを伝えるために形をつくる

絵を描くとは そんなことなんじゃないかと思った。