Michiyo Kamei "Shape of life"いのちのかたち  

画家 亀井三千代 記
「身体曼荼羅」春画と解剖図
michiyokamei diary

亀井三千代 HP/Michiyo Kamei official web site 

https://michika-6.wixsite.com/michiyokamei

山本もえ美個展 危機的シグナルの暗示か?

2016年11月30日 09時46分52秒 | おすすめ展覧会


残りあと2日です。

山本もえ美個展 異次元に遊ぶ

スパンアートギャラリー 12月1日(木)まで
11:00-19:00(最終日17:00まで)

人人展の若手作家、山本もえ美さんの個展があと2日となりました。
見応えのある、少し怖い夢の世界はやみつきになります。

素材は紅茶、パステル、膠、和紙
紅茶を使うので全体的に赤っぽい印象。
それが画面の非現実的な印象を強めていると思います。
夢の世界をモチーフにしているそうですが、
何か危機的な物事の暗示のようにも思えます。

以下山本もえ美展より


「いつまでも遊ぶ」88.0×105.5cm


「秘密の入り口」33.8×40.0cm


「ステーション」72.5×91.0cm

現在の若手でこの世界観は希に思います。
重厚な世界を是非ご覧ください。
(作家本人在廊している予定です。魅力的な女性です)


ヒーローは要らない

2016年11月22日 08時30分23秒 | 映画


カリンが届く
一気に部屋中が良い香りに包まれた。

ほっとします。

匂いは目に見えず、感じるたぐいのものだけど
「護られてるな私、良かった~( ̄。 ̄;)」としみじみ。

実は、最近TVで横溝正史原作の映画が立て続けに放送されたのを
録画したので、
先日の夜、飲みながら一人で観た。

渥美清が金田一をやっている昭和52年の作品
怖くてタイトル入力できません!!

後半、「怖ぇ~…」と思いながら観ていたら、
隣の部屋でスリープさせておいたパソコンが急に立ち上がったり
キッチンのあたりでパチ、パチっと変な音がした、したよね? 今してるよね!!((((;゜ロ゜))))
それがしばらく続いたり。
腰が抜けました!

冷静に、
キッチンの音はきっと冷蔵庫が氷を作ろうとしているのだ、とか
パソコンは、ちょっとわかんないけど、あるある こういうこと、と流したが
いやな感じが続いていたので
カリンがとても有難かったわけです。





私は、
祟りやその類いの伝承話しは「迷信」ではなく「有り」だと思っている。
人間の世界だから有り、なのだ。
人は、気持ちと視覚が結びついて、実体のないものに「何か」を見てしまう。
そんなものにすっぽり支配されたり、逆に利用したりもする。
思い込み、と言えばそれまでだけど、
その思い込みで以て、綿々と人類の歴史は続いているのではないだろうか?

絵を描いているとつくづく思う

絵画の世界もそれらに限りなく近いと。

だから容易に「持ってかれないように」したい。
映画から学ぶことは多いが、それは
疑似体験という警鐘なのかもしれません。






ところで この映画では、
渥美清の金田一がとても良かった。
服装が普通だし(笑)

これを見たら、もう他の金田一が見られません。

定番の帽子、袴、マントとボサボサの髪型とか
あまりの現実離れに どん引きです。

そんなありえないヒーローの目線でストーリーを展開させられることに
もはや耐えられない、そんな自分を知りました。
ヒーローなんて要りません
好きに見させて下さい。


未知のこと

2016年11月18日 07時58分07秒 | 日記


タイトルはまだありません。
現在、スクエアの小品を描きためています。
始めから「完成図ありき」で描いていませんので
作品について語るのは難しいですが、
呪術的ななにか、何だろうか…

始めは バカみたいに、スクエアのパネルをいちいち作っていましたが
大変すぎるので やめました・笑

制作は、いわば未知へ向かって進むのだけれど、
全くの未知なら描けません。
何故、最終的に絵として仕上がるのか よくわからない。
絵を描くって本当に面白い。
自分の未知を掘り起こす、1枚1枚が未知への体験です。

ところで今、もう一つ未知の出来事が始まろうとしています。

ちょうど昨年の今頃、水墨の受賞のお祝い*
 にいただいた
ジュエルオーキッドがこんな形になっていた(@_@;)
3本とも同じ方向に、綺麗に伸びています。

↓これは8月末頃の画像、まだこじんまり。


最近展覧会があったので、あまりちゃんと見ていなかった。
何か葉っぱがにょきにょきしてるなぁと思っていたら
ある日 ものすごく長くなっていた(笑)
もしかして蕾?

アップにすると茗荷っぽい
花が咲くのでしょうか??
どんな花が咲くのか、ネットでは調べずに(未知のまま)
じっくり観察したいと思います。
こうご期待

*ジュエルオーキドはこの頃、お花屋さんで見かけます。
育て方はいたって簡単。
土の代わりに水苔がベースになっています。
水苔がカラカラににならないよう、常に湿らせて(霧吹きしたりして)
強い日光は避け、室内の薄日の当たる場所で育てています。


ありがとうございました。

2016年11月07日 13時44分44秒 | 日記


『アナムネシスの光芒へ-幻視者の蒐集匣-』
終了いたしました。

多くの方にご来場いただき、感無量です。

初めての画廊で、初めての方々との展示
比較を通して自分を見つめる良い機会となりました。

思えば、自分自身
どこに居ても帰属できず、宙に浮いた存在でした。

医科歯科大に居ても、医学生ではない。
イラストを描いていてもイラストレーターではない。
美術の世界に居ても美大出身ではない。
日本画を描いていても日本画家と見なされていない。
水墨画で賞をいただいても、水墨画家ではない。

そのことを今回の展示、不忍画廊の荒井さんの采配によって、
はっきりと自覚することができました。
逆に言うと、僅か3点の出品でありながら
こんなに、自分を見つめられる良い展示に巡り会えたのは
作家としてとても幸せなことだと思います。

私の左側のスペースは若手の版画家エリア
私の右側のスペースはベテラン大御所のエリアでした。
私は若手でもなく、大御所でもない。
その中間に居て何かを振り分ける立ち位置
「扉」の役割でした。

どちらにも分類できない境界線上、中間に居る
それが私の知名度の低さや ”わかりにくさ” に繋がっていることも確かですが
その位置は嫌いではありません。
このまま境界線上を歩いていきたいと思います。

誰々のような作品を描いてみたい、と思ったことは一度もありません。
進む道は常に自分の作品の中にあると感じています。
でも一人きりでは進めません。
これからも応援をお願い申し上げます。

この度は本当にありがとうございました。


S氏へのオマージュか

2016年11月01日 09時25分19秒 | EXHIBITION


「S氏へのオマージュ」亀井三千代  墨・和紙  2016

現在、開催中の展覧会
『アナムネシスの光芒へ-幻視者の蒐集匣-』では、若手の版画家チームが
著者の相馬氏へのオマージュ作品を制作し、販売している。↓


私は版画はやらないので、1点描いたらそれで終わりだ。
今回、版画の作家さんと初めてご一緒して感じたことがある。
版をを作るのは大変だろうけど、一度作れば何度でも刷れる、
これにはかなわないなぁ…

ちょっと悔しいので、私も1点もののオマージュ作品を描いた。
これは最終日に相馬さんに差し上げようと思っています。
喜んでいただけるかしら…

私のオマージュ作品は、
びっくり顔に見えるけど、
モチーフは陰茎の断面、解剖図です。
相馬さんのサラサラストレートヘアをちょっと意識しましたが…
 
似てませんね、ごめんなさい。

展覧会は終盤を迎え今週で終了。

とても濃い展示ですので
沢山の方にご覧いただきたいです。


「アナムネシスの光芒へ-幻視者の蒐集箱」
11.5(土)まで 11:00~18:30
【注】3日(木)祝日は休廊です!
不忍画廊 http://shinobazu.com/news/17721/