Michiyo Kamei "Shape of life"いのちのかたち  

画家 亀井三千代 記
「身体曼荼羅」春画と解剖図
michiyokamei diary

亀井三千代 HP/Michiyo Kamei official web site 

https://michika-6.wixsite.com/michiyokamei

画室の神さま

2016年01月27日 07時48分41秒 | 日記

あらかわ画廊「藍墨ドローイング展」にお越し下さった方々、
お寒い中をありがとうございました。
今回はあまり在廊できず申し訳ございませんでした。
お目にかかれなかった方々には、
いつかご感想などお聞かせいただければ嬉しいです。

さて…

ようやく、次の制作に入りました。

ここでは、慎重に慎重にたっぷり時間をかけて墨を入れます。
墨を入れるごとに全体を見渡して、じっくり味わいながら描く。

わーっと走り出したくなるのを、抑えて、抑えて。

それにしてもじわじわ疲れが出始めてる感じで
ここで熱なんか出しては絶体にダメなので
とにかく体調を整えながら、ゆっくり制作のペースに戻していきたいです。





ところで、今画室には
一昨年亡くなった人人展の作家、松三郎氏の作品が大量にいらしている。
今年の人人展に出すため、一時的にうちで預かっているのだ。

松さんの作品が我が家に来たのは、確か昨年の秋口だったと思う。
50号以上の作品が10点ほど、小品も10点ほど。
図録用の写真を撮るため、作品に触れた瞬間に
左背中が肉離れみたいになっちゃった。
気にしないようにしながら梱包材を外したら
蜘蛛の子がサーッと走り出してどこかへ消えていった。

あ~これはやばい
クラクラしながら話の分かる友人に電話

「松さんアル中だったから お酒を供えると良いよ」

「あそっか」

というわけで
それ以来、今でもずっと画室にはお酒をお供えしている。

昨年秋から受賞やらいろいろと良いことが続いたのは
今や画室の神さまとなった松さんのおかげかもしれない。

松さんが参加した最後の人人展(第38回人人展 2014)には
こんな凄い作品を出していた。

「合掌灯台と遊ぶ星たち」 2013 油彩・キャンバス 72.7×60.6mm F20 松三郎

泣けます…

松三郎氏については
また詳しくご紹介したいと思います。


エスパ・座 小品展のお知らせ

2016年01月22日 09時03分57秒 | EXHIBITION


なんと新宿三丁目バー「エスパ」にて
座の会の小品展を開催いたします。

私は「薔薇」を出展いたします。
 
「薔薇」24×19cm 岩絵の具・アクリル・墨・洋紙 2016加筆 亀井三千代

これはもう随分前に描いた作品に
最近もう一度手を入れて仕上げました。

日本画・墨を学び始める前にはアクリル絵の具も使っていました。
そのアクリル独特の色合いが、今見ると
妙に新鮮に感じられます(毒、ですかね毒)。

バー「エスパ」は座の会の会議で、度々使わせて頂いておりました。
今回の小品展はママさんのご厚意によるもの。
会期が延び延びになっていましたが、やっと開催にこぎつけました。

そして座の会とは、日本の伝統技法で制作する作家によるグループで
5年ほど前に発足しました。
伝統技法と言っても、主に日本画と漆の作家しかいません。
20名ほどいるメンバーは、世代もバックグラウンドもばらばら
くせ者ぞろいで時々ガチでぶつかります。
実際仲がいいんだか、悪いんだかわかりませんが
なぁなぁなところがないといった意味では、
私はとても居心地がいいです。
よく5年ももったなぁ…

特に今回の9名は座の会第1回から参加しているコアなメンバーで
各々に所属の団体や画廊、活動の世界を持ち精力的に活躍しています。


これも「薔薇」墨・和紙 2016 亀井三千代
スペースが残っていたらこれも展示したいですが…





この「エスパ」を知ったのは
座の会の発起人である 米谷清和先生の行きつけの店だったから
と、会議しながら飲めるから、といった単純な理由です。
展示がしたいのか、我々が飲みたいのか…

米谷先生は現在 三鷹市美術ギャラリーで個展をされています。
私のようなキャリアでは、本当は出会うことができないような大作家で、
作品のみでなく振る舞いまでも学ぶところが多いです。

人人会の会員である自分からしてみると
人人と座の会は何故か対極と思えます。
人人はすでに物故となった創立メンバーの意思を
どうしても引き継ぐ形になってしまう、レールがあるから逆に言うとその分ゆるい。
座の会はそんなものはそもそもない、といったところから
自分たちが漂流しながら、じゃあ何をよりどころにするのか
常に模索しながらぶつかるところが面白い。

エスパ展・座、是非お越し下さい。

2016年1月24日(日)ー2月28日(日)
PM6時~ 無休
1月24日、2月14日、28日はPM3時~閲覧可能です。

出展作家:
小林努 古伏脇司 神保千絵 鈴木敬三 高田研二郎 豊田正秋 羽田雄貴 八木幾郎 亀井三千代

会場:
エスパ 新宿区新宿3-6-12藤堂ビル4F
03-3351-7173
新宿三丁目駅徒歩2分、新宿末廣亭隣り





プリズム と ユラ

2016年01月11日 08時30分15秒 | EXHIBITION


「プリズム」(部分) 墨・和紙 SM 2016亀井三千代

あらかわ画廊の藍墨ドローイングに出展する小品です。
というか、3枚とも小品を出展いたします。

「プリズム」
これは前回の「入口展」のあと年をまたいでゆっくりと仕上げました。
光、光…と見えている光を壊さないよう
大切に仕上げに向かいましたが
例のごとく2重に顔が現れたので
それ方々も、そのまま居ていただくことにいたしました。
写真は部分です。下まではちょっと無理
(というか、ここまででも良いのかもしれない。
今年は隠すことも勉強したい。)


「ユラ」 墨・洋紙 P3 2016亀井三千代

もう一つは「ユラ」
「プリズム」と同じモチーフです。
これは洋紙に割り箸で描きました。
即興的に描いていてどうやったか、ほぼ覚えていません。
「プリズム」とは別のやり方を見つけたかったんです。
見つけたはいいが覚えていない、もうできない(笑)

実は今回、同じモチーフで随分描きましたが
ほとんどがボツ
こう見せたいとか、一瞬でも邪念が入ったらアウト
上手くいってるとか、思っちゃったらアウト
「ユラ」は上手くいかず諦めた作品でした。
でも一晩たって墨が乾いたら思いがけない絵に変わっていました。





盛岡在住の女性の書家で、沢村澄子さん という方と一度 サシで飲んだことがある。
つま先から頭の先まで 完全に書家で、だから墨の話しが面白く
随分参考になりました。
で、その時に
「彼らに仕事をしていただいている。私は何もしない」

と言うので
「こびと?妖精?」

「そう。うふふ」

みたいな会話をしたのだが、「ユラ」でそれを何となく思い出しました。
彼らは一晩仕事をしてくれたのだ。

「プリズム」と「ユラ」は
いわば姉妹のような存在でとても愛おしい。

小品3点ですが、
銀座・京橋界隈にいらしたときは
どうぞお立ち寄り下さい。


★ 藍墨ドローイング展」あらかわ画廊
2016年1月12日(火)ー23日(土)
11:00ー18:00(最終日16:00まで)日曜休廊

平澤重信 手塚恒治 高崎昇平 阿部清子 桑原聖美 菅野静香 清野晃代 亀井三千代

 


人人会 公式ホームページができました!!

2016年01月10日 07時22分14秒 | 日記

人人会創立から40年にして、念願の公式ホームページができました。
これは人人会若手の女性作家が時間と労力をかけて作ったものです。


★ 人人会ホームページ


画家、中村正義による創設の理念やその歴史も掲載されています。
少しでも多くの方々に人人展を知っていただき
興味を持っていただければ幸いです。


現在、3月の人人展40周年記念展『連続する在野』の準備に
会員一丸となって取り組んでおります。

みなさま、よろしければいらしてみてください。
よろしくお願い申し上げます。


アートコレクターズ 1月号 2016

2016年01月09日 11時09分02秒 | 日記


アートコレクターズ1月号に墨のコーナー(P.46)で
ご紹介いただきました。






限られた文字数でコメントしていますが
改めて読むと、これで伝わっているという確信はありません。
今後も、できる限り言葉での表現にも努めていきたいと思っております。

そして、
いつもお気にかけて下さる「美術の窓」の制作スタッフの方々には
感謝したします。


シルヴィ・ギエム ボレロ 

2016年01月06日 16時17分59秒 | 日記

FBを眺めていたら
こんな動画が投稿されていた。
シルヴィ・ギエム、最後のボレロ
先のカウントダウンで踊ったのだそうだ。
見逃していました。

ジョルジュ・ドンのボレロは
かつて生で見たような気がするが
映像などで何度も見過ぎていて
記憶が定かではない。

でもギエムの、抑えの効いた狂気のような舞いを見ていたら
なぜかふつふつとドンのボレロも思い出しました。

人間への狂おしいまでの賛美と献身
それはどこか人間と野獣の境界を往き来する呪術のようでもありました。


youtube カウントダウン「ボレロ」 
シルヴィ・ギエム+東京バレエ団


藍墨ドローイング展 @ あらかわ画廊

2016年01月05日 11時37分51秒 | EXHIBITION


グループ展に参加いたします。

「藍墨ドローイング展」あらかわ画廊
2016年1月12日(火)ー23日(土)
11:00ー18:00(最終日16:00まで)日曜休廊

平澤重信 手塚恒治 高崎昇平 阿部清子 桑原聖美 菅野静香 清野晃代 亀井三千代

で、さてドローイングとは何ぞや
これは本当にいろいろで、定義することにあまり意味はないとふみました。

つまり「私にとってのドローイング」を提示することで
その作家の立位置が分かる、
というか 
逆説的かもしれませんが
ドローイング、という定義に合わせて描くのではなく
自分の作品の何をドローイングとするか、という
「宣言」に近いかな、と思いました。

今回、私の場合はあえて本画に対してドローイング、と分けなくて良い、としました。
素材の関係で、岩絵の具に対して墨、と分けることはありますが。

出品作品については
後日ご紹介いたします。





ところで、ドローイングといえば
先日の若林奮のドローイングは本当に素晴らしかった!!

それは、概念を平面化しようと試みる、とてつもなく困難な作業だと思いました。
作家の思考が直接的に感じられて
それは自然と同じような謎に満ちていて
人間はなんて未知なんだろうと感じました。
つきつめると波動になってしまう。
かつてアンゼルム・キーファーの作品を見たときも
同じような感覚に陥りましたが何故でしょう。

悲しいかな、素晴らしいそれらは私の「描く」とは全く違います。
私の場合は、モチーフを描く際、紙に現れた色と形に触発されて
モチーフがどんどんずれていきます。
頭の中の作業と、筆先の作業が別個で、かつ同時に進行していきます。
最終的に一つの世界になったとき筆を置きますが
それが元々の概念と一致するのが本当は理想なのですが…

最近は四肢のかたちがはっきりしてきて
不満です。

どちらかというと
最終的にはそれらのものが無くなっていってほしいからです。

墨は自由になりすぎて ついつい描いてしまう。
だから私にとっては岩絵の具に必要性を感じてしまうのです。

あれこれ考えると今現在、私にとって切実なドローイングは
それは額縁に入れて人さまに見せるようなものではないのかもしれません。


額縁出来上がる!!

2016年01月02日 23時20分23秒 | 日記


ようやく出来上がりました(@_@;)
地獄を見ました。

もう2度といたしません!!

朱の観音開きにしたかったんです。
神社のような神聖な場所にそっとおかれているものを
手にとってゆっくり開く
大切なものをそっと覗くようなイメージで…
ってそこまでは良かったんだけど
想像以上に大変だというこが
途中で分かった頃には遅いというか、
意地でも最後までやりきらなくちゃいけない感じになっていて
(誰も私に頼んでいない。自分で自分に無駄に課したわけです、はは)
かれこれ1ヶ月以上かかりました(;。;)


そっと開きます。


ちゃんと開いた、これには感動!
というのは蝶番の取り付けが凄く難しかったので。

色も思い通りになった。
鮮やかな朱色。

これを買って下さった方は
いつもお求め下さる方。
心をこめて作りましたが気に入ってくれるでしょうか。

手作り感満載なので少し心配です。
とはいえやっと肩の荷がおりました。

これから年賀状書きを始めます。
明日は死にものぐるいで書きますよ(^-^)/


サルです・笑


まず髪を洗おう

2016年01月01日 01時13分54秒 | 日記

ああ、年が明けた。

大晦日、無茶苦茶に働きましたー!!


毎年のように、だし巻き玉子と栗きんとんを作る。

きんとんは何をとち狂ったか、安納芋(あんのういも)でやりたくなってしまい
やったはいいけど粘りが強くて
漉し器でこせません!!(@_@;)
でも仕方ないので
右腕に渾身の力をふりしぼり延々とこしまくった。
普通の紅あづまなどの芋の方がサラッとしていていい。
こしている間にこしが痛くなってしまい(しゃれでなくて)
次なるだし巻き玉子に集中できず
なんだかうまくいかなかった。

ふーふー言いながら
やっと食卓についたときには
紅白で石川さゆりが津軽海峡を歌う後半に入るところだった。
別にファンではないが、マッチが妙にかっこよかった。

とにかく毎年大晦日は大掃除で
死にそうになる。
今年も同じだ。

それでも嬉しいことに
友人からお菓子が届いた。

送った紅茶豚のお礼だ。
このお菓子を送ってくれた人のおかげで
今年は 若林奮* の素晴らしさを知った。
この素晴らしい展覧会のことは今度書きますが

とにかく元旦はこれで飲んだくれますよ(^_^)

左のハンドクリームも
別の友人から頂いたものだが
パンチが効いていて相当いい!!

そして大洗濯でやっと洗ったものがある。

エプロン!
制作に使っていて墨だらけ真っ黒!
これは 大橋可也&ダンサーズ の大橋夫妻にいただいたものだ。
絵柄はバク
「夢を喰え」とのメッセージ
喰いましょう。

共に走ってくれる仲間がいて
本当に私は幸せだ。

このブログを読んで下さっている方も
また今年も一緒に走りましょう。

新年明けましておめでとうございます。
本年も良い一年をお過ごし下さい。
皆様のご多幸を心よりお祈り申し上げます。
(まずはこれから髪を洗います。。。何日ぶりだろうか…)

*若林奮 展覧会情報
府中市美術館 
神奈川県立美術館葉山