Michiyo Kamei "Shape of life"いのちのかたち  

画家 亀井三千代 記
「身体曼荼羅」春画と解剖図
michiyokamei diary

亀井三千代 HP/Michiyo Kamei official web site 

https://michika-6.wixsite.com/michiyokamei

ルネサンス探訪 ・ 解剖図を生んだもう一つの美術史

2020年09月24日 09時05分52秒 | 水彩画教室

画像はチマブーエ「聖母子像」、チマブーエは大好き。
これは、よみうりカルチャー町屋さんの企画
【ルネサンス探訪 ・ 解剖図を生んだもう一つの美術史】の教材用の画像です。

医科歯科の解剖学教室にいた頃は、教授の学会用パワポを徹夜で作る、
という過酷なイベントが年に数回あって死ぬほど鍛えられた。
真夜中、煌々とあかりのついた教室で数人で作業を分担しながら
消化管が消火菅、食道が食堂といった様々なハプニングに徐々にハイになっていく…

その時たたき込まれたノウハウをまさか自分の発表の為に使う日がくるとは
思ってもみませんでした。



まとめながら改めて自分のルーツを知るという学びになっています。
解剖図がベースだけど、解剖図は西洋に由来していて
「絵」である以上は西洋美術史を通っている。
そういえば私は古い西洋絵画が大好きだった。
稚拙な線や剥落、部分的な欠損がある彫刻など
そのような不完全なものが大好きだったことを思い出しています。

だからといって
自分の作品、特に日本画に対しては完全なものを求められる傾向にあるし
あえて古さを演出した表現は好きではない。
自分の「好き」をエゴでなく表現していくって難しいけれど
結局その難しさに惹かれて、今制作しているのだなぁなんて思っています。

昨日は機材チェックしました。
よみうりカルチャー町屋さんには大変お世話になっています。↓

★スライドレクチャー【ルネサンス探訪 ・ 解剖図を生んだもう一つの美術史】
10/15、11/19、12/17 第3 木曜日 10:00~11:30
3回講座の初回10月15日は解剖図に至る前、ルネサンスの概要をおさえたいと思います。

よみうりカルチャー町屋(千代田線、京成線 町屋駅前)
詳細はこちら→ https://www.ync.ne.jp/machiya/kouza/202010-03950123.htm
電話予約もOK→03-3802-7115

コロナ対策として定員12名で行います。
ご興味のある方、ご参加お待ちしております。


幸福感

2020年09月15日 08時48分42秒 | おすすめ展覧会

コロナ禍で全国的にストレスフルだと思う。
というか、自分がストレスフルなのでそう感じるのかもしれない。
とにかく もやもやがずーっと続いている。

「美術館はすいているので3密ではない」と言われるが
美術館に行くまでが怖いじゃん。電車や駅が私は怖い。
というのも私はカルチャーをしているので、絶体にコロナにはかかれないから。

地方の人が「村八分に合うので東京には行けない」というは分かる気がする。
昨年暮れに、たかだかインフルにかかっただけでも仲間からバイキン扱いされるのだから、
人は人を差別する生きものだと思う。

とはいえ、コロナ禍にあって展示の喜びは強烈に身にしみる。
絶体に私に必要なもの、これほどの生きがいを感じる場はない。
特に仲間でワイワイやった7月の「座の会」の時は幸せを感じた。
だからこそ、このコロナ禍と展示の間で辛い思いをする。

衣食住に関係のない「展覧会」はなくても人は困らない。
なら私たち作家は何のために制作をするのか。





秋になって展覧会が増え観に行く機会が増えた。
そもそも外出が怖いのでカルチャーの帰りにまとめて画廊をまわるが
はっきり分かったことがある。
ある時、作品愛あふれる作家の展覧会を見た。
作品に対する愛情に溢れている、そんな作品を見ると
自分が人間で良かったとさえ思われて、救われる気持ちになった。
この幸福感は衣食住とは全く違うところにあり、これ以上の言葉にもならない。

自己顕示の多い展覧会の中にあって、作品が愛に溢れるというのはなんて希有なことか。
愛は形に表してもなかなか見えにくいものだけど、今回はっきりと分かった。
私もそこを目指したい。
そこに気づけたのできっとできると信じる。

尊敬する作家たち、丁寧でおおらかな愛
良い展覧会を沢山見ましたが、まだ開催中のものをご紹介いたします。↓
井桁裕子「風の世紀」展~9月20日(日)まで 
リブレリシス http://librairie6.com/




新設講座【ルネサンス探訪 ・ 解剖図を生んだもう一つの美術史】亀井三千代
10/15 11/19 12/17 よみうりカルチャー町屋 定員10名

第18回「お家時間の充実」​星野まりなさんによる亀井のインタビュー。
「人間が人間を知りたい理由とは?ー画家の絶えない人間探求」


亀井三千代HP

カルマフリーstatement (亀井三千代個展 )


ホラー映画で猛暑をやり過ごす

2020年09月01日 09時04分45秒 | 映画

人人展の打ち合わせで何人かの作家に電話をかけたが、
「お元気でしたか?」
「暑い」

「ご無沙汰をしています」
「暑い」

もう「暑い」しか出てこない。
でも今日、9月に入ったら突然涼しい。
8月中は旧作に加筆したりうちわを作ったりしながら猛暑をやり過ごした。

うちわは平面だけどある意味立体
表と裏に絵が入れられるのも楽しい。
今年は龍に挑戦したが難しかった~(@_@;)

もうめちゃくちゃ(笑)





この夏は、録画していた「死霊館」「死霊館エンフィールド事件」を見てはまり、
その後 アナベル人形シリーズ のDVDを借りまくってやり過ごした。
もともとホラーは好きだけれど、こんなにはまるのは久しぶり。
暑すぎるので、これくらいの刺激でないと感じなくなっているんだと思う。

映画では、闇に潜む実態が良くわからない(けど何かいる)ので、
巻き戻して何度も見るがやはりわからない。
それを何度かやってるうちに、私の目が悪いのではなくて
分からないように撮っているのだとやっとわかる(笑)。
目をこらしても見えないほど闇の感じが深い、これはホントに恐怖だなって思った。
絵の世界に置き換えると「分からないように描いて見手に想像させる」
とかそういう陳腐な言葉になるのかもしれないけど
だんだんと「想像させる」ことが目的になり、作品自体が仕掛け化してつまらなくなっていくのはよくあること。
やはり描くからには自分も作品に仕掛けられたいと思う。
作家が何かを仕掛ける主体ではなく、作家自身もまんまと作品に仕掛けられているのがいい。





死霊館シリーズは実話がもとになっていることが怖さのポイントだと思う。
伝承や回想っぽいところに妙なリアリティがある。
そういえば私の邦画ホラーのNo.1は渥美清が金田一をやる「八つ墓村」(1977、野村芳太郎監督)。
これは本当に怖い。
ホラー映画を借りるとき、パッケージの説明なんかをよく読んで借りても
結局がっかりすることが多い。
仕掛けに焦点を当ててしまうと、仕掛け自体をエスカレートさせていくしかなく、
それがつまらなさに繋がる。人間は刺激に慣れてしまうのだ。
怖さのリアリティは全く別のところにあると思う。
絵も同じかな、なんて思いつつ猛暑をやり過ごす。

アナベル人形、怖いんだけど時々可愛く見える瞬間がある。
私は異常かもしれません。



新設講座【ルネサンス探訪 ・ 解剖図を生んだもう一つの美術史】
10/15 11/19 12/17 よみうりカルチャー町屋 定員10名

亀井三千代HP