Michiyo Kamei "Shape of life"いのちのかたち  

画家 亀井三千代 記
「身体曼荼羅」春画と解剖図
michiyokamei diary

夏の浴室

2010年07月22日 08時22分57秒 | 日記

浴槽から見る空。

浴室が外から丸見えなので、
目隠しに植木をおいた。

カーテンをつけるのはいやだった。

木はどんどん大きくなり、今は私の背丈くらいある。

春は虫がついて大変だった。
子供の手のような小さな新芽に
アブラムシがびっしりついたときは
ほとんど気が狂いそうになった。

誰かを洗ってあげるみたいに
浴室のシャワーをのばして
虫を洗い流してあげた。

彼らは、自分で意思表示できないから
しっかり見ていてあげないといけない。

水が足りなくても、虫に喰われても
叫ぶことができない。
快適なのか、つらいのか。

それでも、つきあいが長いと
葉っぱの様子や、それこそオーラのようなもので
彼らの異変に気づけるようになる。
植物好きの人ならわかってもらえると思うのだが。。。

不思議と、何かが変なのだ。

そして、その予感は的中する。

そういえば、
植物はヒトよりもずっと良くできている、と言った友人がいた。
変なこと言うな、と思ったけど
今ではなんとなく理解できる。

植物とつきあうのは、人とつきあうより楽だ。
意思疎通も可能だと思う。

人同士は、そもそも話ができるので
つらいだの苦しいだの勝手に言ってくる。
言葉のせいで事態がややこしくなり、
わけがわからなくなることもある。
だからついつい、こちらもアンテナをはずしてしまう。
不器用ないきもの。

切実に、心を合わせなくてはいけないのは、
本当は人同士だというのに。



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