Michiyo Kamei "Shape of life"いのちのかたち  

画家 亀井三千代 記
「身体曼荼羅」春画と解剖図
michiyokamei diary

解剖学教室時代の思い出1

2018年09月15日 20時12分42秒 | 日記


(↑写真は、貴重なもの故あまり大きく出来ません。いずれお披露目の機会を作りたいです。)

今年から自分で作った解剖図の資料もモチーフにしようと決めた。
決めたはいいが一度整理して掘り出さないと始まらない。
やっと涼しくなったので、思い立って始めた。

出るわ出てくるわ…

保管状態に自信がなく、
2度とは描けない実物の解剖体スケッチが、もしも酷い状態だったら絶体ショック!
と思い、それを見たくなくて余計に遠ざかっていたのだが 

実際はそんなこともなかった。
けっこう綺麗に残っていた。
いつかこの資料の図録も出してみたいとなぁ…と欲も出たりして(^_^;

というわけで、今日はいくつかの資料を突き合わせて
下図を何枚か作った。





医科歯科大で解剖図の仕事をしているころは
下図を作る作業にめちゃくちゃ時間をかけていた。
当時の教授は佐藤達夫 *先生という有名な人で
貴重な解剖図譜の収集家でもあった。
教室の本棚には希少本がごろごろあって、19世紀の解剖図譜を普通に見ることができた。
すごく贅沢な時間、その豊かな日々の経験は今でも私のベースになっている。
学びたい人に惜しみなく学ばせる、というのはなんて大きな愛なんだろう。

しっかり作品にして残していきたいと思います。
その愛は次へ伝わると信じています。
 
でもそれを考えると、人生1個じゃ足りない気がしますね。
医科歯科時代を振り返ると、実際教育といのは難しくて、言葉で教わるようなことでもなかったと思います。
ガチでぶつかって家族のように時間を共にして
それでやっと相手の望む解剖図のフォルムが自然と身につきました。
だから私の解剖図は医科歯科タイプだと思います。
それはとても美しいものでした。
主には先生方の論文で、ラディカルな理論とともに私の図も残っていくのを期待しています。
マニアックな世界ですね。
ああ、あのマニアックな先生方にまた会いたいなぁ…



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