箕面三中もと校長から〜教育関係者のつぶやき〜

2015年度から2018年度に大阪府の箕面三中の校長を務めました。おもに学校教育と子育てに関する情報をのせています。

進路:進むべき道は自分にしか見えない

2016年11月04日 16時42分37秒 | 教育・子育てあれこれ


今日は、第二回進路説明会を開催しました。

説明会に先立って、高校から2名の方が先生をお招きして、学校紹介の話をしてもらいました。

私立高校から箕面自由学園高校、公立高校から大阪府立池田高校に来てもらい、学校の紹介を3年生の生徒・保護者の方に対して、していただきました。

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第2回進路説明会あいさつ(2016年11月4日)

本日はお忙しい中にもかかわらず、多数の保護者のみなさまにご参加をいただき、ありがとうございます。

さて、3年生のみなさんに、進路について私から求めることを1つだけ伝えておきます。

進むべき道は、自分にしか見えない。

このことばをみなさんに伝えます。

自分にしか見えないというのだから、自分一人で受験する高校を決めなさいと言っているのではありません。みんなが行くから行くでなく、自分はなぜ高校へいくのか、高校へ行って何をするのかを考えるのは、自分にしか見えないのだ、と言っているのです。

そもそも、中学生が向き合う課題の多くは、自分で解決しなければならないものです。だから親や教師は、基本的には、見守るしかありません。

ただし、自分一人では解決が難しい場合もあるので、「何か手助けすることがあったら、いつでも言ってね」という態度でいます。

これからの5か月間、ときには、学習を投げ出したくなる時もあるかもしれません。そのとき、ゴールを見据えて今できる学習を我慢強く取り組んでほしいと思います。

保護者の皆さま、進路への不安は、どの子も感じます。そこでおうちの人の力添えがやはり必要となります。学校の教職員と保護者の方で子どもたちを、力強く支えていきたいと考えます。どうかよろしくお願いします。

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行動ではなく、心情に目を向ける

2016年11月03日 18時43分58秒 | 教育・子育てあれこれ


授業中に落ち着きがない。
思ったことをすぐ口にする。
人に迷惑ばかりかける。

このような子がクラスにいると、教師はつい怒ってしまいます。

ウソをつく。
宿題をしない。
約束を守らない。

このような子が家庭にいると、親はつい怒ってしまいます。

その結果、その子は学校でも、家庭でも、何かをやらかすたびに怒られます。怒られるのことが繰り返されます。

そこで、考えてみたいのが、その子が怒られるようなことをする心情はどんなものかという点です。

誰かに関心をもってほしい。こう思っている子にとって、怒られるのは関心を引き寄せるためかもしれません。

誰もが怒るので、自分の本当の気持ちをわかってくれない。あるいは、周りの人が迷惑がり、自分から離れていく。その不安から投げやりになり、よけいなことをしてしまう。

人は誰でも、相手の心情(内面)はわかりにくいのですが、表に出ている言動はわかりやすいのです。

だから、私たちは表面に現れている言動に対して、注意したり、指導したり、怒ったりするのです。

人を困らせるようなよけいなことをするのは、何が目的なのか、本人がどうしたいと願っているのか。この点に着眼して、教育・子育てをしていくと、大人と子どもの関係はよい方向に向いていくと思います。

読書で自分を耕す

2016年11月01日 06時47分51秒 | 教育・子育てあれこれ

箕面市では、子どもの本離れが進んでいると言われます。

とくに、中学生になると読書量は減る傾向にあります。

今年4月に実施した全国学力学習状況調査の結果によりますと、本校3年生の場合、授業時間以外にふだん1日あたり読書をする時間は30分以上と答えた率が22.8パーセントでした。

全国平均では28.2パーセントでしたので、三中生はやはり読書量が少なめであると言えます。

では、生徒たちは本が嫌いなのでしょうか?

学校の図書館等での様子を見ていますと、子どもたちはけっして本が嫌いではないことがわかります。

読書時間が短い理由はいろいろあるでしょうが、ひとつには学習塾通いなど生活が忙しく、読む時間がないという事情も影響しているのでしょう。

しかし、私は中学生には、とくに本を読んでほしいと考えています。

なぜなら、読書を通じて、子どもたちは自分を客観的に見つめ直すことができるからです。

自分の力で現実に立ち向かうことができるようになります。

少しずつでも、毎日読み続けることで、生きる力を蓄えていくと思うのです。


例えば、「星の王子さま」には、「大切なものは目に見えないんだよ」という言葉が出てきます。

この言葉にふれた生徒は、自分の学校・家庭での日常生活を重ねて考え、自分を気にかけてくれている人々の思いを考えます。

これは、たしかに目に見えないな・・・。

このような気づきが生まれることがあります。

私たち大人が、子どもたちに対してできるのは、読書に限りませんが、自分で自分を耕し、自分を育てる機会を与えることではないかと思います。