今の公共トイレは進化しています。
学校の場合なら、トイレは3Kと言われていました。
「きたない、くさい、こわい」の3Kでした。
駅などのトイレは、同じく3Kでした。
「きたない、くさい、くらい」の3Kでした。
ところが、公共トイレ(以前の呼称は公衆トイレ)の役割は大きくかわりました。
用を足したら、一刻も早く出たい場所から、入りやすくて気分転換ができる場所に様変わりしたと言えるでしょう。
街の公共トイレは、ウォシュレットも完備していて、外出したとき排泄のことを気にしなくてすむ、いわば共有財産のようなものに変貌しました。
快適なトイレは、ある意味で社会の豊かさを表すと言えるでしょう。
2006年にはバリアフリー法(高齢者、障害者等の移動等の円滑化に関する法律)が施行されました。
それにより、高齢者や障害者たちにとって利用しやすい設備が公共トイレに求められることになり、公共トイレの設備の充実が進みました。
ただ一つ新たな問題が発生しています。
バリアフリーのトイレは、学校では「多目的トイレ」、街の公共トイレでは、「だれでもトイレ」というような名前がついています。
また、そこにジェンダーに関する視点が合わさり、「男女共用トイレ」という名称がつく場合もあります。
だれが使ってもいいのだから、みんなが使うのですが、車いすの人が使いたいときに、そうでない人が利用していて使えないことがあると聞きます。
「ユニバーサルデザイン」は、対象者だけでなく、すべての人が使いやすい、それを促進する概念です。
ただし、プライオリティは、そのトイレの利用をするのがいちばん必要な人にあるのです。
そのことを意識しているか、していないかによってユニバーサルデザインの意味が変わってしまうことを自覚しておきたいものです。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます