箕面三中もと校長から〜教育関係者のつぶやき〜

2015年度から2018年度に大阪府の箕面三中の校長を務めました。おもに学校教育と子育てに関する情報をのせています。

日本語を介した共生

2021年08月08日 06時52分00秒 | 教育・子育てあれこれ
私は、英語科の教員で、今まで英語は世界共通語と思ってきました。

だから、英語圏でない外国人と話すときも、英語を使えばなんとかなると思っていました。

でも、それはその人たちにとって母国語ではない英語を学習している場合に限られます。

新型コロナウイルスの感染拡大で、街から外国人観光客の姿が消えました。

でも、定住外国人は今まで通りの生活を送っています。

今、街で出会う外国人のほとんどが、私たちと同じ地域で暮らす生活者なのです。

彼らといっしょに暮らしやすい街をつくることが求められます。

そのとき必要になるのは日本語です。

じつは、その人たちは英語ではなく、日本語を使おうとすることが多いのです。

英語はわからない」と言う人も少なくはありません。

在留外国人は、日本語学校で日本語を学習し、日本語を使おうとします。

そんな人たちに、英語で話しかけるのはその気持ちに添いません。

ただ、日本語でコミュニケーションをとるには、コツがいります。

たとえば、一つの会話には、一つの情報だけを入れます。

また日本語は一つの動作を表すにもたくさんの表現があることが多いです。

たとえば、「話す」には「述べる」「語る」「おっしゃる」「言う」などたくさん類義語があり、日本語を難しくしています。

だから、できるだけ平易な「話す」を使い。難しい漢字はひらがなで表記するなどして、日本語理解を助けます。

今の時代、在留外国人にとってわかりやすい日本語は、日本人の子どもにも、高齢者にも。誰にとってもわかりやすい日本語なのです。

わかりやすい日本語を介して、日本人と外国人が同じ地域で暮らす人同士として、気持ちを通じ合い生きていく。

こういう地域が共生社会と言えるのかもしれません。




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