箕面三中もと校長から〜教育関係者のつぶやき〜

2015年度から2018年度に大阪府の箕面三中の校長を務めました。おもに学校教育と子育てに関する情報をのせています。

地域への貢献を掲げる美術館

2022年02月23日 08時46分00秒 | 教育・子育てあれこれ
「大阪中之島美術館」が今年の2月2日に開館しました。

外観は黒色で、展示室の総床面積はおよそ3100㎡で、20世紀の西洋絵画の巨匠の作品など、展示数は6000点を超えます。

この美術館は、あたらしく「地域への貢献」を掲げています。

隣接する国立美術館との連携、大学の研究室と連携する「横のつながり」を重視します。

コロナ渦は人や作品の移動に制限をかけました。それで、有名な海外の美術作品を集めた収益の大きい大型展もできません。

そこで、地域の市民に愛される美術館として君臨し、近隣の市民にリピーターとなってもらうことを重視し、他の美術館の作品を借り入れ、企画展を行う経営方針をたてました。

そもそも、人が作品を好きになる理由は、その多くが個人的な思いや経験と結びつくものです。
市民のそれらの思いや経験に訴えかける美術館をめざします。

このコンセプトを聞き及ぶにつけ、次の論文に通じる点があると思いました。

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新型コロナウイルスの影響を受け、美術館/博物館も一時休館に追い込まれた。美術館・博物館は社会で果たす役割について、改めて問われることになった。

美術館でこそ可能な体験とは何か、魅力ととも語ってもらった。

アメリカのニューヨーク近代美術館の鑑賞プログラムを当時「VISUAL THINKING CURRICULUM」と呼んでいた。

作者や作品名などの情報から理解するのでなく、視覚的にとらえて、ものから対話を通じて自分の解釈や感想を言語化して、作品理解を深める方法である。

一見わかりにくい作品に対しても「何だろう、なぜだろう」と疑問を持ち、みずから考えそしてみずからの言葉で表現すること。

こうした訓練を重ねることによって、あいまいなものへの対処法や思考する方法をアートから学びとることができる。

人間が人間として生きるためには、一人では生きられない。他者を知り自分とちがう価値観があることを知る必要がある。

美術作品に向き合うということは、足を運んで美術館に赴き、五感を使って鑑賞するということである。(逢坂恵理子・国立新美術館長)

『毎日新聞』2021年10月15日 朝刊 「アートの森」(美術業界の最新動向、サステナブルな取り組みを紹介)より

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