日本国憲法は、第二次世界対戦後国内を占領していたGHQに押しつけられたものであるという論調があります。
わたしは、憲法の成立経過について、どうこう言うつもりはありません。
しかし、条文を一つずつ読み込んでいくと、とても大切なことが書かれています。
第9条には戦争放棄、24条には両性の平等をうたっています。
また、24条には、家族に関する法律について「個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して、制定されなければならない」と書かれています。
これは、家庭の中での「個の尊厳」を明記して いると解釈できます。
ところが今、これに「家族は互いに助け合わなければならない」を加えようとする動きがあります。
おそらく、児童虐待などが社会問題となっている今日の流れを意識してのことで、わからなくもないですが、これを突き詰めると「子育ても介護もすべて、家庭的で担うべきだ」となってしまいます。
しかし、今の時代、たとえば親孝行するのは当然としながらも、家族の形態は家族それぞれであり、家族について、考え方の多様性が認められるのです。
そのことが憲法により保証されることこそが大切なのだと思います。
現行の日本国憲法には、今の時代では当たり前のことが書かれていて、その大切さに気づいていないことが多くあります。
「今の時代にふさわしい新しい権利を盛り込もう」という主張に対して、燦然と輝く憲法を変えなくても、関連法を整備することでこと足りると考えます。
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