箕面三中もと校長から〜教育関係者のつぶやき〜

2015年度から2018年度に大阪府の箕面三中の校長を務めました。おもに学校教育と子育てに関する情報をのせています。

他者の仕事に想いを寄せる

2020年06月05日 06時39分00秒 | 教育・子育てあれこれ


今回の新型コロナウイルス感染防止のための緊急事態宣言は、私たちの生活を大きく転換させました。

また、今後も生活の仕方を変えるのではないでしょうか。

会社に出社しなければ、仕事は成り立たないという固定観念を大きく変え、テレワークが浸透しました。

たくさんの学生がキャンパスに集まらなくても、、オンライン講義で自宅にいながら学習や研究活動を進めることができています。

このような状況が続くと、極端に言えば、都市に住まなくても仕事ができる。ならば、都市郊外や自然環境豊かなところに住もうとする人も出てくるかもしれません。

また、自宅から出なくても仕事ができるだけでなく、買い物も配達を利用することで、かなりカバーできます。

このように、テレワークや在宅ワークができる仕事は、人が身体を動かす時間を大幅に減らしていくことも予想できます。

しかし、ここで見落としてはならないのが、「デリバリーもおいしいね」とつぶやく一方で、配達してくれる人の心情に想いを寄せる点です。
配達してくれる人の労働に思いを寄せることができるかです。

消費する人の欲望は果てしなく、また新たな市場を拡大することに夢中になるだけでは、届ける人のことに気がつきにくくなります。

つまり、「家にいても事たりるでないか」というのは誤解であり、自らが感染するかもしれないという危機感を持ちながらも、家を出ないと仕事ができない人もたくさんいることに無頓着にならず、意識し続けていることが必要です。

最前線で感染者に向き合っている医療に従事する人はそうです。

子どもの学習や成長を支える学校の教職員、コンサートやイベントを運営するスタッフ、介護の仕事、建設業、農業、漁業、飲食業、スーパーやコンビニなど、自宅の外で活動しなければならない人はたくさんいます。

わたしをふくめ、大阪府民の場合、今回の新型コロナウイルス感染拡大防止については、国には頼れないことを思い知りました。でも、地方自治体には頼ることができると実感しました。

人は本能として、他者とつながりたいという欲求をもっています。

オンラインだけでは社会は回らないのです。他者の仕事により、私たちの暮らしは成り立っている。

このことを、あらためて感じました。








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