私は子どもの頃、家の下の坂道で姉に背負われるとき、落っこちて額をすりむきました。
まだ両親は帰宅しておらず、家でおじいちゃんとおばあちゃんが手当てをしてくれました。「ほら、もう血が止まったで。大丈夫や」と。
後に帰宅した母は、「そうやったんや。痛かったやろ」となぐさめてくれ、ホッとしたというか、安堵感を覚えました。
子育てで、親は子どもにとっての「安全基地」であるのが理想です。
安全基地とは、いつでも戻ってこれる場所で、安全が確保される場所です。
子どもが、傷ついたときや自信をなくしたりしたとき、なぐさめてくれたり、つらさを共感してくれる場所です。
出かけた先でころんで泣いて帰ると、手当てをしてくれたり、なぐさめてもらったりすると、気持ちが落ち着いて、また元気になることができます。
中学校教育を通して思いますが、中学生でも、安全基地は必要です。
学校の先生でも、生徒の安全基地になることはできます。安全基地にたるだけの信頼関係を深めればいいのです。
では、大人になったからといって、安全基地がもういらないかと言えばそうではないでしょう。
今の時代は生きづらく、人間関係でのストレスがたまりやすいので、傷つく人も多いからです。
人間は、そんなに強くはありません。というか人間は弱い存在です。大人になっても心のよりどころになれる安全基地が必要です。
パートナー、職場の同僚、友人など、つらい気持ちを受けとめ。共感してくれる人がいれば、傷ついた心は癒やされます。また元気になれます。
ただし、今の時代は、人と人の距離感をどう保つかが難しいのです。
べったりとした距離感を望む人がいます。.
ちょっと距離のあるあっさりとしたゆるやかな人間関係を望む人もいます。
後者を望む人の方が、いまは多いかもしれません。それが昔とちがう点です。
人によって望む距離感が異なることを理解した上で、相手との関係を築き、安全基地をもつこと、安全基地になることを心がけたいと思います。
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