箕面三中もと校長から〜教育関係者のつぶやき〜

2015年度から2018年度に大阪府の箕面三中の校長を務めました。おもに学校教育と子育てに関する情報をのせています。

コロナウイルス休校と部活

2020年03月26日 07時32分00秒 | 教育・子育てあれこれ

中学校では、3月はじめから部活動ができなくなり、今回あらたに春休みも部活動ができなくなりました。

新型コロナウイルス感染防止のため、仕方がないことですが、この休校による部活動停止がおもに運動面で、中学生に与える影響を考えてみます。

それは、体の動きがしなやかさを忘れ、不器用な動きに戻るかもしれないという影響です。

そもそも運動する人は、上半身と下半身、または背中や腕や脚などの各部分をうまく連動させればしなやかな動きができます。

実際、部活動をしている中学生の体の動きは、体育の授業のときでも、柔らかくしなやかな場合が多いです。

野球では「手打ちはよくない」としばしば言われます。

バットは、腰などの体幹部分を使い、下半身の力をうまく上半身に伝えることで鋭く振ることができます。

毎日短時間でも部活動をしていると、この全身の動きのコツというか感覚を身につけることができます。

しかし、1か月以上運動をしないと、今までにせっかく身につけたしなやかな全身の動きを忘れてしまうのでないかという危惧を私はもっています。

これは、運動だけでなく、吹奏楽の楽器練習も同様です。

運動も演奏も、毎日練習していても、今日はうまくいったという日もあれば、昨日はうまくいったのに今日はなぜか感じが違う・・・。

毎日やっていても、自分の体がうまく動かないときも、うまく音が出せないこともあるのです。それほど、自分の体はわからないことが多いのです。

だからプロのアスリートや演奏家は、その「わからなさ」とつきあい、大会や演奏会にあわせ、ベストな状態になるよう調整するのです。

今後、いずれ部活動は再開されるでしょう。

ドリブルやパス、シュートなどの実践的な動きを繰り返すうちに、また部員とともに合同演奏をするうちに、ようやく以前の感覚が戻ってくるでしょう。

ただ感覚というものは、その子だけにしかわからないものです。

ですから、その感覚を取り戻すまでには、けっこうな日数がかかると予想します。

なぜ毎日練習するのかといえば、感覚というものは繊細で、毎日少しずつ刺激しなければ磨けないからです。


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