定員割れを起こす私立大学が急増しています。
2023年度入試で、50%を超える大学が入学者定員を満たすことができませんでした。
2040年になると、大学の総定員の2割を埋めることができない入学者数になるという推計が出されました。
そうなると、大学の数を減らそうという話になるのですが、そう単純な方法では解決しそうもありません。
もとは1990年代に、大学の設置基準が緩和され、都市圏だけでなく、地方にも私立大学が増えました。
地方の大学はそう簡単に減らすことはできない理由があります。
人口の少ない地域で大学がなくなるということは、高等教育を受ける機会がなくなるということです。
大都市圏に住んでいる人は、大学といえば首都圏や京阪神の私立大学を思い浮かべるでしょうが、地方に住み地元の大学に通っている人も、決して少なくはありません。
地域に大学があれば、教員やその家族や学生がその地域に住み、一定の経済圏を構成し、雇用をうむ効果もあります。
大学が地域経済へ寄与する効果もあるのです。
ですから、そう簡単に大学をなくしてしまえという論議にはならないのです。
また、大学の教員はその学部にふさわしい専門性をもっていますので、統廃合で別の研究部門に移るということは容易ではないのです。
それでも、急速な少子化が進行していますので、多かれ少なかれ廃止・統合はある程度進むでしょう。
それでも、いま必要とされているAI社会へ対応する知識やスキル学習や社会人のリスキリング(「学び直し」)の機会を卒業生に提供するなど、私大側の努力も求められます。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます