箕面三中もと校長から〜教育関係者のつぶやき〜

2015年度から2018年度に大阪府の箕面三中の校長を務めました。おもに学校教育と子育てに関する情報をのせています。

存在していることに価値がある

2024年03月04日 10時59分00秒 | 教育・子育てあれこれ


10代の子どもたちには、「好きなことを見つけなさい」とか「夢をもち、その実現にがんばりなさい」と、おとなは言います。

でも、そのおとなたちは、好きなことを仕事にしているのでしょうか。

一生をかけてやりたいことや夢はなくても、人は生きていけます。

生きていること自体、存在していることが素晴らしく、価値のあることなのです。

夢を求めて生きることができる人は、それでOKです。

しかし、すべての人がそういう生き方ができるのではなく、社会の理不尽な現実に直面したとき、「自分はダメなんだ」と自信を喪失します。

考えてみれば、いまの10代の子の保護者は、就職期が2000年代だった人たちです。

就職超氷河期であり、時代は勝ち組、負け組という言葉が生まれ、負け組は自己責任という考えが言われ出しました。

自分の努力が足りなかったとか能力がないと思わされてきた世代が子育てをしている場合も少なくはないでしょう。

そうなると、その子どもたちも自己責任、自己否定の連鎖にはまっているとも考えられます。

しかし、繰り返しになりますが、かりに社会の理不尽にでくわしても、生きているだけで価値があるのです。

人間の尊厳は、夢がなくても、やりたいことについていなくても、そんなことで価値がなくなるものではありません。










その地の文化は食にあり

2024年03月04日 05時29分00秒 | 教育・子育てあれこれ
わたしは中学生の修学旅行の下見や引率で、何度も沖縄を訪れました。

沖縄の文化を知るという意味では、「食」も欠かせません。

中学生も沖縄そばを食べて気に入り、大阪へ帰ってからも、沖縄料理店や物産展で手に入れた沖縄そばやソーキそばをよく食べます。


修学旅行で班別行動中の食事を自分たちで選んで食べられるようにすることがあります。


そのときには、ファーストフードの店に行ってしまう生徒たちが多いのです。


また、ホテルでもで「生徒が喜ぶから」ということで、ハンバーグやエビフライなどが出されることもあります。


でも、「食べる」ことも修学旅行での貴重な体験の一つであり、日頃よく食べるものより、その土地の郷土料理を食べるのがいいでしょう。


食べないと、わからないからです。



さて、「せっかく〇〇に来たのだから」と、地元の人が地元のグルメ・美味しい店を紹介するTV番組があります。


どこにでもある「まち中華」が取り上げられることもあります。


でも、その地方に行かなくては食べられない食材や料理が出てくることもあります。


「今度ここに行ったら食べてみよう」とチェックすることもあり、わたしは京都市のからしそばに関心をもち、実際に行きました。


満足できる味で、得をした気分になりました。



各地の郷土食の食材、調理法、保存方法などには、その土地の文化や風土が詰まっています。


食べること、つくってみること、そしてその背景を知ることで、訪れた土地の歴史や人々の生活が見えてくることもあります。



せっかく修学旅行でこの地に来たのだからという感覚で、その土地の食文化を楽しんでほしいと思います。