箕面三中もと校長から〜教育関係者のつぶやき〜

2015年度から2018年度に大阪府の箕面三中の校長を務めました。おもに学校教育と子育てに関する情報をのせています。

子どもの話を聴くポイント4(最終)

2017年09月19日 15時06分23秒 | 教育・子育てあれこれ


9月2日と5日、17日のブログで、子どもから話を聴く場合のポイントを、3回にわたり、①②と③④と⑤⑥を紹介してきました。

今回は、このシリーズの最終です。

「聴く」と「話す」を比較したとき、基本的には、聴くより話したい人が多いのは、事実でしょう。

でも、相手に気をつかい、話すことが得意でない人もいます。生徒だって同じです。

言える人は、言い終わるとさっぱりするだろうし、怒りや恨みは残らないでしょう。しかし、言われっぱなしの相手は不満足な気持ちが残るでしょう。

周りを不満足にさせながら、自分だけさっぱりしているのは、好ましいことではありません。

「わたしはうまく話せない」と悩む人はいても、「わたしはしっかり聴けない」と悩む人は少ないのです。

教師であっても、親であっても、悩みごとや困りごとで大人に相談しょうとする子どもには、「わたしはしっかり聴けない」と自覚している人が、いちばんの相談談相手になれるのだと思います。

相手になにかアドバイスをしないと、と思うのは人情であり、そう考えるのはもっともです。

しかし、聴くことで相手を支えることができます。

聴き手が聴いてくれるということは、話し手が話す、語ることができることです。

話し手は、話すことで、語ることで、自分の気持ちに整理をつけることができます。

「そうか、わたしはこのことでひっかかっていたのか」と迷いや悩みの気持ちを整理できます。

自分がどうすべきかを、自分で見通すことにつながるかもしれません。

中学生には、自分のことは自分できめさせなければなりません。

それでも、「聴き手がなにか言ってあげないと」と思うなら、十分に聴いたあとで、「わたしは、こう思うよ」と話せばいいのです。

要は、話を十分に聴かないで、おとながすぐに自分の考えや意見を言うのは、「聴くこと」ではないということです。