勇者の大局観

ヘボ投資とつれづれなる日々・・・
(投資に関する投稿は私感に基くものです)

映画『風立ちぬ』

2013年08月26日 | 映画
昨日に日曜は夕方から時間が空いていたので映画館へ足を運ぶ事に・・・
スタートレックを観ようと思っていたが、その時間帯では日本語吹替版しかなかったので、急きょ『風立ちぬ』に変更。まぁ、どちらも観るつもりなので順番だけの話なのだが・・・
洋画は基本的に字幕版で俳優の生声も一緒に楽しむ派の私としては極力字幕版で観るようにする。DVD観賞の場合は字幕版で観てみて気に入れば再度「吹替」で観るという感じが多いかなぁ。

さて、肝心の映画の方は・・・ 

あらすじ:
舞台は大正終わりから昭和の初め頃。大震災を乗り越えた日本だが世界恐慌で景気は決して良くない状態の中、イタリア人飛行機製作者カプローニを尊敬する主人公の堀越二郎(航空機の設計者)は“美しい飛行機”を設計する事に全エネルギーを注いでいた。一方で昔に関東大震災のさなか汽車で出会った少女(菜穂子)と偶然再会することに。二人は恋に落ちるが、菜穂子は既に結核にかかっていた・・・


結論から言って凄く良かったと思う!
他の方々のレビューを読んでいると、「主人公の声に感情がないので・・・」とか「ストーリーがイマイチ」とか「こんなの宮崎アニメじゃない」とかの酷評的なものも多く賛否両論だった。その半面、宮崎監督に「自分の映画で初めて泣いた」と言わせた作品を観てみたいという楽しみを持って、いざ観賞!
ここからネタバレですので楽しみにしてる方はあしからず

本作は歴史上の人物が主人公となりなますので、そこにファンタシズムは有りません。今までの宮崎アニメを期待した人は裏切られるでしょう。
しかし、この映画は深い作品です。
 一見平凡に見えるストーリーの中に人間的な深みが潜んでいます。ここを見つけられないと素晴らしさも半減するかもしれませんね~。まず理解しておきたいのは主人公の堀越二郎は職人だと言う事です。自分の気持ちを表現するのが不器用、だけど行動は早い。そんな青年が食事も忘れて設計に没頭する姿が細かい所までよく出ていました。どなたかのレビューにも有りましたが宮崎監督はご自分と主人公を重ねているのだと私も思います。(声優にエヴァンゲリオンの庵野秀明監督を抜擢したのもうなずけそうです
少女から美しい女性に成長した菜穂子と出会い、あっさりプロポーズする所や菜穂子の病が悪化し吐血して倒れた時の二郎の行動の早さがそれを裏付けます。
 そして二郎の優しさにも目が離せません。病気療養を余儀なくされる婚約者(菜穂子)のそばにいてあげる事をせず、飛行機設計(仕事)を選んだ二郎だが、菜穂子が倒れてから自分のそばに置く事を決意します。仕事を家に持ち帰って、そばで寝ている菜穂子の手を握りながら片手で仕事に没頭するシーンも心打たれる所ですね。
 また、菜穂子のけなげさにも心打たれます。二郎と共に生きる事を人生の目的にした菜穂子は病気を治す事に専念しますが、遠い山奥の療養所での寂しさに耐えきれず抜け出して二郎の元へ・・・。ここから二郎は残された菜穂子の時間を二人で大切に使う事を決意するわけですが、最後に死を悟った菜穂子は愛する二郎に迷惑をかけたくない、自分の終焉の姿を見せたくないという思いから一人山奥の療養所へと帰ります。(涙・・・
 長く書きましたがゼロ戦のその卓越した戦闘能力は世界で“名機”と言われている事実を踏まえ、設計者のこの純愛物語とオーバーラップさせながら本作を観賞すると観終わった頃には体の中に湧き出るものが現れると思いますよ

私は技術者ではないですが、すごく共感できました!
もっと若ければ技術者の道を歩んでみたいなぁ・・・



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