東ドイツ、シュタージのドキュメント。
皆が誰かを監視し、暗号名を持っていた。
家族、親類同士、隣人、職場同僚などがシュタージに密告していた。
映画「善き人のためのソナタ」はそのあたりを描いていた。
驚きはスポーツ選手へのステロイド過剰投与。
トレーニングだけでは不足、勝てない。
ドーピングは当然とコーチはいう。
これを見て書こうと思った。
女子砲丸投げ選手はコーチから、何も言われず注射をうち続けた。
勝利したが、14年後、体が変化した。
大量投与で、髭がはえ、体毛も増え男になった。
映像で見ると男、別人。ここまでの変化は相当に大量だろう。
彼女は男としてしか生きられず、性適合手術を受け
ひっそり暮らした。
フィギュアスケート選手、ウィットは2回金メダルをとり、
有名になった。シュタージは彼女の監視体制を強化した。
恋人なども監視し、相手が悪いと別れさせた。
何年か経過、ウィットは批判をうけ、米へ仕事を移した。
シュタージの密告が恐怖で、ハンガリー経由で亡命者が増加。
89年9月、教会に集合した人がシュタージ反対デモを決行。
出ていけ!と世界に初発信した。7万人の集団デモが続き、
ゴルバチョフはもう、東(ホーネッカー率いる)は勝てないという。
89年11月、西へ入れるようになり、シュタージは去った。
当時、事務所に彼らのファイル、書類を山のように発見した。
詳細な密告状況が書かれていた。誰がしたか、わかった。
閲覧できるようになり、密告者は親類かなど
ショックを隠せない人たち。
90年10月、東西統一。東の41年の歴史は幕をとじた。
00年、ドーピング被害(ステロイド投与)の選手たちが、
コーチら訴訟。有罪判決がでたが、謝罪はなかった。
前の首相メルケルは東出身。理系の学者だった。
今も東は年収が西より2割低い。
低賃金を移民と奪い合っている。統一されなかった方がいい,
東はすたれていくと語る東地域の人がいた。
ドイツには、今、思想家、斎藤幸平がサバティカルで住んでいて
滞在ドキュメントを見た。環境保全の街もあり
車線を減らし、自転車を使う。果物をあいた土地に植え、
お金を払えば、もぎ取り食べられる所があり
元西側は、住みやすい場所になっていると感じた。
追記、9日の新聞に「ドイツ右傾化?」の記事。
右傾政党のAFDが躍進。東との差があり、東の市民が
AFDを支持しているとあり、このドキュメントでの東地域の
方の語りが少しわかった。