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博士の愛した数式ー小川洋子

2020年08月30日 | 読書
評価4

昔の交通事故の後遺症で記憶が80分しか持たない老数学者、その家へ通う家政婦の「私」、「私」の息子ルートが織りなす、数学の公式、阪神タイガースと江夏豊をめぐる「小川洋子の愛したタイガース」としても良かったかもしれない物語。最後はホロっとしてしまった・・・

いやはや出て来る出て来る数学用語。

・友愛数
・完全数
・素数
・虚数
・フェルマーの最終定理
・オイラーの公式

「は~素数か~」「虚数習ったような気も・・・」と何度となく頁をめくる手を休めて想いをめぐらす。典型的な文系人間だけど、実は数学は嫌いではない。答えがはっきりしているところが潔くて好きなのだ(笑)。

しかし、数学と阪神とほのかな思慕の情を結びつける小川洋子さんの創造力に感動!結びの文章が最高!

「縦縞のユニフォームの肩越しに背番号が見える。完全数、28。」

【完全数とは】
その数自身を除く約数の和が、その数自身と等しい自然数のこと
28の約数:1+2+4+7+14=28。