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地のはてから(下)-乃南アサ

2020年08月02日 | 読書
評価4

奉公に出た小樽の商店が没落してしまい、とわは実家に帰り、19歳の時に斜里町の片貝松二郎の許に嫁ぐ。松二郎は古着屋を始め、とわは繕いに精を出し、長男は死産、三男は火災で失ったものの3男、3女を育てながら力強く人生を歩んで行くのであった。

幼馴染のアイヌの子・三吉のことを忘れがたく、ずっと想いを寄せていたとわは結婚後しばらくしてから宇登呂の山中で偶然落ちぶれた三吉と出会う。「焼けぼっくいに火か・・・?」と思ったら、うらぶれ果てた三吉をあっさり切り捨てたとわ。えっ!?と思ったが、強い女・とわに拍手(笑)!

入植、日中戦争、アイヌ、太平洋戦争、などの時代背景をよそに物語が淡々と進んだ感は免れないが、北海道に根を張った女性の前半生面白かったです!