鈴 (すず!・りん!)
赤胴鈴之助 第1巻(単行本) 武内つなよし
夏目漱石の「倫敦消息」は、正岡子規と高浜虚子に宛てたロンドン通信だが、これは雑誌
「ホトトギス」の明治三十四年第八号に掲載された。単行本『色鳥』(大正四年・新潮社刊)に
収録するに当たって、漱石は大幅に書き改めた。
そこで「倫敦消息」は、「ホトトギス」版と「色鳥」版と、二種存在する。
◇
「飯を食いながら呼鈴を押して宿の神さんを呼んだ。
『とうゝゝあなたの方へ行く事にしましたよ。
一週三十三円の下宿料なんか到底我輩には
払へんから君の方に生きましょうよ』」《ホトトギス版》
めし よびりん かみ
「僕は飯を食ひながら呼鈴を押して上さんを呼んだ。
あなた こと
『とうゝゝ貴方の方へ行く事になりましたよ。
何しろ一週三十三円ぢゃ到底僕には払へんからね』」《色鳥版》
「ホトトギス」の方には「呼鈴」にルビがない。
◇
私(出久根達郎)が漱石の「倫敦消息」を読んだのは、東京に出てきてまもなくであるが、
「ホトトギス」版ではなく、「色鳥」版に目を通していて、ハッとした。
「呼鈴」のふりがなである。鈴にリンと振られている。
やっぱり本当だったのだ、と思わず笑ってしまった。
◇
こういうことだった。小学生のころ、「赤胴鈴之助」というマンガが大いにはやった。
作者は福井英一。この人は連載が始まってまもなく過労で急死し、武内つなよしが、
後を書き継いだ。
漫画:武内つなよし
そのうちラジオで連続放送が始まった。赤胴鈴之助は千葉周作の門下だが、周作には
さゆりという一人娘がいる。子供マンガの世界だから明からさまではないが、二人は、
お互いに憎からず思っている。ラジオで小百合の声を演じたのは、小学生の吉永小百合
だった。彼女のデビュー作である。
田舎の悪ガキどもは、主人公よりも、むしろ小百合に熱狂した。
◇
さてその頃、私たちのクラスに、Aという男児が転校してきた。Aは東京っ子で、当然、
東京弁をしゃべる。私たちには耳慣れぬ東京弁が、女性言葉のように聞こえる。
Aは細おもての、女の子のような優しい相貌だったから、なおさら、そのように聞こえる。
小百合男(さゆりお)、と私たちは早速アダ名をつけた。
◇
Aがせせら笑うのである。「お前らは赤胴鈴之助の本名を知るまい、
あれはスズノスケでなく、リンノスケというんだ」。
「嘘だぁあ」、と私たちは声を上げた。
Aが言う。「鈴はリンと読むんだぞ。よびりん、というじゃないか!」
呼鈴と言われても、私たちにはピンとこない。そんな物を取りつけている家が、田舎には
なかったからだ。
Aは頭が良かった。鞍馬天狗の本名を教えてくれたのもAである。しかし、鈴はリンと鳴る
から、そう読むと、Aはどこで覚えたのだろう!?
◇
大正九年に、『漱石の三四郎日記』(山本春雄著)というパロディ本がでた。漱石人気に
あやかったのであろう。これに「電鈴」という語が出てきて、「りん」と振られている。
出久根 達郎 「セピア色の言葉辞典」より
文藝春秋 文春文庫 税込価格:¥660
懐かしいこと。あかどうすずのすけ!!りんのすけぇ~?? ^^
どうでもいいんですが・・祖母の名前は鈴枝です、
りん!
じゃなくってすずえ・・おほほ。
「赤胴鈴之助だあ!」で、始まる連続ラジオドラマ『赤胴鈴之助』は、当時の子どもたちの間で大人気。誰もが“真空斬り”のマネをしたものです!。
このラジオドラマでデビューしたのが、千葉周作の娘・さゆり役の吉永小百合でした。出演者リストを見ると、語り手が山東昭子、千葉周作が久松保夫、しのぶが藤田弓子だった。それから、竜巻雷之進が宝田明だったとは知らなんだ。
吉永小百合の話だけは、知っていたが。
他の人は、知りませんでした。
引用のように、小百合さんだけが、印象に残っていますね。
ラジオよりは、マンガを読んだような気がします。
ちなみに、知人に「鈴子」さんがいますが、「れいこ」さんです。
「りんこ」さんでは、変に聞こえますね^^
がんばれ 強いぞ ぼくらの仲間 赤胴鈴之助♪やヒャラリヒャラリコ ヒャリコヒャラレロ♪笛吹童子など、学校の帰り道、お店のラジオから聞こえると立ち止まり、それを聴いてから家に帰りました。
ヒャラリヒャラリコ ヒャリコヒャラレロ・・
みなさんみみになじんでおられるようで。うふ!
宝田明・・へえ!
「技芸上達」とありますから・・・笛吹童子はこれから調べてみます。、
「吉永小百合」さんもいつまでも若いですねぇ~ (^^)
女優さんって歳取らないんですかね。^^;
そ。人の目線を感じることがええんでねえかい??
ぼけのみち なりふり構わぬ あほのみち
はっはっは!
あ。半睡さん。
玲子・・叔母の名前でやんす!!