いつもこのブログを見て頂いて有難うございます
いや~年末だし、行っとこか!のノリ、じわじわ来てますね~
ちなみに、ワタクシ、12月は週1にゴルフ、既に決定してます(泣)
最終は29日
夜の方は飲みすぎないように注意が必要ですね~
まぁ私は実はこっそりと、半分以上は水を飲んでるんですけどね(笑)
油断するとあっちゅー間に 痛風 になっちゃますからね
本当にあったいい話 「 第三話 」
ポストにメモを投函して、その日に連絡をくれた前半分の土地の所有者さんは
はっきりと売却意思を示してくれた
売りにも出ていない不動産を「 売りませんか? 」と聞きに行くと大概はドヤされるのがオチなのだが
滑り出しとしては稀にみる好スタートといえた
しかし、後ろ半分の所有者がすんなりとは頷かない事がこれまでこの土地に廃屋が建っている原因である事は
分かっているし、頷けない理由も理解できた
(どう持っていくべきかな・・・・・・・・)
実の所、私にもこれらを解決していく手段や、説得していく話法はまったく思いつかなかった
(まぁとりあえずは、面会やな^^)
私は旧知の間柄だという前半分の所有者さんに、後ろ半分の所有者さんの大体の家の場所を聞き
取りあえず訪問する事にした
ここやな・・・・
中々の規模のお家の前に車を止め、表札で後ろ半分の所有者さんの名前だと確認できた
ピンポーン
何のためらいもなくインターホンを押してみた
返答はない
(留守か・・・・・)
少しホッとした気がしなかったわけでもない
しかし、この方とは会わない限り、話に何の進展も見られない事はわかりきった事である
(でなおそか・・・・・)
私は一旦引き上げる事にし、1月の早い夕暮れを待つことにした
数時間後・・・
すぐ近くのコンビニの駐車場に私はいた
すぐに訪問しても良かったのだが、なんせ1月の日暮れは早い
仕事をする身の私にしては、暗闇が進むにつれて遅い時間である感覚が強まっては行くが
実際の所はまだまだ夜とは言えない時間帯であった
ナビの時計が19時の表記になった時、私は今日最後の訪問をすることにした
今度は、停車していたコンビニの駐車場に車を止めたままにし、徒歩で5,6分といった後ろ半分の所有者の家まで
歩いていくことにした
なんてことはない
少し緊張していたからである
私の予想では、「 ほっといてください! 」と怒鳴られるであろうという予測だったからだ
後ろ半分の所有者は女性である事を既に聞いていた
男性の場合は、自身も社会に出て仕事をしていたり、どこでどんな場面で出くわすかもわからない以上
訪問者が押し売りのセールスでもない限り、たいていは落ち着いて話を聞いてくれる
断る時も、相手への配慮というものが多少ならずとも感じられる事が多いが、これがいい年の主婦だとそうはいかない
人によっては感情の塊のバズーカーを打ち込んでくる事も多いのだ
私はしれっと所有者宅に向いて歩いてはいるが、実のところはその数分は、心に防弾チョッキを着け、剣道の面をかぶり
両手にジュラルミン製の盾を装備する心持であった事は言うまでもない
ピンポーン
着いたらすぐにインターホンを押す
これはマイルールである
押す前から、玄関の中から漏れる室内の明かりでどなたかが在宅である事はわかっていた
は~い
意外にも明るい感じの返事が聞こえてきた
中から女性がこちらに向かって歩いてい来るのがシルエットでわかる
間違いない、これは所有者さん本人・・・
やや心拍数の上がった私ではあったが、無警戒に玄関を開けた女性に挨拶をすませ
訪問の理由を簡潔に述べた
1.自己紹介
2.前の所有者は土地を売却したいが、こちらの建物が建っていること
3.前の所有者とこちらとは既に賃貸契約が切れており、建物撤去の義務があること
4.このタイミングで前半分と同時に売却する意思を固めなければ、こちらの土地は死地となってしまう事
5.重ねての訪問、重ねての交渉をする意思が私にはないこと
この五点であった
特に5番目は、営業の姿勢としては好ましくないのかもしれない
しかし、過去にこちらの抵抗があった事は判明しており、当時の営業マンが説明をできたかどうかは分からないが
私の動きは、本来であれば前半分の所有者の代理であり、建物をどけてくれという要求を行う立場なのだ
4番目の話はもはや親切でしかない
いやなら構わないという気持ちが、そもそも私にはあったのだ
しかし、ブチ切れるかも?と思われた所有者の女性は、魔球なみの変化球を返してきた
後ろ所有者K「 あら、そうなの?前にもその話あったわ。 」
私「 そうと聞いております。なぜ頓挫したかは聞いてはおりませんが、今回は決着をつけたいという
前半分の所有者のSさんから依頼を受けております 」
K「 そうなんですね、でもね、その家の土地の前半分は、私が買いたいんですよ 」
私「 はい?そうなんですか? 」
K 「 当時もね、その要望を伝えたんだけど、〇〇不動産の営業マンが来なくなっちゃって^^」
にわかには信じられない
私「 なぜでしょうね?しかし、私は購入希望のお客様からの依頼が先にありますので、こちらへの売却のお手伝いは
できかねます。私は私の依頼者の為に行動しますので、それは前のSさんに直接交渉してもらえますか? 」
K「 そのつもりよ。あなたには関係のないことだし、昔から私たちは近所同士で旧知の間柄ですから^^ 」
私「 わかりました。私が来るのはこれが最後ですが、売却の意思はないわけですね?では、建物は解体してもらえますか?」
K「 あなた、何を言ってるの?その土地を私が買う事になれば、前の土地も私の土地なのよ?解体するかどうかはこちらの
都合でしょ?^^ 」
私「 勿論、そうですね。しかし、私が質問したのはその購入ができなかった場合の事なんですよ。私は購入希望者の依頼を受けて
既にSさんとは話してあります。Sさんもその方が買ってくれるなら、とおっしゃっていますので、結果的にはそうなると思いますよ。
そりゃあ、私の依頼者よりも、高い水準で購入されるという事であれば話は別ですが 」
徐々にKはベールを脱ぎつつはあったが、ここらへんでとうとう本性を現し始めた
その本性とは・・・
食って掛かる話の仕方である
いや、話の仕方というよりは、「その性格」という方が正しいのかもしれない
先ほどから、徐々に私が話し終わる前に切り込んでは来ていたが、ここに及んでは、私の話のもはや半分程度の
タイミングでかなり強い口調で自分の主張をし始めていた
また、過去に話が破談に終わった理由がこのあたりである事もわかってきた
その土地を自分が買いたいと主張し、売らないのは向こうの都合という口上で、お金のかかる古家の解体を
行わずに済ませてきたのだ
向こうが、承諾さえすれば自分が購入する事になるのだから、「 慌てて解体する理由はない 」という論法である
できるな・・・・・
これはひんまっがとるわ・・・・
K「 あはははは、なんで長い事、賃貸料払ってきたのに、高い値段で買わないといけないのよ!
むしろ他より安くでしょ^^、あなたそれ伝えてきてよ^^ 」
私「 お断りします、先ほども申し上げましたが、私には購入希望の依頼者がいますので 」
K「 今、お願いしたんだから私も依頼者じゃないの 」
私「 もう失礼します。ただ、前だけの取引になってしまうと、こちらの所有地は無価値の土地になります。
この点だけ、重々、ご記憶くださいm(__)m 、後、前半分だけの売買契約になってくると、どうしても建物撤去を
依頼する事になります。応じて頂けなければ、誠に残念ですが法的措置を取らざるを得ませんのでご理解ください。
私の考えでは、面積からして恐らくキャッシュは残りませんが、同時に売却してその費用で他人地の上に建つ古家を
解体する事がベストと思われます。」
私にも依頼者を選ぶ権利がある
しかも、「 話の筋 」 がどう考えてもおかしい
身勝手極まりないKの話を聞くのにうんざりした私は、これから進めていく前半分の買収作業が、いずれ道義的に後ろのKを
追いやる事の無い様に、念を押す事で手配は済ませた
説明したで・・・・あとはそちらの問題やで・・・・
不愉快な思いを重ねた結果、そんな事を考えながら帰路についた
次の日、私は約束通り、Kの話を前半分の所有者であるSさんに聞いたまま伝えた
Sさんも女性である
S「 何をいってるんですか!長い事賃貸料払ってきたって!?もう何年も不払いのままで催促しても
知らぬ存ぜぬじゃないの!だから賃貸契約を二年前に更新させなかったのよ。契約だけしてくれとか
言ってきて、賃貸料は一切払わないくせに(涙涙)こんな身勝手な事言われて本当にくやしい!! 」
私「 そうだったんですか・・・・ちょっとひどいですね 」
S「 契約は更新しないし、シロアリで近所からも苦情が来てるし、建物を解体してくれって何度言っても
その度に食って掛かってきて、上からひどいこと言われて・・・・・(涙涙)
なんと言われても、Kには絶対に売りたくありません!しかも安い値段でですって!
あきれて物も言えないわ(涙涙) 」
聞いている私が、あまりに気の毒になり、言葉に詰まるシーンであった
嗚咽しながら怒り狂うSさんの心境がとてもよく分かり、Kがどのような態度で、どの様にSさんに物を言ったかが
昨日Kに会って不快感を感じまくった私にはとても理解できた
私「 まぁ、当初の話では私のお客さんが購入希望ですから、こちらで進めましょう。Kの出方によっては
解体命令を裁判所からだしてもらう準備も進めていきます。私もだんだん腹がたってきましたよ・・・」
S「 お願いします、母の代ではずっとKの親にもはぐらかされ続けてきて、我が物顔で居すわられ続けてきたんです(涙)」
私「 必ず仕上げましょう、この話 」
実に長くさかのぼる話であった
聞けば、子供の頃は隣でもあった事から、親同士のそんな心境や複雑な事情も知らずに今に至ってきたという
それはKにしても同じであろう
しかし、大人になり、事情も理解した今、どう行動するかは本人の個性である
私的な感情を持ち込むべきではないが、私的には、そもそもの購入依頼者のHさんの為に加えて
Sさんの気持ちを晴らしてやりたい気持ちも否定できなかった
私はその場から司法書士に電話を入れ、解体命令の手順についての打ち合わせの依頼を入れた
聞けばKの一家が、Sさん一家が所有する土地に、最初は小さな小屋を無断で建てたことが事の発端であるという
不法占拠をはじめとし、事の始まりは戦後間もない頃という事であった
そして終戦70年後の今、解決に向けて事態は動き出したのだ
続く・・・・
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