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社長日記

日々の出来事や、感じることなど、思いつくままに・・

新連載 本当にあったいい話 「 第三話 」

2014-11-25 08:18:29 | Weblog

いつもこのブログを見て頂いて有難うございます

 

いや~年末だし、行っとこか!のノリ、じわじわ来てますね~

ちなみに、ワタクシ、12月は週1にゴルフ、既に決定してます(泣)

最終は29日

夜の方は飲みすぎないように注意が必要ですね~

 

まぁ私は実はこっそりと、半分以上は水を飲んでるんですけどね(笑)

 

油断するとあっちゅー間に 痛風 になっちゃますからね

 

 

 

本当にあったいい話 「 第三話 」

 

ポストにメモを投函して、その日に連絡をくれた前半分の土地の所有者さんは

はっきりと売却意思を示してくれた

 

売りにも出ていない不動産を「 売りませんか? 」と聞きに行くと大概はドヤされるのがオチなのだが

滑り出しとしては稀にみる好スタートといえた

しかし、後ろ半分の所有者がすんなりとは頷かない事がこれまでこの土地に廃屋が建っている原因である事は

分かっているし、頷けない理由も理解できた

 

 

(どう持っていくべきかな・・・・・・・・)

 

実の所、私にもこれらを解決していく手段や、説得していく話法はまったく思いつかなかった

 

(まぁとりあえずは、面会やな^^)

 

私は旧知の間柄だという前半分の所有者さんに、後ろ半分の所有者さんの大体の家の場所を聞き

取りあえず訪問する事にした

 

 

ここやな・・・・

 

 

中々の規模のお家の前に車を止め、表札で後ろ半分の所有者さんの名前だと確認できた

 

 

ピンポーン

何のためらいもなくインターホンを押してみた

 

 

返答はない

 

(留守か・・・・・)

 

少しホッとした気がしなかったわけでもない

しかし、この方とは会わない限り、話に何の進展も見られない事はわかりきった事である

 

(でなおそか・・・・・)

 

私は一旦引き上げる事にし、1月の早い夕暮れを待つことにした

 

数時間後・・・

 

 

すぐ近くのコンビニの駐車場に私はいた

すぐに訪問しても良かったのだが、なんせ1月の日暮れは早い

仕事をする身の私にしては、暗闇が進むにつれて遅い時間である感覚が強まっては行くが

実際の所はまだまだ夜とは言えない時間帯であった

 

ナビの時計が19時の表記になった時、私は今日最後の訪問をすることにした

今度は、停車していたコンビニの駐車場に車を止めたままにし、徒歩で5,6分といった後ろ半分の所有者の家まで

歩いていくことにした

 

 

 

なんてことはない

 

 

 

少し緊張していたからである

私の予想では、「 ほっといてください! 」と怒鳴られるであろうという予測だったからだ

後ろ半分の所有者は女性である事を既に聞いていた

男性の場合は、自身も社会に出て仕事をしていたり、どこでどんな場面で出くわすかもわからない以上

訪問者が押し売りのセールスでもない限り、たいていは落ち着いて話を聞いてくれる

断る時も、相手への配慮というものが多少ならずとも感じられる事が多いが、これがいい年の主婦だとそうはいかない

人によっては感情の塊のバズーカーを打ち込んでくる事も多いのだ

 

 

私はしれっと所有者宅に向いて歩いてはいるが、実のところはその数分は、心に防弾チョッキを着け、剣道の面をかぶり

両手にジュラルミン製の盾を装備する心持であった事は言うまでもない

 

 

ピンポーン

 

着いたらすぐにインターホンを押す

これはマイルールである

 

押す前から、玄関の中から漏れる室内の明かりでどなたかが在宅である事はわかっていた

 

 

 

は~い

 

 

意外にも明るい感じの返事が聞こえてきた

中から女性がこちらに向かって歩いてい来るのがシルエットでわかる

 

間違いない、これは所有者さん本人・・・

 

やや心拍数の上がった私ではあったが、無警戒に玄関を開けた女性に挨拶をすませ

訪問の理由を簡潔に述べた

 

1.自己紹介

2.前の所有者は土地を売却したいが、こちらの建物が建っていること

3.前の所有者とこちらとは既に賃貸契約が切れており、建物撤去の義務があること

4.このタイミングで前半分と同時に売却する意思を固めなければ、こちらの土地は死地となってしまう事

5.重ねての訪問、重ねての交渉をする意思が私にはないこと

 

この五点であった

 

特に5番目は、営業の姿勢としては好ましくないのかもしれない

しかし、過去にこちらの抵抗があった事は判明しており、当時の営業マンが説明をできたかどうかは分からないが

私の動きは、本来であれば前半分の所有者の代理であり、建物をどけてくれという要求を行う立場なのだ

4番目の話はもはや親切でしかない

いやなら構わないという気持ちが、そもそも私にはあったのだ

 

 

しかし、ブチ切れるかも?と思われた所有者の女性は、魔球なみの変化球を返してきた

 

 

後ろ所有者K「 あら、そうなの?前にもその話あったわ。 」

 

私「 そうと聞いております。なぜ頓挫したかは聞いてはおりませんが、今回は決着をつけたいという

前半分の所有者のSさんから依頼を受けております 」

 

K「 そうなんですね、でもね、その家の土地の前半分は、私が買いたいんですよ 」

 

私「 はい?そうなんですか? 」

 

K 「 当時もね、その要望を伝えたんだけど、〇〇不動産の営業マンが来なくなっちゃって^^」

 

 

 

にわかには信じられない

 

 

私「 なぜでしょうね?しかし、私は購入希望のお客様からの依頼が先にありますので、こちらへの売却のお手伝いは

できかねます。私は私の依頼者の為に行動しますので、それは前のSさんに直接交渉してもらえますか? 」

 

K「 そのつもりよ。あなたには関係のないことだし、昔から私たちは近所同士で旧知の間柄ですから^^ 」

 

私「 わかりました。私が来るのはこれが最後ですが、売却の意思はないわけですね?では、建物は解体してもらえますか?」

 

K「 あなた、何を言ってるの?その土地を私が買う事になれば、前の土地も私の土地なのよ?解体するかどうかはこちらの

都合でしょ?^^ 」

 

私「 勿論、そうですね。しかし、私が質問したのはその購入ができなかった場合の事なんですよ。私は購入希望者の依頼を受けて

既にSさんとは話してあります。Sさんもその方が買ってくれるなら、とおっしゃっていますので、結果的にはそうなると思いますよ。

そりゃあ、私の依頼者よりも、高い水準で購入されるという事であれば話は別ですが 」

 

徐々にKはベールを脱ぎつつはあったが、ここらへんでとうとう本性を現し始めた

その本性とは・・・

 

 

 

食って掛かる話の仕方である

 

 

いや、話の仕方というよりは、「その性格」という方が正しいのかもしれない

 

先ほどから、徐々に私が話し終わる前に切り込んでは来ていたが、ここに及んでは、私の話のもはや半分程度の

タイミングでかなり強い口調で自分の主張をし始めていた

 

 

また、過去に話が破談に終わった理由がこのあたりである事もわかってきた

 

 

その土地を自分が買いたいと主張し、売らないのは向こうの都合という口上で、お金のかかる古家の解体を

行わずに済ませてきたのだ

向こうが、承諾さえすれば自分が購入する事になるのだから、「 慌てて解体する理由はない 」という論法である

 

 

 

できるな・・・・・

これはひんまっがとるわ・・・・

 

 

 

K「 あはははは、なんで長い事、賃貸料払ってきたのに、高い値段で買わないといけないのよ!

むしろ他より安くでしょ^^、あなたそれ伝えてきてよ^^ 」

 

私「 お断りします、先ほども申し上げましたが、私には購入希望の依頼者がいますので 」

 

K「 今、お願いしたんだから私も依頼者じゃないの 」

 

私「 もう失礼します。ただ、前だけの取引になってしまうと、こちらの所有地は無価値の土地になります。

この点だけ、重々、ご記憶くださいm(__)m 、後、前半分だけの売買契約になってくると、どうしても建物撤去を

依頼する事になります。応じて頂けなければ、誠に残念ですが法的措置を取らざるを得ませんのでご理解ください。

私の考えでは、面積からして恐らくキャッシュは残りませんが、同時に売却してその費用で他人地の上に建つ古家を

解体する事がベストと思われます。」

 

 

私にも依頼者を選ぶ権利がある

しかも、「 話の筋 」 がどう考えてもおかしい

身勝手極まりないKの話を聞くのにうんざりした私は、これから進めていく前半分の買収作業が、いずれ道義的に後ろのKを

追いやる事の無い様に、念を押す事で手配は済ませた

 

 

説明したで・・・・あとはそちらの問題やで・・・・

 

 

不愉快な思いを重ねた結果、そんな事を考えながら帰路についた

 

次の日、私は約束通り、Kの話を前半分の所有者であるSさんに聞いたまま伝えた

Sさんも女性である

 

 

 

 

 

 

 

S「 何をいってるんですか!長い事賃貸料払ってきたって!?もう何年も不払いのままで催促しても

知らぬ存ぜぬじゃないの!だから賃貸契約を二年前に更新させなかったのよ。契約だけしてくれとか

言ってきて、賃貸料は一切払わないくせに(涙涙)こんな身勝手な事言われて本当にくやしい!! 」

 

私「 そうだったんですか・・・・ちょっとひどいですね 」

 

S「 契約は更新しないし、シロアリで近所からも苦情が来てるし、建物を解体してくれって何度言っても

その度に食って掛かってきて、上からひどいこと言われて・・・・・(涙涙)

なんと言われても、Kには絶対に売りたくありません!しかも安い値段でですって!

あきれて物も言えないわ(涙涙) 」

 

 

 

聞いている私が、あまりに気の毒になり、言葉に詰まるシーンであった

 

 

 

嗚咽しながら怒り狂うSさんの心境がとてもよく分かり、Kがどのような態度で、どの様にSさんに物を言ったかが

昨日Kに会って不快感を感じまくった私にはとても理解できた

 

 

私「 まぁ、当初の話では私のお客さんが購入希望ですから、こちらで進めましょう。Kの出方によっては

解体命令を裁判所からだしてもらう準備も進めていきます。私もだんだん腹がたってきましたよ・・・」

 

 

S「 お願いします、母の代ではずっとKの親にもはぐらかされ続けてきて、我が物顔で居すわられ続けてきたんです(涙)」

 

私「 必ず仕上げましょう、この話 」

 

 

実に長くさかのぼる話であった

聞けば、子供の頃は隣でもあった事から、親同士のそんな心境や複雑な事情も知らずに今に至ってきたという

それはKにしても同じであろう

しかし、大人になり、事情も理解した今、どう行動するかは本人の個性である

私的な感情を持ち込むべきではないが、私的には、そもそもの購入依頼者のHさんの為に加えて

Sさんの気持ちを晴らしてやりたい気持ちも否定できなかった

 

私はその場から司法書士に電話を入れ、解体命令の手順についての打ち合わせの依頼を入れた

 

 

 

 

 

聞けばKの一家が、Sさん一家が所有する土地に、最初は小さな小屋を無断で建てたことが事の発端であるという

不法占拠をはじめとし、事の始まりは戦後間もない頃という事であった

 

 

 

 

 

 

 

そして終戦70年後の今、解決に向けて事態は動き出したのだ

 

 

 

 

 

 

 

                                                続く・・・・

 

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新連載 「 本当にあったいい話 」 第二話

2014-11-21 08:31:52 | Weblog

いつもこのブログを見て頂いて有難うございます

11月の残りの仕事、後一週間でやっちゃいます!

物件情報更新が遅れがちではございますが、何卒、お許しくださいませm(__)m

来週より、更新度を上げていきますので!

 

 

「 本当にあったいい話 」

 

  第二話

 

 

(あれ・・・・・これ、前と後ろ、土地の所有者が違うやん・・・・)

 

現場を見た後、私はその土地と空家の所有者を調べる為に法務局へ行き、関連資料を入手した

 

問題の土地には一棟の家が建ってある・・・

しかし、空家が建つ土地の所有者を調べると、間口3mちょいの奥に長いその土地は、前半分が隣の人の所有であり、

後ろ半分が建物の所有者の名義であった

 

 

つまり、この土地の前半分は、建物の所有者が、隣から借りているのである

 

 

(ややこしそうやな・・・・・・)

 

 

この河沿いは、お城に近いこともあってか、戦後は混乱の後に家を失った人々が致し方なく移り住んだり

仮の住居を建てて住みだした事から今日に至っていると聞いている

公図を見ても、中々の区画割であり、実際は家が建っているのに、道に接していない土地もちらほら見受けられた

 

(つまり同時にやらなあかんという事やな・・)

 

今回の場合、前半分の土地は道路に接しているが、後ろは借地である前の土地があるからこそ、道に接しており

建物が建っている

万が一でも、前半分だけを買収してしまえば、後ろの土地は道に接する事が出来ず、二度と建築ができない「再建築不可の土地」

と成り果ててしまうのである。

こうなってしまった場合、後ろの土地は固定資産税だけを払い続けることとなり、売却もできず最終的には市に寄付するでもしなければ

まったく利用価値のない負の財産に変身する事が予想された

 

 

 

 

もし、私が悪徳不動産であった場合、確実に前半分だけを買収するであろう

 

 

 

そうすれば、後ろ半分の所有者からは、「寄付するくらいなら・・・」という値段で買収できる可能性が高くなり

今回の依頼者にもこの話は不調に終わったと話し、前半分だけをこっそり買い取っておけば、将来後ろを「 捨て値 」で

買い取る事によって、全体としては相当安く買いたたく事ができた結果となるのである

 

又、交渉の結果、こちらで買い取って、依頼者に再度購入を持ちかける事もできる

現場の状況から、依頼者は確実にこの土地を必要としている事は一目瞭然であるのだから

 

 

 

しかし、何事にも「 めぐり 」というものがある事を、私はこの仕事を通じてこれまでの人生で見てきた

 

 

一言でいえば 「  ご縁  」であり

 

分かりやすく言えば 「 神様だけは見ている 」という事になる

 

 

悪い行いというか、善悪の判断というものは、お国柄によっても、文化によっても地球という一つの星の中では

様々なとらえ方がある

だからこそ、もし存在するのであれば、唯一の存在であるはずの「 神様とその教えである宗教 」が国や地域によって

違ったり、してはいけない事の種類も様々なのである

 

 

そう考えると、要するに天罰やご褒美を授けるものは、神様という名の、実は目に見えなくて、解明できない

 

 

 

「 因果応報の仕組み 」

 

 

 

という事になる

 

 

自分の行いの結果は、自分の人生にいろんな作用を及ぼすという事である

 

良い事も悪いことも

 

誰かに悪い行いを見られて罰せられるのであればまだ良い

そこには、それはしてはいけない事という「 気付き 」が発生するが

人知れず行う悪行にはそれがない

しかし、本人がそれと分かろうが分かろうまいが、罰は必ず下る事となる

 

 

その罰とは、「 思考回路のゆがみ 」に他ならない

 

人にも知られず、自分でもわからず、いずれは上手くいかなくなる行動を知らずに積み重ねてしまう事の結果

 

立ち行かなくなる

 

それこそが罰であろうと思える

 

 

 

話は戻るが、前半分の土地の所有者が隣であった事もあり、私はとりあえずインターホンを押してみた

ピンポーン

 

 

返答はない

 

 

まずは小手調べである事から、私はメモを書き、登記に記載されている名前と同じ名前の表札があがる建物のポストへ

メモを投函した

 

 

内容は以下の通り

 

・自己紹介

・双方の為と、近隣からの申し出もある事から、この土地を売却する意思はないか?という事

・一枚の土地を分割することになるので、分割の為の費用は買主が負担する意思もあるという事

 

簡潔にまとめたこの三点であった

 

 

 

メモを投函し終えた私は、近くの橋の上でマイルドセブンに火を付けつつ、今後の可能性について考えていた

 

 

(どうやっても、奥の土地の所有者さん、建物の解体ようせんやろなぁ・・・・、8坪ほどしかないもんなぁ

売却しても、道のない8坪の土地売って何百万もの解体費ようださんわな・・・・)

 

 

ところが・・・・・・

 

 

 

その日の夜、登録されていない番号から電話がかかってきた

 

プルルル

 

私「 クリエイト西本です 」

 

wさん「 あのう、私メモを入れて頂いたwと申します。 」

 

私「 あ、突然すみませんでした。 」

 

wさん 「 いえ、有難いです。実は、何年か前に〇〇不動産の方が来られて同じような話があったんですが・・・」

 

 

聞けば私の依頼者が言った通り、何年か前に〇〇不動産の担当者が、問題の土地を購入したい方がいると言って

訪問してきたらしい

しかし、その後、後ろ半分の所有者を訪ねてから再度連絡をしますといったきり、音沙汰がないという

 

 

私「 つまり、後ろの方が問題なわけですね? 」

 

w「 はい、私も売却したいし、賃貸契約もとうの昔に切れているうちの土地に古家を残されてしまっていて

シロアリ被害もでていますし、建物もかなり老朽化してきてますし、苦情をいれたんですが、一向に聞いてくれないんです」

 

という事は、所有者の所在は明らかであり、聞けば子供のころからの知り合いでもあり、本来は旧知の間柄ではあるが

この問題を機に、話し合いが出来ないほどに関係が悪化しているという事になる

 

 

 

(ますますあかんな^^ )

 

私「 わかりました、では一度後ろの方の所へ行ってきます。ご安心ください^^結果だけは報告しますので^^ 」

 

 

 

半ばあきらめの入った私は、前半分の所有者にそう答え、電話をきった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                                  続く

 

 

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新連載 「 本当にあったいい話 」 第一話

2014-11-20 18:19:37 | Weblog

いつもこのブログを見て頂いて有難うございます

やはり早かった11月!

怒涛でした!

 

でもまぁ私的には、おめでたい話もあって、緊張はしましたが、貴重ないい経験もさせてもらえて

平成24年はをふっとばした感が満載です^^

 

いい一年でした!!

 

ってこれから追い込みですけど(笑)

 

さて、既に告知しておりました新連載「 本当にあったいい話 」

スタートします!

 

これ、まじで泣けるシーンが結構ありました

誤解、いさかい、和解、感動・・・

複雑な人間関係が親子代々続く中での土地取引

 

 

 

 

実に縁起のいい仕事でした!

 

 

 

 

では始まり始まり~♪

 

 

新連載「 本当にあったいい話 」

 

第一話

 

年の瀬も迫る頃・・・

連日忘年会の飲み会で、疲れた肝臓が顔色に色濃い影響を与え始めたころ・・・

高校時代の友人から一本の電話が入った

 

 

プルル

 

私「 もしもし、毎度~^^ 」

 

Y「 毎度~^^ 」

 

私「 年末で忙しいやろ?どうしたん? 」

 

Y「 バタバタよ~^^こないだちらっと話した年末ゴルフやけどさ、来れる? 」

 

私「 それ、でも君の中学校のメンバーばっかりやん^^ いいん? 」

 

毎日毎日飲みつかれていた上に、そのゴルフの予定日の前日も飲み会が入っていた私は

消極的だった

しかも、十二月は本当にお金がかかる

 

Y「 実はもうメンバーに入れてるんよ^^ 」

 

私「 笑 ^^ 次の日起きてたら行くわ~ 」

 

Y「 あかんで!ドタキャンは! 」

 

私「 はいよ~ 」

 

まぁ、なんだかんだ言って、昔からなじみもあって、私的にはお気に入りの連中の誘いである

 

 

(まぁええか・・・まさか倒れへんやろ笑)

 

そんな気分で返事をした

 

しかし、当日・・・・・・

 

 

 

 

ガバッ!!!!

 

 

あかん!遅刻や!

 

目を覚ました私は二時間程度しか寝ておらず、しかも急に起きたために心臓もドキドキしていたが

すぐさまゴルフウェアに着替え、ゴルフ場へと車を走らせた

 

 

Y「 来るかどうかメチャ不安になったわ^^ 顔色悪いけど大丈夫?^^」

 

ゴルフ場に着いた頃には既に全員がカートの前に集合し、私が来るのを今か今かと待っていた

 

寝不足と疲労の為、青びょうたんの顔色の私 「 すまん、すまん、さぁいこか!!! 」

 

寒風吹きすさぶ中、他中学校の忘年会ゴルフ的なゴルフはスタートした

 

 

 

 

朝のハーフラウンドが終わり、昼食をとっていた時

顔も知り、会話も何度かしたことがあるが、昔からは知り合いではないメンバーの一人が

私に声をかけてくれた

 

H「 にしもっちゃん、実は不動産の事で相談あるんやけど・・・不動産屋さんやってるんやろ? 」

 

私「 そうそう、やってるよ^^どうしたん? 」

 

H「ちょっと込み入った話なんで、また電話できるかな? 」

 

私「OK~^^ 」

 

ってな具合でこの話は始まった

 

しかしこの時、軽い気持ちで返事をしたその案件が、翌年の一年をかけての大仕事になろうとは

露ほども考えていなかった・・・

 

 

 

年も明けた頃

 

 

一月といえば休みが明けてもなかなか始動しないチキンハートの私は、自分に喝を入れるためにも

年末に、「 年明けに電話するわ^^ 」と軽いタッチで答えておいた年末ゴルフの際の知人に電話をかけた

 

 

私「 あけおめ~^^ 年末の話、なんやったっけ^^ 」

 

H「 ああ~覚えててくれたんやぁ、実は・・・・・・・ 」

 

聞けばH氏は、自らの事業用に所有しているビルの横に、何十年も建っている空家に頭を悩ませているという

こちらの建物を修復修繕したくとも、その空家が壁もひっつきそうな位の近距離で隣接している為

相当な高さから、建物の外壁の一部が落下する可能性もある状態のまま、足場を組めず困っているという

 

私「 なるほど、つまりその横の土地を買収してくれという事やな・・・ 」

 

H「 そうなんよ、二年ほど前に〇〇不動産に依頼したんやけど、なんか、難航してるって話があった後

まったく連絡もなくて、宙ぶらりんなんよ、ほんまに困ってるんよな 」

 

私「 まぁわかった、明日にでも現地を見に行ってみるわ 」

 

 

まぁこの時点で大体の不動産屋さんは及び腰である(笑)

 

ダメな理由があるから難航し、連絡がなくなったという事は、頓挫したわけである

こういった場合、不動産屋が変わったからといって、事態が変わる事は基本的にない(笑)

もし、何らかの理由で解決する事があるとすれば、それは時間の経過と、それによる関係者の周辺環境の変化しかないのだ

 

 

 

 

奇跡的にでも、そこにハマらなければ、基本的になす術はないのだ!

 

 

 

 

 

次の日、私は軽い気持ちで現場へと車を走らせた

 

 

 

 

なるほど

 

 

 

一目で私には〇〇不動産が手を引いた理由が読めた

 

 

見れば古い家が建つその土地は、間口が3mちょい、奥行きが長く、後ろには県が管理する相当な規模の河があった

 

 

(アハハ^^こりゃ手引くわな^^面積にしても20坪もないし、難航する理由を乗り越えてまでやっても収入にならんわな^^)

(しかも後ろ、河やん^^これ解体すんのめっちゃお金かかるな^^)

 

 

現場を見て難航する理由も読めた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

土地面積が狭すぎるのである

 

 

 

 

 

つまり、建物の規模と、建て方からして、解体工事に相当な費用が掛かる事が一目瞭然であり、しかも土地の面積からして

所有者はその土地を売却しても、解体費が捻出できないのだ!!

 

 

絶対売らんわな^^土地売っても赤字やん^^

 

 

 

 

 

 

 

だめだこりゃ^^

 

 

 

私はひとまず、現場を離れ、依頼主のHに電話をかけた

 

私「 もしもし、現場見たよ^^ キッツイ話やな 」

 

H「 やろ~、横の建物、もう傾き始めてるし・・・こっちの建物も修繕しなあかんし。どうしよう 」

 

私「 まぁ、登記と公図調べて対策練るわ^^ めっちゃ難しいと思うけど^^ 」

 

 

 

〇〇不動産と同じく、苦労してやるには、あまりに報酬額も小さくなることが予想され

(この話は最初の段階で、所有者の意見を聞いた段階で 終了 やろな・・・)

 

 

正直な所、そんな気持ちがなくもなかった

 

 

しかし、この話はその後、私がこの仕事をやっていて本当に良かったと思える仕事となる

なぜなら・・・・

 

 

心の底からの ありがとう を聞く事ができたからだ

 

 

 

巷に氾濫する「 ありがとう 」という言葉は、その重みも意味合いも大小様々である

しかし、私はこれほど心に響いた「 ありがとう 」を聞いたことがない

 

 

 

 

 

 

それほど ビジネスと感謝 とは結びつきが難しいのだ

 

 

 

その「 ありがとう 」 は、これまでに依頼をこなし、無事に成約まで案内した今までの案件でも言われた事のある

「ありがとう」 では決してなかった!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                                 続く・・・・・

 

 

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新連載 「 権利と義務 」 第十一話

2014-11-06 17:59:06 | Weblog

いつもこのブログを見て頂いて有難うございます

 

なんか分からないんですけど、年の瀬も迫る今、様々な用件に追われております^^

まぁ、暇よりは忙しい方が僕は好きなんで苦にはならないですが

さて、本日も新連載、書いていきます

 

 

 

新連載 「権利と義務 」

 

第11話

 

 

私 「 コレ、ありですよね?^^ 」

 

職員A「 これ行けるんじゃないですかね・・・・・・」

 

職員B「 しかし・・・・・ 」

 

私の提案は以下の通り

 

・背中合わせの土地の壁際の20センチ幅を縦に分筆(別地番に登記)する

・背中合わせの土地の南側の道路に入っている和歌山市の水道管から、分筆したその土地に水道管を引き込む

・水道管の為だけに出来上がった土地から更に、Vの同意が得られない土地に水道管を引き込む

・家を建てる人の為に、水道管の為だけに仕上がった土地に通水を将来にわたって担保する為の地役権をうつ

・水道メーターは、Vの同意が得られない土地ではなく

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

水道管の為だけに仕上がった幅20センチの別土地に設置する

 

 

私の中では行ける確信があった

見た目にも、地番にしろ、一体ではない土地となるのである

 

 

 

 

 

 

 

 

便宜上ではあるが、一つの土地に二つの管が入るわけではない

 

 

メーターの位置が別の土地なのだから

 

 

 

職員A「 これOkじゃないですかね? 」

 

職員B「 行けそうに思えるけどなぁ・・・・でも、メーターが外でも、水道管が二つ入る事には違いないけどなぁ・・・」

 

私「 水道管が二つ入る事になるんですかね? 」

 

職員B 「 実際に、今は一つ引き込んでるわけでしょう・・・ 、メーターが外だとしても反対側からもう一本入るんですよね・・」

 

私「 同意がなければメーター設置の許可は下りず、その水道管は使用できないんですよね?^^」

 

職員B「 それは間違いありません 」

 

私「 仮に反対側から引き込んで今回メーターを設置した場合、後にVさんがOKを出してくれたら二つ目のメーター設置の許可は

降りるんですか?^^」

 

職員B「 今回のご相談と同じことになりますんで、既に一本引き込んでメーターを設置してたら許可は下りませんね 」

 

私「 では一本じゃないですか^^? 」

 

職員B「 そうなりますね・・・・ 」

 

私「 絶対に許可は下りないんですよね? 」

 

職員B 「 おりません・・・ 」

 

私「 では水道管は一本ですよね? 」

 

職員B「 しかしなぁ・・・ 」

 

私「 今引き込んでいるのが水道管という概念が間違ってませんかね? 」

 

職員B「 と言いますと・・・? 」

 

私「 これはVが、当時Tさんの許可を得て、道路とまたがって埋設したVの単なる所有物ですよ 」

 

私「 通水してくれるなという事なんですから^^ 」

 

私「 もっと言えば、今も通水していませんし、先に反対側から引き込めば、この管へのメーター設置は絶対許可が下りない

とおっしゃいましたよね^^ 」

 

職員B「 おりません 」

 

私「 じゃあただのV所有の管ですよね、水道管ではなくて」

 

職員B「 ・・・・・・・一応、中で会議だけは行いますんで、数日いただけますか? 」

 

私「 いいですよ^^ 」

 

 

二人の職員の反応を見て、心の中で小さくガッツポーズをした私は、役所のエレベーターの〇の中に▼と書かれたボタンを押した

 

 

 

 

 

プルルルル

 

水道業者Y 「はい、もしもし 」

 

私「 アーこないだの件ですけどね、見積もり出してください 」

 

水道業者Y 「 了解しました、あさってでもいいですか? 」

 

私 「 いいですよ^^ 」

 

 

私は許可を待たず、業者に本格的なGOを出した

しかし、業者が役所での調査を怠り、裏ではすったもんだがあった事は話さなかった

 

 

 

 

「 足を運んで調査をする 」

「 とりあえずたずねる  」

 

 

この単純作業の繰り返しが知識の蓄積につながる事は間違いない

特に、トラブルがあった時こそ、それに対する様々な選択肢や対処した結果等が知識となり、将来の大きなチョンボを防ぐ

布石となる

 

 

 

何もなければ楽に終わり、なんてなしに書類作成だけで数十万円の報酬を得ると思われることもある不動産仲介業だが

何もなければその仲介業務はむしろ100点なのだ

 

 

 

 

 

大した事とは思えなくとも、少しでも違和感を感じた事は気に掛けてこだわる

これは自身のキャリアアップの為には欠かしてはならない事の様に思える今日この頃である

 

 

 

 

次の日・・・

 

 

 

この件はおおかた済んだな・・・

 

 

少し心のつっかえが取れた私はいつもの様にマイルドセブンを片手に缶コーヒーを飲んでいた

Tさんの屈託ない笑顔や、何とも言えない表情で権利を主張する時のV、腕を組んで図面を見つめる役所の職員たち

短期間ではあったが、様々な想いが去来していた

 

 

 

 

数日後の朝一番・・・・見積もりが届いたのは、既に役所よりOkの連絡がきた後であった

やはりマイルドセブンを片手に私は一人でつぶやいた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ちょっと高いなぁ・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

権利と義務     完

 

 

 

( ご愛読ありがとうございましたm(__)m )

 

 

つたない文章と分かりにくい表現のこの連載を見て頂き、FBにも多数コメントを頂き、ありがとうございました

見てくれている人がいるんだなぁという気持ちがあるからこそ、書き続けられた様な気が毎回しますm(__)m

今後も頑張って書いていきたいと思います!

 

実は、次回連載予定は既に決めてあります^^

個人名や企業名は絶対にわからない様に書きますが、一応、登場する事となる方に許可が得られればですが^^

 

 

次回はトラブルではなく・・・

不動産取引現場で私が経験した  「 本当にあったいい話 」を連載したいと考えております^^

乞うご期待♪

 

 

 

 

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新連載 「 権利と義務 」 第十話

2014-11-04 08:28:40 | Weblog

いつもこのブログを見て頂いて有難うございます

 

朝晩、寒くなりましたね

本日11時、12時のご案内までにブログ書いちゃいます♪

 

新連載 「 権利と義務 」 

 

第十話

 

水道管というものは、単体では存在しない

必ず、供給元から国道の地下等の本管を経由し、更に分譲地内などの中の私設管につながり

そこから枝分かれして各住宅に引き込まれている

 

国道や県道など、国や県や市が所有する道路の地下に埋設してある水道管は、基本的には

所有者は市町村である

和歌山であれば、それは和歌山市所有の水道管となる

 

しかし、和歌山市においては、分譲地内の道路はその多くが分譲業者の所有権のまま残されており

そこに新たに埋設される水道管も、基本的には分譲業者の所有となる

それら全てを市が引き取って市の所有としてくれれば良いのだが、予算の関係もあり、今、過去よりの

分譲地内にある水道管は、その多くが開発分譲業者の所有権のままなのである

 

 

今回もまさにそう

 

 

新たに分譲し、別の業者が商いをする為にどこかの業者が所有する水道管に接続するというのであれば

それは、先に埋設した業者の恩恵によるものであるのだから、金銭的負担があってしかるべきだとは思えるが

今回の様に、自らが開発した中の区画であり、更に既に引き込んでいる水道管を多額の金銭的価値の不動産と

引き換えでなければ使用させない等とは、断じて許すことのできない不正な利権である

社会正義的にも許せない

 

 

しかし、市は「 残念ながら・・・」という回答なのであった

 

 

私「 維持とメンテナンスですか? 」

 

職員B「 ええ、西本さんのおっしゃる事はその通りだと思うのですが、市としては、水道管に対する責任の所在が明確で

その管に故障があった時は、その方に直してもらうというのが原則なんです」

 

私「 しかし、所有権はVである事は明確ですよね? 」

 

職員「 ええ、だからこそ、メーター設置の際はそのVさんの使用同意の印鑑がいるんです 」

 

私「 既に引き込んでいるんですよ? 」

 

職員「 その場合でも、現行ルールでは印鑑がいりますm(__)m 」

 

私「 現行ルールを見直すべきではないですか? こんな事があちこちで起こったら、水道管を埋めた業者は天下人ですよ

他の建築業者が建築する際にいくらでも嫌がらせができるじゃないですか?

たとえ先に調べて裏をとってあっても時にはどんでん返しができますよね 」

 

職員「 まあそうなりますね・・・・ 」

 

私「 そんなことをしていれば、その業者の分譲地は評判も悪くなって売れなくなるでしょうから、現実的ではないかもしれないですがね」

 

職員「 すみません、お話は理解できるのですが今は管の所有者が管のメンテナンスと維持の義務を負う以上、ルールは変更できません」

 

私「 むぅ・・・困りましたねぇ・・・  」

 

 

と唸ってはみたものの・・・・・私的には実はこのやり取りは

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

長い長い伏線であった!

 

 

 

 

 

 

そうなる事はわかっていたのだ

私がそう考える理由は正に冒頭の記述の内容による事と

 

 

 

 

 

 

 

 

六法全書に書かれた事例であった

 

 

 

 

 

 

私の訪問の目的はただ一つ

既に引き込んでいる管なのに使用できないであろう現行ルールの矛盾を突くことで

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一つの敷地に二つ目の管を引き込む事だったのだ!

 

 

その為には、市の職員自身に現行ルールの矛盾とそれが及ぼす悪影響を認知してもらい

こちらの話を前向きに聞いてもらう土俵を作らなければならなかった

 

 

 

 

 

(頃合いやな・・・・^^)

 

 

私「 わかりましたよ^^仕方ありませんね・・・ 」

 

職員「 すみませんm(__)m 」

 

私「 これ、土地の所有者さん、困りますね 」

 

職員「 そうですよねぇ・・・ 」

 

私「市街化調整区域でもないですし、市街化を促進できませんね・・・・? 」

※市街化区域 → 都市計画上、今後十年間市街化を促進していく地域

※市街化調整区域 → 都市計画上、今後十年間市街化を促進しない地域(農村部などに多い)

 

職員「 ええ・・・・・ 」

 

私「 Tさんは未来永劫この土地を売る事ができませんし、何百万の損害ですよ・・ 」

 

職員「 う~ん・・・・・何か方法があれば・・・・」

 

 

 

  来た ^^ 

 

 

 

私「 そこでね、一つ提案があるんですよ・・・・・ 」

 

職員「 はぁ・・・・? 」

 

私「 実はね、この土地の背中合わせの土地もTさんの土地でして」

 

職員「 はい・・・・・・ おっしゃってましたね・・・」

 

私「 そこから引き込もうと思うんですよ^^ 」

 

職員 「 いや、それはこの間、説明しましたが・・・・」

 

私 「 ええわかってます^^ 」

 

職員「 では? 」

 

私「 この背中合わせの土地の西の端から20センチまでを、こちらの敷地の境界まで分筆してですね。」

 

職員「 はい・・・・ 」

 

ペンをとって私が描く簡易の図面を職員二人がの食い入るように覗き込む

 

私「 ここから引きこみます 」

 

職員「 いや、ですから! 」

 

声を上げようとした職員を左手で制止し

 

私は絵図面の一か所に大きめの丸を一つ描いた

 

 

 

ここにですね・・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

なるほど・・・・

 

 

 

この時、職員の一人の目が見開いたのを私は見逃さなかった!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                  続く・・・・・

 

 

 

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新連載 「 権利と義務 」 第九話

2014-10-30 17:52:58 | Weblog

いつもこのブログを見て頂いて有難うございます

 

昨日はお誕生日会を開いていただきましてm(__)m

いや~楽しかったですね

この年になって、昔馴染みの友人たちとワイワイやりつつ

仕事の話もしたり、ほんとにいい刺激を受けます

出遅れ感のある私ですが、追いつけ追い越せで頑張っていきたいと思います

 

 

新連載 「 権利と義務 」

 

   第九話

 

これは困った・・・・

役所と話した次の日、マイルドセブンを片手に私は深く悩んでいた

 

 

 

「 一つの敷地には一つしか給水管を引き込むことはできない 」

 

 

 

一戸建てと言えば、マンションなどとは違い、単独で自由な生活をしているかの様な錯覚を起こすかもしれない

しかし、実態は逆である

 

一戸建てとは言え、敷地の所有権があるとは言え

どの住宅地にも自治会なるものが存在し、隣の家というものが存在し

それぞれが、付近住民の生活も考慮する機会というものは、マンションなどに比べて一戸建ての方が

はるかに多いのである

 

 

 

 

これを公共性という

 

 

 

 

一つの敷地に一つの給水管しか引き込めない事も、やはり他家庭の生活事情に悪影響を及ぼさぬ様

手配された公共性の一環なのである

 

 

そう思うと、何か裏ワザ的な事を模索する事はとてもナンセンスな事と思われ、行動を起こす気にもなれず

八方ふさがりの感をぬぐえないでいた

 

 

「 どうしようかな・・・って言ってもあかんなこれ・・・ 」

 

 

役所の回答は「 即答できません 」 だが、今までの経験上、難しいという印象を感じさせる役所の反応が、

どんでん返しで「 いいですよ、何とかなります 」となった事はない

答えを待つよりも、次の手を考えることの方がはるかに建設的だと思われた

 

 

考えれば考えるほど、Vの身勝手さには腹が立つ

 

確かに、彼には所有者としての 権利  がある

しかし、同時に、Vには、水道管の様な公共物の所有者として、または既に何軒か販売をしている立場として

この分譲地の公共性を保つ 義務 というものがあるはずなのだ

にも拘らず、Vは自身の持つ権利のみに執着し、完全に私欲を満たす道具として利用するだけであり

義務を放棄している事の矛盾に目をふさいでいる

ここで強く言いたいのは、Vは給水管をTさんの土地に既に引き込んでいるのである

一つの敷地に一つの給水管しか引き込めない原則がある以上、この管を使用できなければ

この土地は家が建てられないのである

 

 

 

これではVは家賃を払わない占有者なのである

 

 

 

「 ここら辺しか攻め口はないな・・・・・ 」

 

 

 

私はとりあえず考えをまとめ、カタカタと文章を打ち始めた

 

 

「 これでいこか・・・これあかんかったら裁判やな・・・・・」

 

 

その土地を購入して家を建てる人の事を思うと、少しのトラブルもなく不動産取引をまとめる事が使命なのだが

今回は契約が破談になったとしても、この件だけは決着をつけなければならないと思った

 

 

文章をプリントアウトした私は、それを手にすぐさま役所へと向かった

 

 

「 こんちわ~^^ 」

 

役所職員「 あ、昨日の・・・まだ答え出てないんですよ・・・・ 」

 

「 でしょうね、でもね、ちょっと主張を変えたく思いまして 」

 

役所職員 「 はぁ・・・・ 」

 

私は文章を手渡し、口頭での説明を加えた

内容としては、引き込んでいない給水管を引き込む為に同意の印鑑を求めるのであれば

理解できるが、既に引き込んでいる管の使用についても、同様に扱うのはおかしいのではないか?

という主張が初めであった

 

 

「 引き込む時に、管の所有者は土地の所有者の同意を得てるんですよ? 」

 

役所職員 「 おっしゃる通りです・・・ 」

 

「 先に引き込んでいいよと同意した土地の所有者が、じゃあ引き込んだ管を使用させてくださいなんておかしくありませんか?」

 

役所職員 「 はい 」

 

「 その時にVとTさんの賃貸契約の有無を確認しましたか? 」

 

役所職員 「 いえ、あれから当時の書類を確認しましたが、一般的な流れで行った事以外は何もありません 」

 

「 ではVは、その土地を自らの為に何かしらの使用目的があって給水管を引き込んだわけではないのは明白ですね? 」

 

役所職員「 ? どういう意味ですか ? 」

 

「 分譲用地として、この土地を販売する予定でVは給水管を引き込んだと判断し、こちらも許可してるんですよね? 」

 

役所職員 「 通常はそう判断しますね 」

 

「 土地の所有者はTさんですよね ? 」

 

役所職員 「はい ・・・ 」

 

「 他人の土地にVが給水管を引き込む事をなぜ許可したんですか? 」

 

役所職員 「 それは土地所有者の同意があったからです 」

 

「 その時点でTさんの使用権原は確定してませんかね? 」

 

役所職員 「 う~ん・・・・・・ちょ、ちょっと待ってください・・・ 」

 

職員は、部屋の奥へと歩いていき、こちら側向きに机がある年配の方に何やら話している

数分後、二人は私の方へ向かって歩いてきた

 

職員B 「 お話は大体わかりました 」

 

「 ではVの同意なくしてメーター設置をしてもらえますか? 」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

職員B 「 残念ながらそれはできません 」

 

 

 

 

 

 

即答であった

 

「 なぜですか? 」

 

職員B「 お話の主旨はその通りだと思います、しかし、我々が問題とする理由は別にあるんです 」

 

「 それは何なんですか? 」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

職員B 「 それは、本管の維持とメンテナンスについてなんです」

 

 

 

 

                                       続く・・・・・

 

 

 

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新連載 「 権利と義務 」 第八話

2014-10-27 18:31:28 | Weblog

いつもこのブログを見て頂いて有難うございます

あと数日で11月

 

はやい!

 

さ~て今年の仕事のラストスパート!

 

いっちゃいますよ~♪

 

既に手掛け始めている数件、意地でも決めちゃいます♪

 

 

 

新連載 「 権利と義務 」

 

  第八話

 

 

実は急きょVの家を訪ねることになった前の日

私は最悪の事態を想定し、一つの計画をたててあった

 

今、問題となっている土地は北向きの45坪

実はこの土地には、背中合わせで50坪の南向きの土地がひっついていた

所有者は同じくTさんである

 

私の立てた計画は以下の通り

 

背中合わせでひっついている南向きの土地の一部(幅20センチ)を間口からこちらの物件まで

分割し別地番とする

そして分割したその土地に、南側の公道から水道管を新しく埋設し、こちらの物件まで引っ張ってくる

というものだった

 

Tさんの立場にしてみれば、売地である南側の土地の一部(2坪)くらいが減少するというデメリットがあり

さらに分割の費用がかかる

だが、分割の費用については無償でできる事情があった為、ここに費用は係らない

しかし、新たに水道業者に依頼し、水道管を埋設する工事代金はかかる

 

これについては、Vの反応を見て、最終的な提案として用意していたのだが、意外にもその日はすぐに来た

Tさんの決意は固く、無駄なお金がかかりますよ、という私の言葉は、もはや何の説得力もなかった

 

 

 

 

 

 

問題は許認可である

 

 

 

 

一つの敷地に水道管が二つ引き込まれる事について、市がなんと回答するかが私には読めなかった

しかし、先ほどの電話では、水道業者は既に役所の許可も取ってありますと言う

経験上の話だが、先の予定で市や県の許認可を要する工程がある事が判明している時

本来であれば、後に建築工事を行う建築業者経由で調べておけばいい世界と言えばそうなのだが

絶対に、自ら足を運び、事前に調べておいた方が良い

 

聞き方ひとつで許可が下りる事であっても、最初の聞き方に問題があり、つまづきを起こした場合

後に大きな影響を及ぼすこともある

又、建築関係者は経験で話す事も多く、忙しい時などは現場を見に行かずとも、「それくらいは大丈夫」

と回答をよこす事も多々ある

私は過去に、自らが分からない分野をプロ任せにして煮え湯を飲む結果となった事が何度かある

その時に想定外の事が起こっても、「 すみません、こういう事だとは思わなかったんで 」と謝る相手を

責めても何も解決しないのだ

いずれ責任はすべて自分に返って来る事になる

 

 

次の日、私は市役所を訪れ、水道業者の返答の裏を取る事にした

 

 

市「 あ~、その件ね、昨日問い合わせありましたよ^^いや、別にいいですよ、どこから引き込んでも 」

 

私「 そうですか、業者もそう言ってましたんで安心です 」

 

市「 でも何で接道している所から引き込まないんですか^^? 」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おや?

 

 

 

 

 

 

何とも言えない違和感である

 

私「 これは既に接道している道から引き込まれているんですよ。でも管の所有者が使用の同意の印を

くれないんですわ」

 

 

職員「 なるほど・・・この間、来られてた方ですよね?今ある水道管の所有者さんの同意はもらえないんですか? 」

 

私「 いや、まだ会ってみないと分からないんですけどね、どうも同意を取れない気がするんですよ・・業者が言ってませんでしたか?」

 

職員「 え!既に引き込まれているんですか?業者さんは反対側の距離がある所から引き込むけれども、使用量の確認の際に

前面道路から距離がある方から引き込む事が問題じゃないのか?という質問でしたよ?」

 

私「 人が通れる通路幅があればそんなの問題ないでしょう、私が聞きたいのは一つの敷地に二つ管が引き込まれる事ですよ」

 

職員「 ・・・・・・制度上はダメですね・・・・・・ 」

 

 

 

 

 

 

 

 

でた

 

 

 

 

 

 

 

私「 では許可は下りないんですね? 」

 

職員「 ・・・・・・・・・今は即答できません 」

 

 

 

そう、原則的に、一つの敷地に引き込んでよい公営水道の管の数は一つなのである

あくまで一本の管を引き込み、敷地内で分岐する事によって水道栓が複数地上に顔を出しているのである

 

 

 

これは、水道管を無秩序に複数を一つの敷地に各家庭が引き込むと水圧が下がってしまい

複数の家が一本の本管を使用している場合等、奥に行けば行くほど、水が十分に届かなくなる可能性がある事を

防ぐ為なのである

たとえ一本しか引き込んでいない場合等でも、昭和の古い分譲地等は、奥に何十年と売れ残っていた土地に建築を

しようとした時に、本管の水圧が足らない事を理由に許可が下りず、新たに引き直す事を求められる事もあり得るのだ

 

 

 

 

「 なるほど・・・・・話し合いが必要ですね・・・・ 」

 

 

やはり簡単ではなかったのだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                                続く・・・・・

 

 

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新連載 「 権利と義務 」 第七話

2014-10-25 09:20:45 | Weblog

いつもこのブログを見て頂いてありがとうございます

 

パソコンってやつは急に壊れやがるんですよ

 

予兆はありましたんでね・・・

 

前もって準備を進めておりましたが、いろんな設定でまぁ手間取ってます

 

VISTAに変更したときはですね

 

頭を悩ませたのは スキャン機能

 

クリップオーガナイザでスキャンする所に至るまでに結構調べました

 

今回もやはりスキャン

 

JTRIMで解決しました^^

 

なんかね、前のパソコンの設定を丸ごと保存して、このボタン押したら全て一発OKってな

 

具合になりませんかね(笑)

 

 

新連載 「 権利と義務 」 

   第七話 

 

 

Tさん 「 条件ってなんや?なんで条件なんか出されなあかんのや 」

 

V 「 弁護士から請求来ても、わしも払えんもんは払えんし、ここの分譲地の事もあきらめられへん 」

 

Tさん 「 もうええ、西本さん、帰ろう 」

 

私 「 まぁまぁ、聞いてからでもいいじゃないですか。どっかで落としどころ作らないと、来た意味もないですし^^ 」

 

 

Vはまさにこのタイミングの為に今までふてぶてしい態度を取っていたに違いなかった

散々もったいぶった挙句、条件を提示してTさんに飲ませようとしていたのだ

 

 

しかし、Vの口から出た言葉はおよそ信じられないものであった

 

V「 条件の一つは、この分譲地の中にある他区画の一つをわしに譲ってほしい」

 

私「 まさか無償でですか?」

 

V「 そうや、あの区画は売り方が悪くて間口も狭くて家も建たん。別にええやろ 」

 

ふとTさんの方を見ると、心なしかメガネが曇り始めている

 

 

怒りで体温が上がったのだ!

 

私 「 ありえませんね。他にもあるんですか? 」

 

V「 Tさんの所有権になってる分譲地内の道路部分(道路の一部はTさんの所有権であった)の

所有権をわしに移転してほしいんや 」

 

私「 あははは・・・あはははは・・・・・・」

 

ふと気づけば、私は笑い出していた

恐ろしい程に他人への気遣いができないVが、もはや笑いの対象にしか見えなくなってきたのだ

トンデモナイ事を、ちらちらとこちらの顔色を窺いながら話すVは、とても滑稽に見えた

 

Tさん 「 自分で何言ってるかわかってるんか・・・そんなことを言える立場じゃないやろ・・・

対等以上の物言いやないか、わしはあんたに貸しはあっても借りはひとつもないんやぞ」

 

Vさん「 それとこれとは別や・・・」

 

私にはとても別にして良い話には思えなかった

 

私 「Vさん、そこまで言ったら失礼ですよ。言うだけで失礼の域ですよ。なんで既にTさんの敷地に

引き込みまでしてある水道管の使用許可の印鑑をもらうのに土地をプレゼントしなきゃいけないんですか?

交換の対価がバランスとれてませんよ。あなたも分譲をしたことがあるなら、印鑑を押す際の金銭相場も

知らない事もないでしょう。それもですよ、利害関係のない第三者がある日突然水道管に接続させてくれ

って言った来たならまだしも、その場合でも、お金を取る人や会社は今は見かけませんよ?

その上、工事はVさんがやったのか知りませんが、その費用の大半はTさんから出ているんでしょう? 」

 

V「 ただ出してもらったわけじゃない、借りたんや、だからわしの所有物や 」

 

Tさん 「 借りたって・・・一銭も返してへんやないか!十年以上も前の話やぞ! 」

 

V「 そこでや、わしの所有物じゃないって言うんなら、さっきまでの条件に加えて、今までの借金を

チャラにしてほしいんや 」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私「 あはははははははははは、あはははははははは 

 

 

 

 

 

 

もはや私は心の底から笑ってしまったような気がする

決して私が貸したお金ではない

 

しかし、こんな人物はとても許せなかった

 

ましてや、家などの人の幸せに直結する財産を扱う人間としては、その存在すら許しがたい

 

 

Tさん「 ・・・・・・ようもそんな事言うたな・・・・考えられへん・・・・・お金借りに来たときは、涙まで流して

夜中まで頼みこみ続けたあんたが、その言い様はなんや・・・・・  」

 

私「 もういいでしょう・・・Vさん分かりました。この話はこれまでです。では、失礼しますね 」

 

V「 わしの許可がなければ、建築はでけへん筈や・・・・  」

 

私「 僕も次の案が無くここに来ている訳ではありません^^金銭の貸し借りの事は私は口を挟みませんが

あなたの人間性はよく分かりましたよ^^あなたの最大のピンチをこれまでに救ってくれた方を今日、今

失ったんですよVさんは。私は粛々と作業を進めます。」

 

怪訝そうな表情のVを立ち上がった私は見下ろしていた

 

私「 あ、そうそう、今引き込んでいる水道管ですけどね・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

撤去してくださいね^^ あなたの費用と責任で^^

 

 

 

他人の土地に放置の状態となっていますから^^ 」

 

 

撤去するだけでも道路を掘り起こしたりと、費用はかかる

 

「 撤去しなければ、役所と裁判所から撤去命令だしてもらいますから^^

それと撤去時の掘削の同意の印鑑も、改めて所有者のTさんに取りに来てくださいね^^ 」

 

 

私とTさんはVの家をでた

 

私「 Tさん、さっき私が話した次の案でいいですかね? 」

 

Tさん「 西本さんに任せますわ、わしにも意地があるしな、必ずここに家建てて黙らしたる 」

 

 

 

プルルルル

 

Y「 もしもし、毎度です^^ 」

 

私「 あ~西本です。予定通りですわ、準備かかってください 」

 

Y「 OKです。役所のOKももう取ってますんで^^ 」

 

私「 よろしくです^^ 」

 

 

あらかじめ準備してあったネクストプランにスタートをかけた

 

 

 

 

 

 

                                           続く・・・・

 

 

 

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新連載 「 権利と義務 」 第六話

2014-10-18 11:06:21 | Weblog

いつもこのブログを見て頂いて有難うございます

 

最近ですね・・

時折、街で言われるんですけど・・・・・

 

FBでお見かけします^^

 

 

 

 

 

 

あかんあかん^^

一般公開って怖いですね~

ゴルフと夜の飲み会中心のワタクシのFB

 

終わってます 笑笑

 

という訳で・・・・

ブログを広く見てほしいなぁなんて思って一般公開にしていましたが

この連載の終了を期に・・・

友達公開に変更する事にしましたーーって

これ普通の事なのかも・・・

 

ふ~

 

知らない人に言われるとドキッとしちゃうんですよね^^

 

 

 

新連載 「 権利と義務 」

 

  第六話

 

 

「 Tさん・・・残念ながらVさんの見解はこういう事です・・・ 」

 

私はTさんとは、仕事で知り合ってから、かれこれ10年のお付き合いである

その間、この人が憤慨したのを見た事はない

実に、この時が初めてであった・・・

 

Tさん「 西本さん、これなんや!借りたお金で事業やっといて、わたしの物っていう言い方ないやろ!

全く関係のない第三者に対して言うならわかるけど、わし、お金貸してる張本人やで! 」

 

「 Tさん、Vさんはそういう人なんですよ、だから事業が行きづまるんじゃないでしょうかね・・・

人との縁を軽く見過ぎてますよ・・・ 」

 

余談になるが・・・

運命と言う過去の自分の選択肢の積み重ねは、普段、自分たちが考えているよりも

割と顕著に短期間で影響がでると私は思う

 

他人とのやりとりや、関わり方に全く注意を払わず、自分のオンステージを押しつけるタイプの人と

その人との関わり方や、少なからずのリスペクトを持ち続けて他人との付き合いを重ねる人

 

 

 

両者の周辺環境の違いは、場合によっては1年足らずでドラスティックに変わる

 

 

何かで読んで感銘を受けた事がある文章の抜粋だが

 

「 人間は失ったものを追いかけるべきではない

 最後に残ったものが自分にとっての本当の宝物だから 」

 

という文章がある

その通りだと思うし、前を向いて生きて行く上で、覚えておきたい言葉ではあるが

無作為に、無神経に過ごした結果、残ったものを大切にしても仕方が無い

何を残したいのか?という事を意識して過ごした結果、失ったものは追いかけず

残ったものを守ればいいと思う

 

私は他人に教訓を垂れてよい程の人間ではないので、これは自分自身の考え方と言う風に

捉えて頂きたい

 

 

本題に戻るが、Vさんのこれまでの生き様は、Tさんとは正に真逆で・・・・

色んなものをロストしては、新しい何か(協力者)を求めると言う風に私の目には映った

 

Tさん「 西本さん、あんたはもう直接会うのやめた方が・・って言ってくれたけど、わし、腹くくったわ」

 

「 どういう事ですか??」

 

Tさん 「 今からVの家に行く 」

 

「 駄目ですよ。今は腹が立っているでしょう?冷静な判断を失うと、一言の挙げ足を取られて

こじれちゃいますよ」

 

Tさん「 西本さん、大丈夫や。Vもここまで人でなしの行為をするからには相当困ってるんやろう・・ 

そんな相手にわしは大きな声だしたりする気も無いし、わしの顔見て何か話しを聞いてほしいんかも知れん」

 

「 私はそうは思いませんが、話があるとすれば、お金の話になると思いますよ」

 

Tさん「 当然、もう協力はせんけども、そやけど、この件は会った上ではっきりさせなあかん。

わしも、Vがわしと会った上でまだ今回の件でゴネる様やったら、今までの借金も返せって言うわ 。

西本さん、その時は弁護士入れてやりますさかい・・ 」

 

「 そこまで決められたんですか・・・わかりました。では、私が同行する事を許して頂けますか? 」

 

Tさん「 勿論、第三者の目と耳は必ず必要や 」

 

 

 

そんなやりとりを経て、私とTさんはVの自宅に車を走らせた

 

 

家の前に立った私たちの目に、Vの自宅のガラスサッシの向こうに、家の中を歩くVの姿が映った

 

ピンポーン

インターホンが鳴ったと同時にVがこちらの方を見た

Tさんの姿を認めて、Vは一瞬不愉快そうな表情をした

 

数十秒後

 

V 「 はい・・何か? 」

 

不機嫌そうな表情を作りつつ、Vは玄関ドアを開けて自ら家の外に出て来た

 

Tさん 「 何かじゃ無いやろ!用件わかっとるやろ 」

 

まあまあと予想通り小爆発を起こしかけたTさんを制止し、私はVに声をかけた

 

「 Vさん、先日の手紙のやり取りの件でお伺いしました。今日、一時間ほどお時間を頂けませんか? 」

 

しばしの沈黙の後、Vは観念したように

 

「 まぁどうぞ・・ 」と言った

 

この件の天王山はまさにであった

 

 

昔風ではあるが、動物のはく製などが飾られ、今は使用されてはいないであろう暖炉がある

リビングに通された私とTさんは、指さされたソファに腰掛けた

 

Tさん「 Vさん、あんたが西本さんに出した手紙、わし読んだけど、話おかしくないか?

あんたは、わしに全くお金返してへんやろ。何十万とちゃうで。それなかったら、わし自身も

身が危ういほどの金額なんやで。それくらいの事わかってるやろ 」

 

V 「まぁ、その事は感謝してるけどな。しかし、この件は別の話や。通行権と給排水設備の許可権者は

法的にもわしや。何と言われても、わしが許可せん限り、これらは使用でけへん 」

 

Tさん 「 そういう話やないんや。あんたは当時に、もうわしの宅地に給水管をひきこんでるやないか。

わしがあの時にその事を許可してなかったら、あの分譲地も完成宅地になってなかったはずや。

わし名義の今の土地は売れ残ってても、あんたは他の区画には、自分とこの会社で家建ててきてお金も

稼いだやろ。そやのに、全く返済もせん上に、わしが今回売ろうとしたら、許可せんとはどういう了見や。」

 

私 「 Vさん、法的な権利と状態を言えば、Vさんの言われる通り、Vさんが許可権者であるのは間違いないです。

しかし、権者だからといって権利を乱用してはだめですよ。Tさんの許可と金銭という協力を経てこの分譲を

当時されたんでしょう?それ自体がもう十年以上も前であるばかりか、会社も閉鎖している今、客付けも

できないでしょう?この土地が売れなければ、Tさんは貸したお金が返って来ないばかりか、家が建たないと言う理由で

売れる事のない土地を持ちづ続けなければならないんですよ?固定資産税を負担できるんですか? 」

 

Vさん「 土地の名義はTさんなんやから、税金はTさんが払うべきやなぁ。」

 

Tさん 「 ふざけるな!分かった、それやったらもうええ。今まで貸した金全額返してくれ。

契約書の期限ももう何年も前や。」

 

Vさん「 そんな事急に言われても、ないもんは返せんわ、とにかくこの件は借りたお金の事とは別や 」

 

Tさん「 なんで別や?あんたはわしに借りた金でこの事業をやったやないか 」

 

 

 

 

とんでもないシロモノであった

 

 

 

Vは世話になった事は感謝しているという

しかし、義理はないという姿勢なのである

こんな事を繰り返してきたのであれば、そりゃ他人に見放され、事業が破たんした事は

至極当然の事の様に思えた

 

 

 

 

 

今、Vの近辺に何が残っているのか?

 

 

 

 

私「 Vさん、ではこの件はこれで終了ですね。Tさんと私は今から弁護士事務所に行きます。

期限を定めて、債務の履行(借金の返済)を文書にしますので、ご準備をお願いします。

返さないというVさんの主張は続けられればいいでしょう。但し、こちら側も対抗措置を取りますので

期限到来後のVさんが手にされる給料及び資産、金銭的価値のあるものは全て差し押さえます 」

 

 

 

 

勿論 分譲地の給水管と排水管もです^^

 

 

 

平和的な解決へ向けての方策はつき、もはや話し合いの続行は不可能と思われた結果、私は切り出した

 

 

 

 

 

 

 

Vさん「 条件がある・・・・・・ 」

 

 

 

 

 

遂に最終局面が来た

 

 

 

 

 

 

 

 

                   

 

                               続く・・・・・・

 

 

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新連載 「 権利と義務 」第五話

2014-10-13 15:00:08 | Weblog

いつもこのブログを見て頂いて有難うございます

 

今日は朝から物件に設置してる看板を朝から撤去♪

こんな日に、時折入る緊急電話や~

ヘルプに備え、事務所待機っす

 

まぁやる事なんていくらでもあるんですけどね

気持ちはほぼお休みモード^^

まぁ別にいいんじゃないって感じです

 

さて、新連載の「権利と義務」

同業者さんは割に分かる内容だと思うんですが、一般の方にはやや複雑やも?

と思いながら書いてます

出来るだけ分かりやすく書いていきますので、飽きずに見て下さいね~

 

 

新連載 「 権利と義務 」 第五話

 

 

G司法書士との込み入った会談の後

私はこの話は無理に進めるべきではないと判断していた

 

売り主Tさんと水道管と道路所有者Vの金銭問題が解決し、両者の和解がないと

こんな事は進められる訳も無く・・・・

この問題に不動産屋の私が介入していっても仕方のない事であった

 

再び売り主Tさんの事務所・・・

 

「 Tさん、こういうわけで、共同事業者であったVさんは、どうやら水道メーター設置の同意の印鑑を

押すつもりはないみたいです 」

 

Tさん 「 西本さん、それおかしいで!だってね、共同事業っていったって、土地はわしが購入して

水道の本管設置工事と排水の本管設置工事はVが自分でやったものって言ってるらしいけど、そのお金

もわしから出てるんやで!」

 

「え?そうなんですか?」

 

Tさん「 そうや、自分の権利も確保したかったVは、その工事費用をわしに借りてるんや。

確かにその金銭は貸した事になってるけど、全く返してもらってへんのや。

全額返して自分のモノっていうんやったら分かるけど、その他の金銭も含めて返済してへんのに・・・ 」

 

「でも、Tさん、これ、水道管の名義をVさんに当時してしまっていますよね。個人的な金銭のやり取りは

役所には通用しませんわ・・・ 」

 

Tさん 「 わし、いっぺん水道課に行ってくるわ。わし名義の土地に、水道管の枝はもう引き込んでるんやから・・・・・

引き込むって事は、その時に使用する事に同意してるからこそのはずやろ?それやったら何の為に水道を引きこんだんや?」

 

「 ほんまですよね。役所が何と言うかわかりませんけど、現状見てもらって、一度、役所の判断を仰ぎましょう」

 

Tさん 「合わせて一回、Vに連絡いれるわ。わし、これちょっと納得できへんで。彼が水道使用の同意の印鑑を

文句なしに押せばそれで済む話なんやろ?」

 

「 それが一番早いのは間違いないです。役所の方は一度私が行ってきますので、TさんはVさんに連絡いれてもらえますか? 」

 

Tさん「 そやな、そうしよか、わし直接連絡入れたら、Vも(うん)て言うと思うわ・・・ 」

 

 

こんなやりとりを経て、あくる日に私は役所を訪ねることにした

 

役所「 これは困った事態ですね・・・・ 」

 

「 しかし、既に引き込まれているんですよ? 」

 

役所「 分かっています。ただね・・・・本管の所有者が別個人だと・・・メーター設置の時に必ず

同意の印鑑がいるんですよ・・・・ 」

 

「 それは法的なルールですか? 」

 

役所「 まぁウチも含めて、いくつかの市町村はそうだと聞いていますがね、ウチとしては本管の所有者から

勝手に使用してる事とか、破損した時の責任問題とかで、メーター設置時に必ず同意の印鑑を必要としていまして

例外は認められないんですよ・・・特に、事情をお伺いしている限り、本管の所有者さんはたぶんクレームを入れて

きますよね?・・・・・・・ 」

 

「 100%入れてくると思います・・・・でも、そこは突っぱねる理由になりませんかね?既に引き込んでいるんだから

その時に、むしろ土地の所有者のTさんに同意を得たんでしょうと・・・ 」

 

役所「 仰っている事は正にそうなんですけどね・・・ 」

 

 

 

何とも歯切れの悪い回答であった・・・

役所の場合、必ずという返事は基本的に返してこない

善処します、とか、会議で検討します、などが一般回答で有るが、こうも歯切れが悪いリアクションで

結果として良い回答が返ってくる事はまず考えられなかった

 

 

法律で戦うしかないか・・・・・

 

私は、知り合いの別の司法書士に六法全書をお借りし、生まれて初めて分厚い六法全書を見開いた

法律用語が相当ややこしく、文脈も「 そうではないこともない 」的な曖昧な表現が続く

私は水道管の権利に関する判例と権利に関する項目をピックアップし、このケースで本管所有者と

はたして戦えるものなのか?を調べ始めた

 

 

 

 

驚いたことに、今回の事例に関係すると思われる箇所は、数か所しかなかった

 

 

 

調べた結果

 

 

 

 

 

 

 

 

戦えない事が分かった

 

 

 

 

 

 

厳密にいえば、負けるだろう・・と言う事だが、過去の判例のケースと全てが合致するわけでもなく

民法や宅建業法の観点から、土地の無償使用(枝の水道管を使用させないのに土地の一部を無償で占有している)という所で、

一縷の望みがあったと言えばあったのだが、仮に争いを始めたとして、判決が出るまでの時間的な問題として

今回の不動産取引がオジャンになる事には変わりが無い

しかも、相手は経済的な事情により、金銭を弁償できないのだ

何も持たない相手と戦っても、気分が晴れるだけであるばかりか、弁護士費用もばかにならない

 

 

 

やるだけ徒労であった

 

 

 

わたしは、その足でTさんの事務所に出向き、Vとの話の内容を確認する事にした

 

 

Tさん「 西本さん、あかん、何回電話してもでえへんわ・・・かけなおしてもけえへん・・・」

 

「 でしょうね、Vさんにしてみれば、この件が流れる事が目的でしょうし、わしの許可が無かったら

その土地は売り物にならんのやぞって事を十分にTさんにアピールできるでしょうから、電話に出て

わざわざ言い争う必要なんてないんでしょうね」

 

Tさん「 わし、腹立ってきたわ・・・お金も返さんばかりか、邪魔までしよって、恩知らずとはこの事やな。

なんで売り物にならん土地をわしが持ち続けて、固定資産税払い続けやなあかんねん」

 

「 自分が建築させてもらえるお客さんを自分で見つけるまで粘る気でしょうね・・・・ 」

 

Tさん「 わしにも意地があるわ・・・・もうええ!今からわし、Vの家へ行ってくるわ!! 」

 

「 ちょ・・ちょっと待って下さい・・・家は既に調べてあるんで、僕がまず行ってきます。」

 

頭にきている時に、こんな複雑な話などできるわけもない

結論、こじれて帰ってくる事は目に見えていた

 

 

自ら出向くと言って聞かないTさんを何とか説得し、私はVの家へ車を走らせた

 

ピンポーン

 

 

返答はない

 

私は諦めて、その日に何度か時間を変えて訪問するも、一向に出てくる気配が無かった

留守なのかどうかは分からない

しかし、他人の家を「 いるんだろう!!! 」とインターホンを何度も押せるものでもない

 

日を改めて何度か訪問するも、やはりVとその家族は出てこなかった

 

しゃぁないな・・・

 

 

私は方針を変え、ポストに手紙を入れることにした

聞きたくない話をいきなり目の前でされるよりも、ワンクッションとなってこの方がむしろ良いのかも知れない

 

そう考えた私は、考えうる限りの丁寧な言葉使いと、Tさんの怒りには触れず、協力をお願いしますという内容の

手紙をしたため、Vの家のポストに投函した

 

 

 

 

 

 

 

その手紙に対する返答は、意外にも実に素早いものであった

しかし、送られて来たVの手紙には、いかにもVの人柄がうかがえる身勝手な内容が書かれていたのだ

 

 

 

 

 

現物は今でも保管してある

 

 

 

しかし、筆跡は個人情報でもある為、転載する事とする

(以下 原文)

 

書面承りました

文書を見て、あなたがしている事、考え方には理解しかねます

私とT氏とで仕上げた仕事です(本物件を含む分譲地を指す)

最初の条件が変わった以上、私の最大の協力条件である通行権等を無い物としてほしい物です

クリエイト様には関係のない事ですが、工事は全て私がやり、工事代金も全て私が支払っております

給水、排水管は私の所有物です

善人で有る人ならば、他人の給水・排水管を持ち主の承諾もなしで使用する事はしないでしょう

今回の分譲地内の工事施工及び工事代金は全て私の責任でやっております

私のものです

私の承諾及び許可なくして使用する事を禁止します

 

 

                                       以上

 

 

マイルドセブンを片手に私はうすら笑いを浮かべながらこの手紙を読んでいた

 

 

 

 

 

 

 

 

「  ほな水道管を撤去せんかい^^ 」

 

 

 

何をほざいとんねん^^

 

他人の土地に引き込んでもうとるやないか

 

工事代金もTさんに借りたお金で返してへんくせに 笑笑

 

もうええな・・・ 

 

一応の礼儀は通したで^^

 

 

もはや話し合う相手ではないと判断した私は、この手紙と私の投函した手紙のコピーを持って

Tさんの事務所へ車を走らせた・・・・

 

 

 

 

                                          続く・・・・

 

 

 

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