宇宙論、ブラックホール、ダークマター、ホーキング放射、相対論

ブラックホール、ダークマター、ホーキング放射、相対論 etc etc

STAP細胞・副センター長会見

2014-04-17 12:36:07 | 日記
一人の「ひらめきと根性と幸運の持ち主」である若い女性が大きな発見をしてしまったらしい。

でもその発見に見合うだけのデータ整理力と証拠保持能力、それから論文記述力がありませんでした。

そして、それをカバーするはずのシニア研究者の方々もあまりの発見の大きさに興奮しすぎて、ついわきが甘くなりました。

昨日の副センター長の会見は、「組織の論理」と「研究者の信念」との間で股裂きにあっている人の姿そのものでありましたね。<--リンク


最初にNatureに投稿した論文は見事にNGでした。

それから約1年間のNature査読との戦いが始まります。

副センター長が参戦されたものその頃でしたね。

そうやってようやく受理された論文でした。


世界中で追試が始まりましたが、どこもうまく再現できませんでした。

そうして論文そのものに疑いの目が向けられます。

それで実際にはところどころにミスがありました。


さて、最初は理研の発表に大喜びだったマスコミや視聴者は見事な「手のひら返し」を見せてくれました。

今度は一斉に非難の声をあげます。

それにビックリしたのが理研とそれから安倍さん内閣でしたね。

「早く火を消さないと理研優遇法案が通らない」と大慌てであります。


本当はこの時に2つの道がありました。

一つは小保方さんを擁護する立場で、内外の批判に答えて情報を出してゆく事もできました。

「理研もいっしょに泥をかぶりましょう」というスタンスですね。

もう一つはご存知の通りの「トカゲのしっぽ切り」であります。

そうして選ばれたのが残念ながら「トカゲさん」でありましたね。


それで調査委員会の発足となりました。

そうして調査報告書が出来上がりました。<--リンク

このミスを調査委員会は「悪意をもって行われたもの」と断定し、小保方さんは「単なる論文作成上のミス」と言っております。<--リンク


さて、共著者の笹井さん、若山さん、丹羽さんは調査委員会の報告をうけて「論文は撤回しましょう。」といいましたが小保方さんは同意しませんでした。

理研は「研究者倫理の向上」を目的とした委員会を始めました。

それから、「Nature合格の100点満点をこえて150点を目指した検証」を1年計画で行うそうです。


さて、以上の話の中で本当に大切にしなくてはいけないことはなんでしょうか?

理研優遇法案でしょうか?

研究者の倫理向上でしょうか?

画像挿入ミスのない論文を書く技術でしょうか?

データ整理の方法でしょうか?

証拠保持力の向上でしょうか?

ノートをちゃんと詳細に書く習慣でしょうか?

得点が150点の検証計画でしょうか?


いやいや、そんなものいくらあっても最初の種を見つけることが出来なければ何の役にも立ちません。

そうして種をみつけることができるのは、「ひらめきと根性と幸運の持ち主」だけであります。


理事長さんの主張は「未熟な若い研究者が間違いをおかしただけ」でしたね。

「あんた一人が悪い」とそういう訳です。

他方Vacantiさんは「ボストンに戻っておいで。」と言いました。


さていったいどちらが物事の本質を理解しているのでしょうね。

そうして、いったいどちらの態度が将来の国益の増加を担保しているのでしょうか?

理事長さん、単に「理研優遇法案」を通すことが「優先順位の1番」という程度ではねえ、先が思いやられますよ。


そうして「人の批判が得意技」のマスコミとゴシップ大好きな日本国民。

「批判ばかりされる所よりは理解してくれる所にいたい」と思うのは人情であります。

そうやって小保方さんは日本を離れてボストンに行ってしまうのでありました。


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電王戦・もう一つの頂上対決

2014-04-16 12:48:33 | 日記
森下さん曰く「ヒューマンエラーがなかったら、COM君には負けない」と。

つまりは「人間の大局観の方がCOM君の大局観を上回っている」と言っているのです。

それで「証明して見せるから盤駒を使わせろ」という訳ですね。<--リンク


さて、電王戦は体重制限ありの「階級戦」になってしまいました。

それじゃ面白くありません。

無差別級を復活させましょう。


という訳で、かたやポナンザ・クラスター。

こなたプロ棋士軍団(盤駒+合議制+時間無制限)での一本勝負。

これで究極の「大局観の勝負」ができます。

どうですか、連盟さん。

是非とも「受けて立っていただきたい」と思います。


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電王戦・点と線

2014-04-15 12:57:48 | 日記
松本清張の推理小説ではありません。

人とCOMの読み方の話です。

人は線で読んで、COM君は点で読むと。

まあ、棋士さんはそう表現しますね。


でも、実際はCOM君は線で読んでいるのですよ。

まったく人とおんなじです。

では、なぜ棋士さんはああいう表現をするのか?

一つの筋からまったく違う筋に躊躇なく切り替えるのがCOM君です。

そして、その切り替えに棋士さんの認識がついていけないので「点で読む」と表現するのですね。


人の場合は複数の筋を読んで「これで行こう」と決めるとそれに優先権を与えます。

そうしてほかの筋にはマイナスの係数がかかります。

それでそれらの筋は棋士さんの意識にはのぼりにくくなるのですね。

これは自動的にそうなるので、なかなかコントロールすることが難しいのです。(注1)

まあこれも一種のアンカリング効果とも言えるでしょうか。<--リンク


他方、COM君にはそのような特性はありません。

つねに見渡せる限りの水平線までを全探索して、最適手順をみつけます。

そして、さっきまで右側に行くつもりだったのが、次の手番で左側の評価値が高くなっていればなんの躊躇もなしに左に行きます。

そこには何のアンカリングも思い込みもありません。

こうして最終局の「香」や「銀」の打ち込みが選択されたのであります。

これは人間にとってはまさに脅威であります。


人と人の対局では、お互い暗黙の了解の部分があります。

「そんな手はご法度だ」とか「悪手だ」とか言われている所ですね。

ですから、お互いにその部分は読みません。


そうなるように長年に渡って訓練してきたのですからね。

当然、そうなります。

そしてこれは、人対人では「読み筋の効率的な枝刈り」としての長所になります。

でも対COM君では見事にひっくり返って「弱点」となりますね。


どうも「COM君の持っている評価関数の大局観の方が人間の大局観よりも広い」という感触があります。

どうしても人間が筋を読む時には「無意識の枝刈りで探索しない、出来ない所」が発生してしまいます。

でもCOM君はそんな「思い込みや決めつけ」はなく、全てを公平に広く読みます。

これがCOM君と戦う上での「本質的な難しさ」を生み出します。


それに加えて人間は終盤になると疲労がたまって判断ミスをしやすくなります。

この状態でCOM君に勝ちきるのはなかなか大変なことなのであります。

そういう事を屋敷さんは教えてくれたのでありました。


(注1)日経サイエンス5月号に「アインシュテルング効果」として紹介されています。<--リンク

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STAP細胞・バンドエイド貼り

2014-04-14 12:26:56 | 日記
バンドエイドづくりを急がないと国の要求に間に合わないと理研さん、大慌ての模様です。


STAP念頭に再発防止を急ぎ提言…理研改革委
・・・・
理研は、公的な研究機関の裁量を広げる新制度「特定国立研究開発法人」の指定を巡り、国から4月中の再発防止策を提出するよう求められている。

岸委員長は「理研から『4月中に再発防止策をまとめて欲しい』と言われた委員もいる」と明かした。
・・・・
2014年04月13日 The Yomiuri Shimbun<--リンク


やっぱりどう考えても「理研優遇法案」からみですね、今回の「トカゲのしっぽ切り」騒動。

おおかた安倍さんご推進の「成長戦略」とやらの広告塔ですか、この法案は。

そしてめでたくも理研の利益と安倍さん内閣の利益が一致したと、そういう訳ですね理事長さん。


それで若い研究者の事などは「知ったことではない」と。

まあ皆さん大人ですからそのくらいは「へ」でもありませんか。

臭いものにはふたをして、傷口はバンドエイドで応急手当。

「これで理研は正常になった」と。

手際の良い仕事ぶり、まことに恐れ入る次第でありまする。


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電王戦・最終局

2014-04-13 12:52:43 | 日記
ポナンザが勝ちました。

屋敷さん、負けましたが十分に見ごたえのあるよい対局でした。

これで第3回電王戦、COM君が4勝1敗で終了です。

そして団体戦での棋士さんの勝率は昨年より悪くなりました。


それからコール君の「勝ち」から数えて「棋士側先手番のなぞり対戦」の結果はこれで「3勝3敗のタイ」となりました。

(コール君1勝、恒平君1勝1敗、菅井君1敗、豊島君1勝、屋敷さん1敗)

COM君先手番では2勝0敗ですから、まだ棋士さん先手番の方が勝機はありそうですね。

(やねうら王1勝、ツツカナ1勝)


さて、ポナンザはこれで見事にA級入りが出来たように思われます。

でも谷川さんはそうは言いませんでしたね。

「COM君はプロ棋士の平均よりは強いかな」と。

まあ、天下泰平の時代が長く続けば判断もにぶりますか。

あまりにも危機感がないように見受けられます。<--リンク


2年連続の負け越し。

おまけに、今回これほどのハンディをもらいながらそれでも勝ち越せないと。

世の中の認識はもはや「COM君の方が強い」でありましょう。


さあ歴史は動いてしまいました。

それで連盟さんは次回はどうするのでしょうか?

「なるほど」と思えるような回答を期待しておりますので、よろしくお願いしますね、谷川さん。


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