今までにも2回くらい、英文読解に関する参考書を紹介してきましたが、いい物があるので追加で紹介しておきます。
まあ、最近の参考書、特に大学受験用のものは昔のものと違って分かり易いものが多いので(古いのは駄目)、選択肢はたくさんあるし、自分が”分かり易い”と思うものを選べばいいんですけどね。そういう中でも特に私好みのモノを紹介しときます。なお、どちらも大学受験用のものですが、TOEICをめざす人にとっても役に立つと思います(TOEIC用の読解本って、ちゃちなモノばかりですね。なんとかならんのか。俺が書こうか)。
(1)大矢 英語読み方講義の実況中継(大矢復、語学春秋社)
高校生にはおなじみの実況中継シリーズです。語学春秋社の実況中継シリーズというのは、ちょうど私が高校生の時に世の中に出始めました。なので、かれこれ30年くらい歴史があることになりますね。私が一番最初に見たと記憶しているのは、秋山仁さんの数学講義の実況中継(1986年、当時高2)です。
それはともかく、この本はまあ初心者向き、TOEICで言えば500点を取れないレベルの人、受験生なら高1~高2生くらいがターゲットになるかと思いますが、英文を読む時の頭の働かせ方を、非常に基本的な構文レベルで丁寧に解説している本です。非常に基本的ではあるのですが、単なる型の羅列ではなく、英文を正しく追うために必要な頭の使い方についてきちんと踏み込んで、しかも分かり易く解説してあるいい本です(0からではないですけどね)。逆に言えば、この本を読んでもまだ英語が理解できないという人は、もう中学レベルからやり直すしか無いかと。。。
なので、この本を見て”簡単すぎる”と言い切ることができない人は、まだまだ基本がガタガタだということになると思います。そんないい加減な状態でいくら”実戦練習モドキ”をやっても無駄でしょう。読解に苦手意識がある人が改めて基本を見直す、そういう営みに役立つ本だと思います。非常に基本的ではあるのですが、英文を正しく読む上で本質的な内容が書かれているので、”本当の基本”がちゃんと身に付いているかどうかを試す試金石になる本だと思います。
このレベルの内容をきちんと身につけることなく、やれ受験だ、TOEICだとほざいても、「英語舐めてんじゃねぇよ」ということになるかと。世の中の多くの人って、こういう基本中の基本を疎かにしている自分の態度を棚に上げて、”日本は読解中心の英語教育だから駄目なんだ”なんて寝言をほざいているんですよね。お前らはこのレベルの勉強を完璧にやった上でモノを言ってるのか?と私なんかは言いたいのですが、説教臭くなるのでやめます。
(2)体系英語長文(小貝勝俊、教学社)
大学入試問題の長文を題材にした本です。レベル的には、そろそろ大学受験用の勉強を開始しようかという、高2~高3の始めくらいの学生向き、TOEICで言えば730点以上の人向け、くらいでしょうか。TOEIC向けの教材ではありませんが。
大学入試の長文問題を題材にした参考書というのは往々にして使いにくいものが多い中、この本はとても勉強しやすいという印象をうけます。理由は以下です。
○抽象度が高すぎて何を言っているのか分からない”悪文”を扱っていない。日本語訳も分かり易い
○レイアウトが良く使い易い。英文と日本語訳をひと目で見比べられるよう、同じ場所に並べてくれている。
○語彙や文法の解説が沢山載っている(字が小さいので老眼の人には厳しいがwww)。
◎英文の全ての部分について、構造が分かるように記号を付与してくれている。
全体的に、読者が勉強し易くなるような配慮が行き届いた作りになっているという印象です。私が特に気に入ったのは最後の項目で、英文の構造把握をサポートするために、例えば挿入部分に()を付けてくれていたり、that節の始まりから終わりまでを<>で囲ってくれたり、関係詞節を[]で囲ってくれたり、そういう事を英文の全ての部分についてやってくれていることです。英文を追いかける時には構造に気をつけながら読むということが何より大切なのですが、それが非常にやり易くなっており、力の無い人にとっては非常に有難いものだと思います。子供が自転車に載る練習をする時に補助輪を付けてもらっているような感じです。
ただ、情報量の多さとコンパクトさを同時に達成するために、字が小さく、1ページの中の密度も濃いため、書き込みはしにくいかもしれません。しかし、若い人には字の小ささは関係ないでしょうし、解説も丁寧なのであまり沢山書き込みをする必要もないかと。
以上、2冊の、私がいいと思う本を新たに紹介しました。英文を読む力をつける営みというのは、(1)のような本を使って基本構文の処理の仕方を学び、その技術を使って(2)の本が示してくれているような”構造分析”が自分自身でできるようになることを目指す、そういう営みなんです。どういう事ができるようになる必要があるのか、基本レベルと実戦レベルでそれを分かり易く示してくれている本が、この2冊です。
まあ、最近の参考書、特に大学受験用のものは昔のものと違って分かり易いものが多いので(古いのは駄目)、選択肢はたくさんあるし、自分が”分かり易い”と思うものを選べばいいんですけどね。そういう中でも特に私好みのモノを紹介しときます。なお、どちらも大学受験用のものですが、TOEICをめざす人にとっても役に立つと思います(TOEIC用の読解本って、ちゃちなモノばかりですね。なんとかならんのか。俺が書こうか)。
(1)大矢 英語読み方講義の実況中継(大矢復、語学春秋社)
高校生にはおなじみの実況中継シリーズです。語学春秋社の実況中継シリーズというのは、ちょうど私が高校生の時に世の中に出始めました。なので、かれこれ30年くらい歴史があることになりますね。私が一番最初に見たと記憶しているのは、秋山仁さんの数学講義の実況中継(1986年、当時高2)です。
それはともかく、この本はまあ初心者向き、TOEICで言えば500点を取れないレベルの人、受験生なら高1~高2生くらいがターゲットになるかと思いますが、英文を読む時の頭の働かせ方を、非常に基本的な構文レベルで丁寧に解説している本です。非常に基本的ではあるのですが、単なる型の羅列ではなく、英文を正しく追うために必要な頭の使い方についてきちんと踏み込んで、しかも分かり易く解説してあるいい本です(0からではないですけどね)。逆に言えば、この本を読んでもまだ英語が理解できないという人は、もう中学レベルからやり直すしか無いかと。。。
なので、この本を見て”簡単すぎる”と言い切ることができない人は、まだまだ基本がガタガタだということになると思います。そんないい加減な状態でいくら”実戦練習モドキ”をやっても無駄でしょう。読解に苦手意識がある人が改めて基本を見直す、そういう営みに役立つ本だと思います。非常に基本的ではあるのですが、英文を正しく読む上で本質的な内容が書かれているので、”本当の基本”がちゃんと身に付いているかどうかを試す試金石になる本だと思います。
このレベルの内容をきちんと身につけることなく、やれ受験だ、TOEICだとほざいても、「英語舐めてんじゃねぇよ」ということになるかと。世の中の多くの人って、こういう基本中の基本を疎かにしている自分の態度を棚に上げて、”日本は読解中心の英語教育だから駄目なんだ”なんて寝言をほざいているんですよね。お前らはこのレベルの勉強を完璧にやった上でモノを言ってるのか?と私なんかは言いたいのですが、説教臭くなるのでやめます。
(2)体系英語長文(小貝勝俊、教学社)
大学入試問題の長文を題材にした本です。レベル的には、そろそろ大学受験用の勉強を開始しようかという、高2~高3の始めくらいの学生向き、TOEICで言えば730点以上の人向け、くらいでしょうか。TOEIC向けの教材ではありませんが。
大学入試の長文問題を題材にした参考書というのは往々にして使いにくいものが多い中、この本はとても勉強しやすいという印象をうけます。理由は以下です。
○抽象度が高すぎて何を言っているのか分からない”悪文”を扱っていない。日本語訳も分かり易い
○レイアウトが良く使い易い。英文と日本語訳をひと目で見比べられるよう、同じ場所に並べてくれている。
○語彙や文法の解説が沢山載っている(字が小さいので老眼の人には厳しいがwww)。
◎英文の全ての部分について、構造が分かるように記号を付与してくれている。
全体的に、読者が勉強し易くなるような配慮が行き届いた作りになっているという印象です。私が特に気に入ったのは最後の項目で、英文の構造把握をサポートするために、例えば挿入部分に()を付けてくれていたり、that節の始まりから終わりまでを<>で囲ってくれたり、関係詞節を[]で囲ってくれたり、そういう事を英文の全ての部分についてやってくれていることです。英文を追いかける時には構造に気をつけながら読むということが何より大切なのですが、それが非常にやり易くなっており、力の無い人にとっては非常に有難いものだと思います。子供が自転車に載る練習をする時に補助輪を付けてもらっているような感じです。
ただ、情報量の多さとコンパクトさを同時に達成するために、字が小さく、1ページの中の密度も濃いため、書き込みはしにくいかもしれません。しかし、若い人には字の小ささは関係ないでしょうし、解説も丁寧なのであまり沢山書き込みをする必要もないかと。
以上、2冊の、私がいいと思う本を新たに紹介しました。英文を読む力をつける営みというのは、(1)のような本を使って基本構文の処理の仕方を学び、その技術を使って(2)の本が示してくれているような”構造分析”が自分自身でできるようになることを目指す、そういう営みなんです。どういう事ができるようになる必要があるのか、基本レベルと実戦レベルでそれを分かり易く示してくれている本が、この2冊です。