この話題は今回で最後なので、一気に終わらせてしまいます。今回の記事は大した内容ではありません。出典は同じです。
(例3)常識が問われるケース
The landscaping around the new office building includes a raised area for outdoor dining in the central courtyard.
(pp.150)
オリジナルでは、'raised'を幾つかの語の選択肢の中から正解として選べるかどうかを試している問題でした。この設問自体も易しくはなかったのですが、ちょっとそれは省略して、完成された正解文だけを問題にします。
さて上の文、何を言っているのか、状況がはっきり分かりますか?私はかなり悩んでしまいました。この文が表している状況を頭の中にビジュアルとして描くことが全くできなかったのです。皆さんはいかがでしょうか?landscapingは”景観、景色”でOKです。
私に何が足りなかったかというと、'courtyard'という単語の理解でした。この単語を知らない方は辞書を引いてください。”中庭”という意味です。はい、私はそれは知っていたのです。しかし、、、誠に恥ずかしいことに、「中庭」というものが一体どのようなものなのか、そこがはっきりと分かっていなかったのです。”中庭って、どんな物だっけ?”なんて思ってしまったのです。
なんとなく、中学とか高校にあった中庭を想像することはできたのですが、'outdoor'なんて表現があるし、中庭で飯を食うことを outdoor なんて言うのか?なんて思ったりして、もう大混乱です。outdoorという単語にこだわって、沢山あるビル群に囲まれた広場みたいな所を思い浮かべたのですが(それならビルの外ということで outdoorという単語がしっくりくると思ったのです)、英文は' the new office building'と単数になっているので、ビルは1つしか無いはずです。
うーん、何を思い浮かべればいいのだろう、ということで、”中庭”をwikiで調べてみると、
「中庭(なかにわ)とは、建築物などで周囲を囲まれた、屋根のない場所(庭、広場)である。英語では "court" または "courtyard" と呼び、宿泊施設や公共施設の中庭は主に集会場所として使われていたことから、"court" が法廷も意味するようになった。」(出典:ウィキペディア)
とあります。後半の法廷はどうでもいいですが、前半です。”建築物などで周囲を囲まれた、屋根のない場所”とあります。やっぱり、学校にあるあの中庭みたいなイメージで良さそうです。そういえば、ビルの中にも、吹き抜けになってるエリアみたいなのがあるよな、あれも中庭なのか、ということが再認識できました。だとすると、あそこで飯を食うことを outdoor と言うかどうかに関しては、そう言うんだね、と受け入れるしかありません。
はい、ビルによくあるあの吹き抜けの中庭、あそこからビルの外の景色が見えるようにするために、外の景観の一部を高くしてある、あーそういうことかと、しばらく経ってやっと理解できた次第なのです。
馬鹿でしょう?でも、言葉としては(日本語、英語問わず)知っているものでも、正確なイメージを描こうとすると実はよく分かっていなかった、という物は誰にでもあるはずなんです。そう、いわゆる”一般常識の欠如”が英文読解をする上で致命的なネックになってしまう事があるんです。
総括します。数回にわたって”基本とは?”という事について語ってきたのですが、要するに、”参考書の棒暗記”は、リアルな英文を追うために必要な能力のほんの一部しかカバーしてくれませんよ、”基本が大事”というけれど、教科書的な基本の暗記に終始してリアルな英文の前で頭を使うことを放棄していたのでは、リアルな英文の中に潜んでいる様々なトラップを自力で回避できる能力は身に付きませんよ、ということが言いたいのです。今回あげた3つの例について、単語帳とか文法書に載ってる素直な例文の暗記ばっかりやってても、ああいう問題文がスラスラと処理できるようになるわけがないということは、同意頂けると思います。
じゃあどうすればいいのか?基本は基本として横目で睨みつつ、アグレッシブに英文と格闘して野生の感覚を研ぎ澄ませる、それしかないでしょう。教科書に頼り切るのではなく、自分の中の”感覚・経験”が教科書を上回る、そういう方向性を目指すのです。野生の感覚の鍛錬でネイティブレベルに到達することはさすがに無理ですが、自分の頭が並の参考書を上回るくらいの境地には到達できるはずです。
(例3)常識が問われるケース
The landscaping around the new office building includes a raised area for outdoor dining in the central courtyard.
(pp.150)
オリジナルでは、'raised'を幾つかの語の選択肢の中から正解として選べるかどうかを試している問題でした。この設問自体も易しくはなかったのですが、ちょっとそれは省略して、完成された正解文だけを問題にします。
さて上の文、何を言っているのか、状況がはっきり分かりますか?私はかなり悩んでしまいました。この文が表している状況を頭の中にビジュアルとして描くことが全くできなかったのです。皆さんはいかがでしょうか?landscapingは”景観、景色”でOKです。
私に何が足りなかったかというと、'courtyard'という単語の理解でした。この単語を知らない方は辞書を引いてください。”中庭”という意味です。はい、私はそれは知っていたのです。しかし、、、誠に恥ずかしいことに、「中庭」というものが一体どのようなものなのか、そこがはっきりと分かっていなかったのです。”中庭って、どんな物だっけ?”なんて思ってしまったのです。
なんとなく、中学とか高校にあった中庭を想像することはできたのですが、'outdoor'なんて表現があるし、中庭で飯を食うことを outdoor なんて言うのか?なんて思ったりして、もう大混乱です。outdoorという単語にこだわって、沢山あるビル群に囲まれた広場みたいな所を思い浮かべたのですが(それならビルの外ということで outdoorという単語がしっくりくると思ったのです)、英文は' the new office building'と単数になっているので、ビルは1つしか無いはずです。
うーん、何を思い浮かべればいいのだろう、ということで、”中庭”をwikiで調べてみると、
「中庭(なかにわ)とは、建築物などで周囲を囲まれた、屋根のない場所(庭、広場)である。英語では "court" または "courtyard" と呼び、宿泊施設や公共施設の中庭は主に集会場所として使われていたことから、"court" が法廷も意味するようになった。」(出典:ウィキペディア)
とあります。後半の法廷はどうでもいいですが、前半です。”建築物などで周囲を囲まれた、屋根のない場所”とあります。やっぱり、学校にあるあの中庭みたいなイメージで良さそうです。そういえば、ビルの中にも、吹き抜けになってるエリアみたいなのがあるよな、あれも中庭なのか、ということが再認識できました。だとすると、あそこで飯を食うことを outdoor と言うかどうかに関しては、そう言うんだね、と受け入れるしかありません。
はい、ビルによくあるあの吹き抜けの中庭、あそこからビルの外の景色が見えるようにするために、外の景観の一部を高くしてある、あーそういうことかと、しばらく経ってやっと理解できた次第なのです。
馬鹿でしょう?でも、言葉としては(日本語、英語問わず)知っているものでも、正確なイメージを描こうとすると実はよく分かっていなかった、という物は誰にでもあるはずなんです。そう、いわゆる”一般常識の欠如”が英文読解をする上で致命的なネックになってしまう事があるんです。
総括します。数回にわたって”基本とは?”という事について語ってきたのですが、要するに、”参考書の棒暗記”は、リアルな英文を追うために必要な能力のほんの一部しかカバーしてくれませんよ、”基本が大事”というけれど、教科書的な基本の暗記に終始してリアルな英文の前で頭を使うことを放棄していたのでは、リアルな英文の中に潜んでいる様々なトラップを自力で回避できる能力は身に付きませんよ、ということが言いたいのです。今回あげた3つの例について、単語帳とか文法書に載ってる素直な例文の暗記ばっかりやってても、ああいう問題文がスラスラと処理できるようになるわけがないということは、同意頂けると思います。
じゃあどうすればいいのか?基本は基本として横目で睨みつつ、アグレッシブに英文と格闘して野生の感覚を研ぎ澄ませる、それしかないでしょう。教科書に頼り切るのではなく、自分の中の”感覚・経験”が教科書を上回る、そういう方向性を目指すのです。野生の感覚の鍛錬でネイティブレベルに到達することはさすがに無理ですが、自分の頭が並の参考書を上回るくらいの境地には到達できるはずです。