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将棋の日記

王座戦

2007-09-22 11:14:25 | ネット中継(図面)
9月22日(土)は、王座戦の第2局が行われます。

先手:羽生王座(三冠)
後手:久保八段

戦形:相振り飛車(先手三間飛車vs後手向い飛車)

<感想>
羽生王座は、久保八段の純粋振り飛車の力を認めて、相振り飛車にして力戦形に持ち込んだと思います。


<参考URL>
将棋王国
棋譜は、こちらを参考にしてください。

<その他参考URL>
Danchoのお気楽Diary
スピノザ
kurouma
感想と解説を参考にしてください。

===== 2007/09/24 14:25 追加 =====
<補足>
道場認定アマ三段です。プロの解説ではありません。
その点は、ご理解してください。
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3手目、▲6六歩と指しました。羽生王座の振り飛車です。
5手目、▲3八飛です。三間飛車にしました。
14手目、△2二飛です。向い飛車にしました。
20手目、△7五歩です。取れば、△2六歩が狙いです。
22手目、△8二銀です。飛車成を受けた手です。
後手は、銀冠、矢倉、金無双といろいろと相手しだいで囲いを決められます。
柔軟な対応が出来ます。
24手目、△8四歩です。取れば、△7六歩が狙いです。


26手目、△4四角です。狙いは、△2六歩、▲同歩、△同角、▲2七歩、△4四角、▲2八銀です。(▲3八銀は、△2八歩より将棋が終わっています。)
28手目、△8三銀としました。銀冠の予定だと思います。
29手目、▲6二玉です。△2六歩の時。
△2六歩、▲同歩、△同角、▲2七歩、△4四角、▲3八玉と変化出来ます。
先手の囲いが、金無双、美濃囲い、矢倉、穴熊とバリエーション豊かです。
今後の先手の囲いに注目です。

===== ここで昼食です =====
羽生王座は、久保八段の純粋の振り飛車(三間飛車、四間飛車、中飛車)の力を認めている感じです。
そこで、相振り飛車にして、力戦形に持ち込もうという狙いだと思います。

また、最近はトッププロでも相振り飛車が流行しているので、その流れを汲んでいる感じです。
最近の相振り飛車は、バリエーションがいろいろとあります。
矢倉の要素、角換わりの要素、囲い方もさまざまです。
1手保留する手が流行っている感じもある相振り飛車です。

相振り飛車の面白さも分かると本局も楽しいと思います。
========================

===== 昼食の食事 =====
羽生王座:ミートソースのスパゲティとサラダ
久保八段:はきつねうどん膳(小鉢、だし巻き卵、ご飯、香の物がセット)とアイスコーヒー
====================

31手目、▲6七金です。狙いは2つ。
・▲5六金、▲4五金と後手の角をいじめる手。
・▲6六金、▲7五金と△7五歩を取る手。
金がどちらに動くかで、局面は変わります。
32手目、△9四歩でした。
仮に、△6一玉ならば、▲6六金、△7四銀、▲6七銀、△7三金、▲9五歩、△8五歩、▲9六飛となります。
△9四歩は、▲9六飛を消した手だと思います。
35手目、▲6六金です。△7五歩を取りに行きました。
41手目、▲9五歩です。香車を捌かせないようにしました。



<この局面で後手が長考中です。>
ここで、△2六歩はないですね。
△2六歩、▲同歩、△同角、▲同飛、△同飛、▲1五角より「目から火が出る王手飛車」です。

ここで、△6二玉は、▲6四歩、△同歩、▲同金、△同銀、▲同角、△7三桂、▲4四飛、△同歩、▲5三角打の変化が見えます。

ここでの後手の指し手が難しい感じがします。
どのような構想で指すかがポイントになる感じです。

42手目は、△7四歩です。局面を穏やかに指そうという手です。
44手目は、△5二玉です。
銀冠に囲うのは、左辺が戦いになりそうなので危険という意味でしょうか?
それとも、先手に穴熊にされると固いので勝負にならないという意味でしょうか?
中住まいみたいな囲いで、珍しい手です。
45手目、▲9六香です。これで、先手の1歩得となりました。後手は歩切れです。
53手目、▲2八歩です。これで、先手の穴熊はなくなりました。
後手が△5二玉なのでそんなに堅く囲う必要はないかもしれません。



先手の羽生王座が長考しています。

55手目、▲4八金です。囲いました。
横歩取りの△3三桂戦法の時に、後手番で囲う指し方です。
特に、名前はありません。
56手目、△4二金です。先手の▲3一銀の割り銀があるので、注意が必要です。

56手目以降、▲3六歩、△3三桂、▲3七桂と進みました。

後手の△4四角は窮屈で使いにくそうです。

60手目、△2一飛です。
先手の割り銀を避けました。桂が▲3四桂の筋も避けました。
△6一飛、△6四歩より6筋から打開する手の意味もあるのでしょうか?
手詰まりを避けてるかもしれません。
61手目、▲4六歩です。
後手は、△2五桂、▲同桂、△同飛の展開にするのでしょうか?
62手目、△8五歩です。
狙いは、▲同金は、△7三桂より金が死にます。
▲同桂は、△8八角成より△8七馬が狙いです。
先手は、▲9七角とするしかないようです。

===== ここで夕食です =====
王座戦は、18:00~19:00まで夕食休憩になります。


<この時点での形勢判断>
形勢判断は、4つの要素があります。
「手番」、「玉の固さ」、「駒の効率」、「駒の損得」です。
・手番:先手
・玉の固さ:先手は変則中住まい(金、銀の2枚)、後手は、金、銀の2枚
若干、後手が固い
・駒の効率:先手の飛、角が遊んでいる。後手の方が先手の攻めを牽制している。
先手の金銀は守りに働いている。後手は、金銀は左辺が遊んでいる。
・駒の損得:先手の1歩得

総合的に見ると、
先手は1歩得なので局面が落ち着けば、指しやすい。
後手は、飛、角が働く展開になると指しやすくなる。
========================

===== 夕食の食事 =====
羽生王座:松花堂弁当と温かいジャスミン茶
久保八段:オムライスとサラダ、冷たいジャスミン茶
====================

63手目以降、▲9七角、△8四銀、▲4五歩、△5五角、▲6六金、△8二角、▲3五歩が現在の局面です。


予想通り、▲9七角でしたね。

70手目は、△2五桂です。
71手目は、▲同桂です。
72手目は、△同飛です。
どこかに、桂馬を打つ場所が出来るでしょうか?
先手は、▲6四桂ですか・・・。
後手は、△4六桂ですか・・・。
73手目は、▲4六桂です。
何だか「敵の打ちたい所に打て」の格言どおりの指し手です。

次の狙いは、▲5四飛、△同銀、▲4二角成、△同玉、▲5四桂でしょうか?
良く読んでみないと分かりませんが、少し危ない感じがします。

すみません。 ちょっと電話があり更新が遅れました。
お詫び致します。

74手目以降の指し手
△7五桂、▲5四桂、△3二金、▲5五金、△3五歩、▲7六歩、△9五銀です。

△7五桂は、先手の角筋を止めました。
▲5五金は、後手の角筋をとめました。かつ、桂馬を守りました。

△9五銀は、▲同香、△同香、▲7九角 ⇒ △4六香、▲同飛、△5五角を狙っています。

81手目は、▲3三歩です。 手筋の歩です。金は斜めに誘えです。
82手目は、△3一金です。
83手目は、▲9五香です。
84手目は、△同香です。
85手目は、▲7五角です。 ▲7九角より遊ぶ駒になるので、桂馬と交換です。
86手目は、△2七歩成です。 飛車先を軽くしました。
87手目は、▲同歩です。
88手目は、△7五歩です。
89手目は、▲6四歩です。



90手目は、△6四銀です。
91手目は、▲6五桂です。
92手目は、△同銀です。 先手の桂・銀の交換なので先手に流れがあるとおもいます。
93手目は、▲同金です。
94手目は、△3六香です。 ここら辺から終盤の入り口でしょうか?
95手目は、▲4九玉です。
△2七飛成が見えていますが、それより速い寄せが後手玉にあるのでしょうか?
終盤の速度計算です。

持ち時間もないと思いますので、読む暇もないくらい手が進む可能性があります。

96手目は、△3九香成です。
97手目は、▲同玉です。

先手は、▲7四桂の寄せが見えます。
後手は、△2七飛成、△4七桂打の寄せが見えます。
どちらが、1手勝ちをしているでしょうか?

98手目は、△1九角成です。

先手は、▲7四桂で必至です。以下、▲6二桂右成、△4一玉、▲5一飛成まで
後手の△2七飛成が間に合わない感じです。
▲7四桂に、後手は何か受けがあるのでしょうか?

99手目は、▲6二銀です。 これは、縛りでした。
▲5三香、△4一玉、▲4二銀、△同金、▲3二金の詰みがあります。 

100手目は、△同金です。 詰めば先手の勝ち。 詰まないならば後手の勝ち。
△同金が最善の受けでした。

101手目は、▲同桂成。
102手目は、△同玉。
103手目は、▲7四桂。
104手目は、△7三玉。
105手目は、▲8四銀。
106手目は、△同玉。
107手目は、▲7五金。
108手目は、△8三玉。
109手目は、▲8四金打。
110手目は、△9二玉。
111手目は、▲5二飛成。
112手目は、△8二桂。



113手目、▲9三歩。 これが、ポイントで△7三桂に利きを無くしました。
114手目、△同桂。
115手目、▲8二桂成。
116手目、△同馬。
117手目、▲7四桂。
118手目、△3六香。
これで、詰むかどうか? 詰めば、後手の勝ち。
詰まなければ、先手の勝ちです。
後手は、必死がかかっている状態です。

119手目、▲4九玉。
120手目、△3八香成。
121手目、▲同金。
122手目、△3七桂。
123手目、▲同金。
124手目、△4八銀。



何となく、先手玉が広くて詰まない感じです。

125手目、▲同玉。


125手まで、先手の羽生王座(三冠)が勝ちました。


後手にいくら、駒を渡しても詰まない形だったようです。
▲5二飛成⇒▲9三歩⇒▲7四桂が良い寄せでした。


王座戦の五番勝負ですが、羽生王座(三冠)の2連勝となりました。
王座防衛まで王手になりました。

防衛すると、連続タイトル保持記録を更新して16連覇となります。


※お知らせ
将棋倶楽部24の実践譜(10局)(Update 2007/06/08)
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22 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
何だか恐縮しています… (Dancho)
2007-09-22 14:17:51
Logical Spaceさん、こんにちは。

何だか恐縮しています。
将棋のタイトル戦のたびに、こちらかkuroumaさんのところへお邪魔して、勉強しているものですから…。

土曜日の対局という事もあり、恐らく、お二人がこれをやっているだろうな…と、期待してしまいまして…。

催促してしまったように聞こえてしまったとしたら、本当に恐縮です。

さて、相振り飛車になりましたね。

32手目を後手が凄く考えていますね…。
BS2で囲碁・将棋ジャーナルを見ながらでしたが、その時に2手進んでから止まっています。

先手の6七の金の動きからの局面の変化を読んでいるのでしょうか?

では、時々、コメントさせていただきますので、どうぞ宜しくお願いします。
返信する
こんにちは。 (Logical Space)
2007-09-22 14:23:08
自分も楽しんでいるので、一緒に、王座戦の第2局を楽しみましょう。

何かあれば、質問してください。
分かる範囲でお答え致します。

では、楽しみましょう。
返信する
42手目 (Dancho)
2007-09-22 17:09:29
再びこんにちは。

42手目…色々考えましたが、やはり△7四歩で仕方なかったでしょうかね…。

おっしゃるように、△2六歩は後手が良くないですから、これは久保八段も読んでいたでしょうね…。

だとすると、苦しかったのですが、小生は△7四歩とし、本譜の通り、▲7六金と引いて…の順しか浮かばなかったです。

他にやるとしたら、どんな手だったのでしょうか?

今、54手目△4四角と元の位置に引いたところまで進んでいますが…。

現時点は、「中盤戦」と見ていいのでしょうか?
いやいや…もっと実は進んでいて、「中終盤戦」あたりでしょうか?
返信する
難しいですか? (Logical Space)
2007-09-22 17:10:25
Danchoさんは、相振り飛車は指すのですか?
羽生王座vs久保八段の相振り飛車は、難しいですか?

私は、昔は相振り飛車は指しましたが、最近は避ける戦法になりました。
返信する
42手目 (Logical Space)
2007-09-22 17:20:49
後手だけの指し手であれば、△3三桂、△3二金、△5二玉という指し方もあるとおもいます。

でも、あまり凝った形なので勝てるかどうか?
自信はないです。

また、単に△1四歩です。
王手飛車を避ける手です。狙いがあまりにも単調なので、どうでしょうか?

でも、後手の指し方はいろいろとあると思います。

30秒将棋ならば、△1四歩を選んでいたかもしれません。
返信する
7月に父と指したときは… (Dancho)
2007-09-22 17:25:21
7月に父と指したときは、父が居飛車ですので、対抗型でいくらか戦えるのではないかと思って、小生が四間に振りました。手順は今回の羽生王位と同じ▲7六歩→▲6六歩→▲6八飛としました。

ですが、序盤の駒組みが下手な上、実践での絶対的経験値が少なすぎて、短手数で負けました。

どの戦型も、小生には難しいですね…。

勉強あるのみです。
返信する
プロでも同じ (Logical Space)
2007-09-22 17:35:44
相振り飛車の絶対的経験値の経験値は、Danchoさんとプロでは、同じです。
もちろん、「読む量」と「筋を読む」のはプロの方が上ですけど。

相振り飛車は流行ったのは、ここ2~3年のあたりです。定跡も全然ありません。
本当に読む力だけが勝負の将棋です。
本当に、力将棋ですよ。未知の将棋です。

今は、中盤戦です。
終盤戦は、まだまだだと思います。
返信する
ライブ中継ありがとうございます。 (kurouma)
2007-09-22 18:22:13
今日は仕事で昼間の更新ができませんでした。たった今帰宅したところです。

こちらでライブ中継していただき,ありがとうございます。道場三段の方の解説付きなので非常に参考になります。

相振りになったのは,ちょっと意外でした。今シリーズ,羽生三冠は相振りで行こうと決めているのかもしれませんね。
返信する
なるほど… (Dancho)
2007-09-22 18:44:35
なるほど…。

そういうお話をお伺いできただけで、目から鱗が落ちるような思いですね。全てが勉強になります。深謝です。

ちょっとNIKKEI NETの特集記事を読んだりしてみましたが、この将棋…プロの棋士の皆さんも「力戦型」とみているようですね。

小生も手詰まり気味で、「次…どうするんだろう!?」と考えながら見ています。

63手目は、おっしゃるように、小生も▲9七角と引くのかな?と思っていますが…さて。

両対局者がどんな指し手を繰り出して、見ごたえある終盤戦を展開するか…注目したいです。

改めて思いますが…面白いですね~、将棋って。
返信する
複雑な変化 (Logical Space)
2007-09-22 19:18:10
kuroumaさんはアマ二段なので、少し複雑な変化でも書いて見ようと思います。

羽生王座が、久保八段の純粋振り飛車を避けている感じはしますが、相振り飛車で行こうと決めているかは、分かりませんね。
返信する

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