MARU にひかれて ~ ある Violin 弾きの雑感

“まる” は、思い出をたくさん残してくれた駄犬の名です。

頭の体操 (125) 漢字クイズ 問題/解答

2013-01-03 00:00:00 | 頭の体操 漢字クイズ

01/03    頭の体操 (125) 漢字クイズ




        『これまでのカタカナ語句には、

        カタカナ部分のみ各回ごとに載っており、

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 09/16 ~ 09/26 に登場した外国語の人名、地名、用語が、
カタカナ表記で (1) ~ (20) に、登場した順に並んでいます。

 また、(A) ~ (T) に並んでいるのは、それぞれを漢字で
表記
しようとしたものですが、どう読めばいいでしょうか?



(1) ハーチェク記号    (2) 弟ラウール氏    (3) イエズス会

(4) フリーメーソン     (5) カトリック     (6) サウラウ伯爵

(7) 学者のディーレ  (8) 学者のセールレーシ  (9) アリオン賞

(10) シャガール    (11) ヌーシュ叔父さん    (12) カプセル

    (13) チューアブル錠    (14) チューインガム

(15) レオ・ダニダーフ   (16) レヴュー   (17) ギムナジウム

    (18) 宣伝相ゲッベルス   (19) 非ナチ化裁判

         (20) スイス・ロマンド管弦楽団

(A) 暇臥   (B) 例父君   (C) 奢画有   (D) 暇取狗

(E) 家住空      (F) 不利鳴損      (G) 悪狸温床

(H) 昼危路上    (I) 酎因果夢    (J) 雛稚火災番

(K) 縫酒男持参  (L) 角斜之出入  (M) 父虎羊毛糸

    (N) 歯千重狗飢豪    (O) 茶恨雨八苦酌

    (P) 客車乗流麗子    (Q) 義務無慈雨無

  (R) 羨殿消月減留守    (S) 例男駄逃出悪父

        (T) 簾椅子老男不退減額断




[解 き 方]


  ・ 漢字を読み、主にその音を用いて、原語での発音を表わそうと試みた
   ものです。

  ・ 音読み訓読みが混ざっています。 必要な場合は、濁点()、
   半濁点()、送り仮名を補ってください。

  ・  従来のカタカナ表記による読み方とは、必ずしも一致しない場合が
   あります。

  ・  音ではなく、単語の意味を外国語に置き換え、その発音を用いる
   こともあります。 「星 → スター」、「太陽 → サン」のようにです。
    今回は箇所あります。

  ・ 口語的俗語的にくだけた読み方をすることもあります。
   (例) 「汚 → きたねぇ」、「社長 → ボス」。
    今回は箇所あります。

  ・ 漢文もどきに、順番を入れ替えて読む場合もあります。
   (例) 「不読 → よまず、よまん、よまない」。
    今回は箇所あります。

  ・ 人名漢字の中には、“”、”” ともに含まれている場合もあります。 
   姓に加えて "first name" をご自分で補ってください。
   (例) 「ヨーゼフ・シュトラウス」。
    今回はありません。

  ・ 音や意味とは無関係で、漢字から連想しないと解けないものも!
    今回はありません。

  ・  厳密に見るといい加減なものもありますが、そこは冗談の世界。
   お見逃しくださいませ。



   解答
    ↓





以下、09/16 頭の体操 (117) 漢字クイズ 問題/解答より




(1) ハーチェク記号  (N) 歯千重狗飢豪

 ウチのまるチャンには、何度も咬まれたことがあります。
いずれも左手の指ですが。

 「飼い犬に手を咬まれる。」 そう、飼い主に言わせれば、
信頼を裏切られることですね。



 「違うゾー、ワン! ヒトが折角いい気持で寝てるのに、
しつこく撫でるから、いけないんだゾー、ワン。」

 それ、僕じゃなく、おじいチャンだったでしょ? 「尻尾、
振ってるから、大丈夫かと思った」…って言ってたよ?

 「イヌはね、ウザいから尻尾、振ることもあるんだぞ!?
そんなことも知らないのか? maru は。」

 とにかくね、いきなり咬むのは止めてほしかったんだ。
キミを、そんなふうに躾けた覚えはないよ。



 「…しょうがないだろ、ワン…。 物心がつく前に、兄弟
から引き離され、捨てられゃったんだから、ボク…。」

 そうだね…。 じゃれ合いながら咬み合って、加減を
測る機会が無かったからね、キミの場合は。



 「……。 もう咬まないゾ、ワン。」

 そりゃ、そうだ。 もう天国にいるんだからね、キミは。



 「今年もよろしくね? ワン。」

 仲良くしようね、ワン! 八重歯や犬歯で
咬むの、止めようね?

 「…じゃ、何か別の物、齧るけど、いいな?」

 ……?




(2) 弟ラウール氏  (M) 父虎羊毛糸

 「なんだ? これ。 ウ~。」

 ほら、フィデルさんの弟だよ、キューバの。
まるチャン、知らなかった?



 「“臼歯” のことじゃないのか?」

 ……。




(3) イエズス会  (E) 家住空

 「今度は何だ? 空中都市、マチュピチュか?」

 違うよ。 “カトリックの男子修道会” って書いて
あるでしょ? 日本に来た人だっているんだよ?

 「へぇー、そうなの?」



 キミの場合は、空 (から) の犬小屋だったよね。
よく脱走したもん。

 「…! そんな古いこと、言うなよ、ワン…。」

 よく怒鳴られて困ったよ。 『ウチの畑で**させるの、
止めてくれないかな! お宅の犬に間違い無いんだ。
もう逃がすなよ!』…って、何度言われたと思う?

 「………。」




(4) フリーメーソン  (F) 不利鳴損

 「変なのばっかり出てくるな、ワン…。」

 秘密結社、友愛結社と呼ばれる組織だよ。

 「カトリックか?」

 いや、宗教とは違う範疇の組織なの。 Mozart が
かぶれていたのは有名な話だし、Beethoven も…と
いう説さえあるんだ。



 「集まって、何か儀式でもやるの?」

 そうだよ。 関連するシンボルや道具、衣類、装飾品
など、様々なものがあるんだ。



 「あ、ボク、知ってるよ!」

 え?

 「どんな事、訊かれても、ただ黙ってなきゃいけない…
っていう、試練の場があるんでしょ? 『マテキ』に。」

 そう、沈黙には勇気が要るから。 でも、よく知ってる
ね、まるチャン。 MOZART のこと。



 「やっばりなー、ワン。 下手に鳴くと、損するから、
不利鳴損っていうんだよ、ワン! そうでしょ?」

 はいはい…。




(5) カトリック  (D) 暇取狗

 そう言えば、よく吠えたね? まるチャン。 外で飼って
いたとき。

 「うん。 だって、色んな犬が通って、庭の中、入ろうと
するんだもん、ワン。」

 それ、ただ通り過ぎるだけだよ。 ちゃんと綱、着けて、
散歩してる犬だもの。

 「でもボク、嫌なんだ。 ウチの領分に侵入されるよう
な気がするもん。」

 …接続水域か…。



 「それにね、言っとくけど、蚊取り線香はあって
も、“蚊取り狗” なんて、いないんだからからね?
蚊には、本当に悩まされたよ、ワン。」

 …まるチャン? “取狗” とは書いたけど、
取狗” じゃないよ?

 「…、あっ…。」



 センザイ的に優秀なイヌなんでしょ? キミらしくないな。

 「……お暇を取らせていただきます……。」




(6) サウラウ伯爵  (O) 茶恨雨八苦酌

 この人が亡くなったときにね、『菊』っていう、
葬送のための音楽を書いた人がいるんだ。
プッチーニだよ。

 「伏地犬…? きっと悲しかったんだろうな、
そのワンちゃんも…。」

 ………。




(7) 学者のディーレ      (L) 角斜之出入

(8) 学者のセールレーシ  (P) 客車乗流麗子



 次の作曲家は、バルトークだよ。

 「遥遠? 吠遠? ワオ~~ン…。」



 バルトークの楽曲一覧には、こう書いてあるんだ。

 “DD番号” は、デニス・ディーレ (Denis Dille) が作成
した作品目録の番号である。 この番号は主に初期に
作曲された作品に付けられる番号である。

 “Sz番号” は、セールレーシ・アンドラーシュ (András
Szőllősy) が作成した、バルトークの音楽作品と音楽学
論文の目録に付けられた番号である。



 “BB番号” は、ラースロー・ショムファイ (Laszlo
Somfai
) によって作成された作品目録の番号である。



 「ショッパイBB弾? あれは痛いんだ! ボク、
怖いよー…。」

 「“BB番号” の制作は現在進行中である。」…
って書いてあるけど、確かもう完成してるはずだ。




(9) アリオン賞  (G) 悪狸温床

 これはね、若手の音楽家、研究者を励まし、助成する
制度だよ。 その中にはね、柴田南雄音楽評論賞って
いうのもあるんだ。

 「シバッタ軟尾?」

 違うよ、まるチャン。 “南雄” って書いて、“ミナオ”
って読むんだ。



 「変なの…。 オリオン座は、北の空だぞ!

 …。

 「それに、狸でも受賞できるのかー?」




(10) シャガール  (C) 奢画有

 画家のマルク・シャガールの作品にはね…。

 「まる狗・写ガ―ル? ボクは♂だぞ!?」

 …あのね…。

 「それに、簡単に写メールしちゃ、駄目だぞー!
イヌにだって、肖像ケンがあるんだから。」




(11) ヌーシュ叔父さん  (K) 縫酒男持参

 彼の絵には、よくヴァイオリンが登場するでしょ?

 「家畜も出て来るぞ。 一番の友だちだったんだゾ。」



 ほら、“屋根の上のヴァイオリン弾き” って知ってるよね?

 「犬はそんなこと、しないね。 きっと猫だぞ。」

 ヌーシュおじさんっていう人が、母方の伯父にいたの。
家畜商なんだけど、週末になると、いつもヴァイオリン
弾いてたんだって。

 「猫は家畜じゃないぞー。」



 で、その伯父さんが “どんなヴァイオリンを弾いたか”
を研究した人がいるんだ。

 「へえー。」



レクチャーコンサート講師 伊東信宏さんインタビュー



 「もっと知りたい人は、こっちだよ、ワン。」

       ヌーシュ叔父さん



 「ヴァイオリンにも色々あるの?」

 まあね。

 「maru のは、高い楽器か?」

 いや、でもラベルが貼ってあったな…。 ちょっと
見て来るから、待っててね?

 「……さっき食べちゃったから、もう無いぞー。」



        Abbie Conant さんより




以下、09/26 頭の体操 (118) 漢字クイズ 問題/解答より




(12) カプセル  (A) 暇臥

 “小箱” を意味するラテン語の capsula に由来し、
何かをつめておくための容器のことを表す。 …
って書いてあるよ。

 「イヌを詰めちゃ、駄目だぞ! ボクが “伏せ”
するのは、犬小屋だぞー。」




(13) チューアブル錠  (H) 昼危路上

 薬には、散剤、液体、カプセル入りのもののほかに、
わざと噛み砕き、口の中で溶かすようなものもあるよ。

 「あのヴァイオリン、おいしくなかったぞー。」




(14) チューインガム  (I) 酎因果夢

 “chewing gums” の “chew”、“噛む” だよ。

 「また手、咬みたくなったぞー。」




(15) レオ・ダニダーフ  (S) 例男駄逃出悪父

 こちらはフランスの作曲家。 で、チャプリンの
映画が、よく引き合いに出されるんだ。

 「咬んだら、また逃げ出すんだろうな、ワン。」




(16) レヴュー  (B) 例父君

 フランス語の “revue” になると、「音楽やコント踊り等
で構成された華やかで洒落ていて時事風刺の効いた
舞台エンターテイメントショーのこと」…って書いてある。
評論や、文献探しとは、だいぶ意味が違ってくるね。

 「真面目に演奏してても、コントや踊りに見える人、
いるぞー。」

 ……。




(17) ギムナジウム  (Q) 義務無慈雨無

 中学校からの一貫教育システムだよ、ヨーロッパの。
もともとドイツ語なんだって。

 「入学試験無しで進学、できるの? だから、“義務無”
…って書くんだ! ワン。」




(18) 宣伝相ゲッベルス  (R) 羨殿消月減留守

 諏訪根自子さんていうヴァイオリニスト
がね、昨年亡くなったの。

 「座寝事故?」



 その人に、“ストラディヴァリウスと伝えられるヴァイオリン
を贈った”…のが、このゲッベルスなんだ。

 「へえー。 高いんでしょ?」



 問題はね、それが “どういう楽器だったか”…っていうことさ。

 「??」

 僕がお世話になった、チェリストのアーロンソン先生はね、
高価なチェロを2台も没収されたの…。 その上両親を処刑
され、一緒に収容所へ連行された妹さんまで殺され、自分も
結局アウシュヴィッツまで送られて…。

 「………。」

 やはり教え子の友人はね、拷問の傷跡を見た…って
言ってたよ…。 ユダヤ人音楽家はね、当時誰でもそう
いう目に遭ったんだ…。



 「酷いなー、ワン! で、戻って来たの? その楽器…。」

 いや、戦後になってから、西ドイツ政府に何度も手紙を
書いたんだけど、結局駄目だったの。

 「………。」



 だから、ゲッベルスが贈ったこのヴァイオリンも、元は
ユダヤ人音楽家の持ち物だった可能性が無いとは言え
ない。 そう思うと、単純には喜べないんだよね…。



   関連記事 『頭の体操 (123) 漢字クイズ 問題/解答』
            (2) アインシュタイン





(19) 非ナチ化裁判  (J) 雛稚火災番

 「なんだ? 非ナチ化って。」

 ナツィスの影響を完全に排除しよう…っていう、戦後の
風潮だよ。 フルトヴェングラーが裁判にかけられ、結局
無罪になったことでも有名なの。



 「…もうすぐ “雛近” だぞ、ワン。」

 …? あのね、まだ二ヶ月もあるよ? まるチャン…。




(20) スイス・ロマンド管弦楽団

               (T) 簾椅子老男不退減額断

 このオーケストラを作ったのは、指揮者のエルネスト・
アンセルメ。 ナツィスの下で危険な行動を取っていた
フルトヴェングラーを、何度も客演に招いたの。

 「??」

 “亡命するときは、いつでも手助けしますよ”…っていう
意味なんだ。

 「へえ…。」



 結局彼は、ヴィーンの公演直後に、スイスへ逃れたの。
遂に逮捕状が出たからで、一歩遅かったら、収容所送り
になってたろうね。

 「キミの年金の減額どころじゃ済まないよ、ワン。」

 ……。




 今年もよろしくお願いします。

 「今年もよろしくね? ワン!」



 お疲れさまでした。