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MARU にひかれて ~ ある Violin 弾きの雑感

“まる” は、思い出をたくさん残してくれた駄犬の名です。

おと 音 OTO 汚斗 オト

2009-10-21 00:10:24 | その他の音楽記事

10/21    まるチャンの「何だ、これ!?」 (27)

           おと 音 OTO 汚斗 オト





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     今までの『ボクの出てきた記事』一覧だよ。




 やあ、ボク、まるだよ、ワン!

 みんな元気?

 ボクね、今、演奏中なの…! ちょっと待ってね?




 … やっと終わったよ。

 でも、演奏会場じゃないんだ。 聞いてるお客さんはね、
ウチの maru のやつ、一人だけだったの。



 それで maru ったらね、最初は、「まるチャン、早く始め
なさいよ」とか、「楽器が無いと出来ないんじゃないの?」
とかね、うるさいことばかり言ってたんだ。 でもそのうち
にね、眠っちゃったんだよ! 椅子に座ったまま。



 でも本当はね、そのときボク、とっくに演奏始めてたの!
maru ったら、それが解らないでね、結局寝ちゃったって
いうわけなんだ。 自分で変な音、色々出しながら。




 もう解ったでしょ? ボクが演奏したのは、この前の曲、
ジョン・ケージの『4分33秒』だよ。

 それにしても maru の "いびき"、本当にうるさかったな~。



 ほら、「通常の意味での演奏行為を行わない『4分33秒』」
って、書いてあったよね? だからボク、静かにしてたのにさ。

 自分が本当は演奏者だっていうの、解らないんだもん、
maru ったら。 変な音楽家だねー。




 ところでケージさんにはね、『4分33秒』第2番っていう曲
もあるんだよ。



 「何だ? また演奏者が音を出さない曲か? それじゃあ
"第1番" と変わらないじゃないか…。」


 でも、違う曲なんだよ…。 それにね、別名で『0分00秒
(『4分33秒』第2番) っていう名前が付いてるんだ。



 何だか紛らわしいよね。 これ、クリックすると (↑) たくさん
書いてあるけど、「何をしてもよい」方が『0分00秒』って覚え
ておくといいよ?




 「何してもいい」なんて、面白いね?

 ただしね、演奏に関係がある動作だけは、しちゃいけない
んだって。 それ以外の、「字を書く、歯を磨く、タバコを吸う、
水を飲むような行動」ならいいって書いてある。

 そういうときに出る色々な音が、本当は目的らしいよ。
普通は "雑音" って言われちゃう音のことだよね、日常
生活で出る音だから。



 「ケージは初演の際に、自身の眼鏡や万年筆、また灰皿
などにコンタクトピックアップを装着し…」って書いてあるから、
やっぱりそういう音を聞かせたいらしいよ。




 『0分00秒』って言っても、ちゃんと時間がかかる "音楽"
なんだね。 なのに、どうしてそんな名前、付けたのかな?

 ボクね、「楽音を期待しても駄目ですよ、そんな音は1秒
たりとも鳴りませんよ」っていう意味なんじゃないかと思うん
だけど、違うかな? ほかに思いつかないんだ、理由が…。



 ところで、ボクがもし「ワン!」って吠えたら、それ、音楽
になるの? それとも雑音? maru のやつはね、きっと
「うるさい!」って言うよ。

 ボクにとっては立派な歌なんだけどな~…。



 そうだ! それからさ、ボクが床を歩くときに爪がパチパチ
鳴る音はどうなのかな…? ブルブルブル…ってやるときに
も音が出るよ?



 ジョン・ケージのおじさんに、ボク、訊いてみたいなー…。




 音源、下に色々あるよ。 聴衆が画面に写っているときも、
写ってないときもあるけど。 「聴衆が演奏者だ」なんて、
どこかに書いてあったよね。

 でもね、本当の "聴衆" って、一体誰なんだろうねー。
もしかすると、それを観てるボクたちなのかな~。




 『0分00秒』の音源だよ。

  ① HairCut

  ② ruEd (plays Cage) - 0'00" (excerpt)



   ①は床屋さんのときの音だね。 ②はチェスの対局だけど、
  4分を過ぎたあたりからピック・アップ・ギターが、はっきり画面に
  出てきちゃう (合成版)。 これ、「ちゃんとした演奏じゃないから
  構わない」っていうのと、「楽器の音だからやっぱり駄目だ」って
  いうのと、二つあるよね、考え方が。




 

 『4分33秒』の "音源"

   (最初の "トリビア" はこの前と同じものだよ。)




 ピアノ



  [トリビア 4分33秒間全く演奏しない曲がある



  [John Cage - 4'33" by David Tudor
    (最初と最後に字幕付きの解説があるよ。)



  [John Cage performs "4:33"
    (短い英語の字幕が付いてるよ。)

   This is Zen for TV.
   テレビ収録用の "禅 (ぜん)" です。

   Open your window and count the stars.
   窓を開け、星が幾つあるか数えてみてください。

   If rainy count the raindrops on the puddle.
   雨が降っているようなら、水滴のポチャポチャいう数を。

   Do you hear a cricket?
   コオロギの鳴き声は聞こえますか?

   ...or a mouse
   あるいはネズミの物音でも。




 おもちゃピアノ

  [4'33" by John Cage on Toy Piano




 クラシック・ギター(乗り合いバスの中)

  [4:33''

  曲を紹介したり、終わってから「ありがとう」なんて言ってる! 変なの。




 オーケストラ

  [John Cage "4'33"




 音楽ソフトによる演奏

  [4'33 Mario Paint Rendition




 参考

  [27 sounds manufactured in a kitchen
           ~ John Cage modern music


  [John Cage about silence

  [JOHN CAGE "Words"



演奏しない曲?

2009-10-20 00:15:51 | その他の音楽記事

10/20    まるチャンの「何だ、これ!?」 (26)

              演奏しない曲?





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 やあ、ボク、まるだよ、ワン!

 みんな元気? ボク、元気だけど、とても眠いよ…。



 だって、あのサティーっていう人、覚えてる? 『犬の
ためのぶよぶよした本当の前奏曲』なんて、変な題名
の曲、作った人。

 それに、18時間もかかるピアノの音楽、あったでしょ?
ボクね、あれ聞くと、すぐ眠くなっちゃうんだ。

 『ヴェクサシオン』なんて、題名も言いにくいよね?



 ハクション…? 犬でもするのにな…。 ボクならね、
『健康な犬の本当の安眠を誘うための皮肉な前奏曲』
にしちゃうよ。 どう?

 その方が、CDだってどんどん売れると思うのにな。
ボク、レコード会社に教えてあげようっと!




 この前は長い曲。 今日は短い曲のお話だよ。




   「初めて体験した無響室に入ったとき、彼は体内からの
  音を聴き、沈黙をつくろうとしてもできないこと、自分が
  死ぬまで音は鳴り、死後も鳴りつづけるだろうと考えた。
  この体験は作風に大きな影響を与えた…。」



 うわぁ、急に難しくなっちゃったよ、ボクには…。

 これね、ある作曲家のことなの。 誰だか、判っちゃうかな?
名前、教える前に、もう少し続けるね?




   「彼は演奏者が作曲者になり、聴衆が演奏者になり、
  作曲家が聴衆になって、音によって互いに影響し合う
  と考えた。」



 あれ? 何だ、これ、どういう意味だ? お客さんが楽器
持って、ステージで演奏し始めるのかな…??

 もうちょっと先、読んでみようね?




   「1950年代初頭には中国の易などを用いて、作曲
  過程に偶然性が関わる "チャンス・オペレーション"
  を始め、さらに演奏や聴取の過程に偶然性が関与
  する不確定性の音楽へと進む。」



 えっ? 音楽が偶然に出来ちゃう? どうなるか作曲家にも
解らないの? やっぱり現代の人みたいだね…。



 でも、聴いているうちに変わっちゃうの? 音楽が。 それじゃ、
一体どんな音楽になるのか、誰にも解らないじゃないの!?




   「やがて、それまでの西洋音楽の価値観をくつがえす
  偶然性の音楽を創始し、演奏者が通常の意味での
  演奏行為を行わない『4分33秒』や、何をしてもよい
  『0分00秒』などを生み出した。」



 変なの…???




 これね、全部ジョン・ケージっていう人について書いてある
ところから、みんな書き写しただけなんだ。 クリックすると、
もっとたくさん書いてあるよ。



 楽器を鳴らさない『4分33秒』とか、勝手な『0分00秒』とか
書いてあるね。 何だ、これ?

 それに、どうして "時間" が題名になってるの?

 maru のやつに訊いたらね、『哀歌、8分26秒』なんてのも
あるんだって。 ほかの人の曲だけど。



 こういうの、一体どんな音楽なんだろうね? 変だねー。




 あっ、『4分33秒』っていう音源、あったよ!

 ぼく、ちょっと "観て" みようかな…。



  [トリビア 4分33秒間全く演奏しない曲がある




  (続く)



世界一長いピアノ曲

2009-10-18 00:49:11 | その他の音楽記事

10/18    まるチャンの「何だ、これ!?」 (25)

            世界一長いピアノ曲





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 やあ、ボク、まるだよ、ワン!

 みんな元気? ボク、元気だよ…。




 でも本当のこと言うとね、ちょっとメゲてるの。

 だって、ほら、ひどい目に遭ったでしょ? 前回…。



 あれね、全部、カイ君の悪戯だったの。 知らないうちにボク
の携帯にね、ダウンロードさせちゃったんだって、新しい着メロ。

 会社ぐるみで、そういうことさせちゃ、いけないよね?




 でもカイ君、あとから電話かけてきてね、励ましてくれたよ。
「ほんの冗談だ、悪かったな、男はメゲずに逞 (たくま) しくなれ」
だって。



 だからね、ボク、またブログ、続けるよ。 それも、またピアノ
のこと、書いちゃうんだから!

 ボク、逞しいでしょ?




 あのね、ピアノの曲で一番長いのって、何だか知ってた?



 ゴルトベルク変奏曲? バッハの。

 そうだよね、「睡眠薬として作曲された」って言われるぐらい
だもんね。 "繰り返し" の部分、ちゃんと弾くと、確かに70分
以上かかるよ。



 でも、ずるいのはショパンだよ。 マズルカの中にはね、
「無限に繰り返せ」って書かれてるのもあるんだ。

 Op.7-5 ハ長調と、Op.68-4 ヘ短調だよ。

 これだと永遠に終わらないよね、理論上は。 ショパンって
悪い人だなー。

 わかった、だから "マずるカ" って言うんだ!




 でもね、もっとずるい人、いるんだよ。

 「ようし、∞じゃなければいいんだな」って、考えたみたいなの、
この人。 だって、曲はとても短いのにね、回数だけは一応指定
して、何度も繰り返させるんだもん。


 自分が書いたのはね、音符の数にして50個ぐらいの長さしか
無いんだ。 でも「840回繰り返せ」って書いてあるの!

 計算してみるとね、どう考えても 16~18時間、かかるんだよ。



 これね、フランスのエリック・サティ(1866.05.17-1925.07.01)
っていう人なの。

 曲の名前は『ヴェクサシオン』(Vexations) だよ。 これ、
"じらせること"、"いやがらせ" っていう意味なんだって。

 そんなことしちゃ、いけないよね?




 作曲家の死後に見つかった曲だから、いつ作られたかは正確
には解らないの。 でも1893年に始めて1895年に出来たらしい
んだ。 まだ30歳になる前のことだよ。

 ほかにもね、『祈り』、『ハーモニー』っていう曲があって、3曲
セットで、『神秘的なページ』っていう題名で出版されてるよ。
全体の題名は、別の人が付けたんだけど。




 でもね、サティっていう人は、自分の曲に変な名前ばかり
付けてるんだよね。 あんまりたくさんあるから、書いてると
キリが無いんだ。



 その中にはね、『の前奏曲』ってのがあるよ。 変なの!

 それもね、

犬のための、しまりのない (ぶよぶよした) 前奏曲』とか、

犬のための、しまりのない真正な (ぶよぶよした本当の)
前奏曲


なんていうんだよ。 ひどいねー。 失礼だねー。




 サティーはね、あのドビュッシーと、とても親しい友人
だったんだって。 もちろん尊敬し合ってたんだよ。



 だけど、「840回繰り返せ」なんて、それっていけないよね?
紙とインクだけで済んじゃうんだから、自分の方は。

 聴く人もたまらないよね。




 でも本当に可哀想なのは、演奏者だよ。 一人だけじゃ
とても無理なんだ、18時間もぶっ続けで演奏しろなんて。

 「昔この曲を一人で弾こうとしたピーター・エヴァンスは、
595回まで弾いたところで幻覚症状に陥り、演奏をストップ
した。 そのとき 15時間かかっていた…。」

 …下の音源の『トリビア』の中では、そんなふうに言ってる
よ。 "正直な人" だからこそ、倒れちゃったんだ。



 そう言えばね、この曲、前回の "着メロ" の曲と、雰囲気が
似てない? 不安げで、捉えどころの無い感じが。 それに、
「終わりました」っていう気が、あまりしないもんね、この曲は。
一回ごとに聞き終わっても。

 だから演奏者が、よけい錯乱しちゃうんだよ? きっと。




 ひょっとして、「本当に演奏するなんて、馬鹿だね~」って
思ってたのかな、サティーは。

 「ほんの冗談のつもりで840回って書いただけなのさ」
なんて、今頃ニヤニヤしてるよ、きっと。 いけないねー。

 「長い楽劇なんか、20年以上かけて書かなくたって、この
方がずっと長いのに」…なんて言ってるかもしれないよ。



 そう言えば、"Satie" を "satire" にすると "皮肉" っていう
意味になるよね、英語で。 アールがアルといけないねー。

 SATY じゃないぞ…?




 でも "ずるい人" なら、作曲者のほかにもいるよ。
誰? 出版社?

 ボク、"**会社" じゃないかと思うんだけどな。



 ヒントはね、"70" っていう数字だよ。



 答だよ。 「 "ずるい人" って、誰かな?」

   → [Erik Satie: Vexations [Import] [from US]




 音源はね、たくさんあるから、ここに書くのは少しだけだよ。

 じゃあ、またね!?




   [トリビア 演奏するのに18時間かかる曲がある

   [音源ページ

   [John Cale - I've Got a Secret] (アメリカのクイズ番組だよ)



世界一恐ろしいピアノ曲

2009-10-17 02:00:06 | その他の音楽記事

10/17    まるチャンの「何だ、これ!?」 (24)

           世界一恐ろしいピアノ曲





          これまでの 『その他の音楽記事』




     今までの『ボクの出てきた記事』一覧だよ。




 やあ、ボク、まるだよ、ワン!

 みんな元気? ボク、元気だよ。



 今日はね、ボクが見つけた音楽、聴いてね? ピアニストなら
誰でもビックリするほど、難しそうな曲なんだ。




 まず原曲だよ。 説明と、少し遅れて音も出るよ。

   『マルセリーノの歌



 これがね、こんなふうになっちゃうんだって。

   [超絶技巧 マルセリーノの歌 楽譜付き




 何だ? これ。

 人間って、指は10本だよ。 でも、もっと無いと弾けないんじゃ
ないかな? 2段の楽譜、大譜表っていうんだよね。

 でも、途中で楽譜の段が3段になる所、あった! 手足、三本
使わないと弾けないよ? それって、反ソクだよね。




 これ、「世界一難しい "と思われる" 曲」って書いてある。

 …っていうことは、もっと難しくて恐ろしい曲、あるのかな?

 ちょっと探してみようっと…。




 あったよ。 『世界一難しいピアノ曲』だって。

 どっちも "世界一" だって。 変なの…。



   [English Country Tunes



 ウワーン、これ、本当に音楽なの?

 イギリスへ行くと、みんなこれ、歌ってるのかな。 いなか、
散歩しながら。 口笛、吹いたりして。 そんなことしても、
犬は誰も寄ってかないと思うけどな。

 そう言えば、犬がたくさん走り回っているような音楽だよ。



 そうだ! ピアノの蓋、開けてもらって、その上でジャンプして
みようかな、ボク。 そしたらたくさん音、出せるよ。

 でも鍵盤、ちょっと狭いかなー…? 椅子から跳び移ればいい
よね! 雨の日は、お散歩代わりに、ちょうどいいや。



 でも、今は maru のやつが隣りで楽器、弾いてるから駄目
だな…。 ボクひとりだと、「うるさい!」って、怒られるかも
しれないしな~…。




 ようし、あとで近所のネコちゃん、二、三匹連れてきて、一緒
にやっちゃおうっと!

 誰がいいかな? ポン太と、クースケと…。 それにウシネコ
なら来てくれるかもしれないな。 ホルスタインそっくりの、白黒
の模様してる猫なんだよ。



 こいつは面白そうだぞ。 みんなでやれば、ちっとも怖くなんか
ないよ。 ね!



 そうだ、maru のやつにも聞かせてあげようっと。 可哀想だ
もんね、仲間外れにしちゃ。

 そしたら、きっと褒めてくれるよ。 「キミにもいい室内楽仲間
が居るんだな~」って。

 ♪ボク、楽しみだな~♪




 おや? まだ音源があるぞ。



   [着信アリ~着信メロディ~ピアノ



 でも、これ、そんなに難しそうじゃないよね? 弾くのは。

 "着メロ" って書いてあるな。



   [自動演奏



 ほらね、やっぱり電話で鳴る音楽なんだ、もともとは。

 でも、何だか、気味が悪い曲だな。



 あれ? 『楽譜付き』っていうのもあるぞ。



   [着信アリ 「着メロ」(楽譜)



 ね? ちっとも怖くないよ。 ボクにも弾けないかな…。

 そう言えば、カイ君もいつか練習してたな。 キーボード、
片っ方のアンヨで。




 そうだ、一緒に並んで二人でやったら、この曲、弾けない
かなー。 それ、連弾っていうんだよ!



 カイ君、今日も忙しいかな…。 ちょっと電話してみようっと。

 えーと、マル ハチ マル、ワンワンワンワン、…。

 「… … … … … …。」

 つながらない…。



 変だな、いつもと違う応答だよ? 留守番犬話センターだって…。

 「メッセージをどぉ~ぞ」って言うから、残しといた方がいいかな?
でも、何だか気味が悪い喋り方だな、アナウンスの女の人…。



 「やあ、ボク、"まる" だよ。 … …。」

 これでよしと! きっとすぐにかけてきてくれるよ。




 でも、この音源、さっきから、最後に、「ヒーッ」ていうのが
聞こえるけど、あれ、何の音だろうなー。

 人間の悲鳴じゃないよね? まさか…!

 何だか、怖くなってきたよ、ボク。



 そうだ、maru のやつは何してるかな。

 ねえねえ、「maru ~っ!」



 あれ? どこ、行っちゃったのかなー。 居ないぞ。
楽器だけ残ってるよ。 むき出しでひっくり返ってる、
床の上に。



 「今日は一歩もお部屋から出ないで、さらうよ」って
言ってたのに、おかしいな…。

 でも、ここ通らないと、外、出られないはずなんだ
けどな…。 靴は、ちゃんと置いたままだし??



 どうも奇妙な日だな、今日は…。



 あっ、電話だ!

 さっきから、何、ブルブル言ってんのかと思ったら、マナー
モードにしてたんだっけ、ボク。

 ちっとも気が付かなかったな。 きっとカイ君だよ! ほかに
ボク、居ないもん、タダ友。



 カイ君のときはね、『愛の讃歌』が鳴るんだよ、着メロで。
ほら、こうやって通常モードにすれば…。



   ["愛の讃歌" (原曲ver.)




 ウワーっ! 何だ、これ!



 ヒーッ、キャイ~~~ン!!! 怖いよーーー。



 maru~、maru~、助けてーっ。 どこに居るの~~!?



かわせみの歌

2009-10-13 00:14:39 | その他の音楽記事

10/13  かわせみコンサート ② ~ 日本の歌曲




          これまでの 『その他の音楽記事』




 かわせみの飛び交う野川。 そのほとりにある、地域の
小さな集会室。 そこで一体どんなメンデルスゾーンが
聞けるというのでしょう。



 受付で手渡されたプログラムには、以下のように記されて
いました。







 なるほど、"アンサンブル・コマエド" は、この日の時点では
オーケストラでも室内楽団でもありませんでした。

 小さな単位で協力を募り、賛同した有志たちが集う、演奏
発表の場です。おそらく仲間うちで声を掛け合い、友人関係
を頼ってプログラムを構成するのでしょう。 もちろんヴォラン
ティアに違いありません。

 「どこに座ろうか…?」 迷ったすえ最前列の、一番端に席
を取りました。



 定刻になり、司会者が登場します。 小さな会場が親近感
を盛り上げます。

 "聴衆" をそれとなく観察すると、ほとんどが "地域の年配
の方々" という様子です。 決して、「音楽に詳しく、研究心、
知識欲の旺盛な若人たち」という感じはありません。

 私の自宅に投函されていたチラシには、「午後はコンサート、
夜は落語」と書いてありました。 たまたま "メンデルスゾーン"
と記してあったので、私のような人間がひょこひょこ出てきた
わけです。




 最初にトロンボーンを吹かれる芳賀さんが、自己紹介を始め
ます。 「"何かメンデルスゾーンの曲を" という話があり、色々
探しましたが、これならトロンボーンでも吹けるかもしれない、
そう思って選んだ曲です。」

 なるほど、現代のフランス作品と共に演奏されたのは、チェロ
・ソナタの緩徐楽章でした。 「メンデルスゾーンの作品を必ず
1曲」…というお声がかかっていたのでしょう。 どうやらメンバー
は、みな、ある有名音楽大学に関係する方々のようです。



 次の曲は、私も初めて耳にした Violin Sonata です。 司会
者も兼ねる、このヴァイオリン奏者の方は、「Violin と Piano の
ためのソナタです…」と強調しておられました。

 なるほど、Mozart も Beethoven も Brahms も、"ヴァイオリン
・ソナタ" とは決して記してはいません。 むしろ、「曲を生かす
も殺すもピアニスト次第」と言ってもいいでしょう。

 "ソナタ" は名人芸を披露するようなジャンルではありません。
その意味では、楽譜全体を、より深く読んだ上で演奏に臨ま
なければなりません。

 特に "バランス" が問題です。 Violin 一丁では、ピアノの
音量にはとても太刀打ち出来ません。 ピアニストは、さらに
その上、右手左手の一音一音に配慮しなければならないこと
が多いものです。



 休憩の後は、ピアノの連弾曲です。 一台のピアノの低音側
と高音側に、二人の奏者が位置します。

 なかなか息の合った演奏でしたが、アンサンブルをピタッと
合わせるのは、"2台のピアノ" で演奏するより、むしろ難しいと
感じました。 演奏者同士が至近距離に並んでいると、お互い
を客観的に聞き合うのは、却って困難かもしれません。




 最後は歌です。 そして、普段はなかなか耳にする機会の
無い、日本の歌曲を幾つも聴くことが出来ました。  日本語
の歌詞に付けられた、日本の作曲家による歌。


 理想から言えば、「歌詞の内容が一言一句聞きとれる」のが
望ましいわけです。 しかし、詞に込められた文学的な内容を、
実演の場ですべて正確に聞かせるというのは、実際は不可能
に近いと言えます。

 「聞き手側に予備知識があるかどうか」も、重要な要素になり
ます。  しかしソプラノの松田さんは、歌を完全に自分のものに
しておられる感じがしました。

 詞と音楽を、ご自身がどのように感じているかが、よく伝わる
演奏だったように思われたからです。 特に私のような器楽畑
の人間には、大変恵まれた一時でした。


 そして言い忘れてはならないこと…。 ピアノの遠藤さんは、
大変繊細なバランスとニュアンスで、歌手を支えておられ
ました。



 貴重な午後の二時間を過ごし、再び野川沿いを歩きました。

 普段見慣れた当たり前の風景も、心なしか、一つ一つが
自分にとって、より生き生きと、密接に感じられます。

 かわせみは見かけませんでしたが、木々の緑、川沿い
のベンチで休む人々、サイクリング道路を行き交う自転車、
ワンちゃんと散歩をする人々…。


 私が生活している地元でこのような演奏に触れることが
出来たのは、まさに恵みと言うほかありません。



   (この項終わり)




 音源の前半、MENDELSSOHN は前回と同じものです。



チェロ・ソナタ第2番 ニ長調 Op.58 (1843年) 第楽章 Adagio


  Leandro Carino Sara Danti from Walton's House

  S.Istomin cello, V.Sofronitsky fortepiano

  Low Shao Ying, piano
  Ekachai Maskulrat, cello



          ******************


ヴァイオリン・ソナタ ヘ短調 Op.4 (1825年) [3楽章]


 第楽章

  Mintz plays Mendelssohn Sonata in F min Op 4 (1/3)


 第楽章

  Mintz plays Mendelssohn Sonata in F min Op 4 (3/3)


          ******************


アンダンテと華麗なアレグロ イ長調 Op.92 (1841)

         [ピアノ連弾]


  Yasuko Tomoda & Junko Kasahara

  Nicolas Bringuier und Olga Monakh,
     live aus Berlin, 3.02.2009.



(中途から)

  Melody Zhang and Terry Lam

  Chipak Olha - Kushnir Oleksiy

  Chris Lee and Joanne Chen

  Chris Lee and Joanne Chen

  中井葉月 秋元直子


          ******************


『歌の翼に』


 [Auf Flügeln des Gesanges] 音源ページ

     (以下はそのうちのごく一部です。)


  Sung by Peter Schreier
  Piano : Walter Olbertz


  Thomas Hampson, baritone
  Wolfram Rieger, piano



1. Auf Flügeln des Gesanges, Op.34/2  (『歌の翼に』)
2. Neue Liebe,         Op.19a/4 (『新しい愛』)
3. Venezianisches Gondellied, Op.57/5  (『ヴェネツィアの舟歌』)

  Lotte Lehmann



 以下は編曲版です。

  duo CASSIGNOL-DEMAREZ

  roland hp 203




別宮貞雄 『さくら横ちょう』

  Maki Mori

  Performed by Yo Kubota with Roland SC-88


          ******************


小林秀雄 『落葉松』

  Anna Hosogai Duet

  倍賞千恵子

  稲田マキ 渡辺有子

  宮本智子 ソプラノリサイタル2007

  musickeiko

  norimun

  オクサーナ・ステパニュック

  utakikijimukyoku


  混成4部合唱

  女声合唱

  Yamaguchi Chieko 女声合唱のピアノ伴奏

  女声三部版の Midi

          ******************


山田耕筰 『ペチカ』

  doushiyoka

  いずみ混声合唱団



『ペチカ』

  倍賞千恵子

  西村由紀江、岩崎宏美、岡本真夜

   wagamasurao800


 やあ、ボク、"まる" だよ!

 上の写真ね、ボクが生まれて一カ月ぐらいのときなの。



 下のは半年後ぐらいのときだよ。

 左の茂みの奥に、野川が流れてるんだ。 遊歩道は
右の上の方にあるんだよ。





 ボクね、ちょうどここらへんに捨てられていたのを、優しい
人が引き取ってくれたの。 一カ月間そのお宅で育てられ
てね、そのときに最初の小さな写真、撮ってもらったんだ。

 maru のウチに来たのは、すぐその後なんだよ、ワン。



 野川、今でもボク、大好きな川なんだよ。


 じゃあ、またね? ワン!