おやままさおの部屋

阿蘇の大自然の中でゆっくりのんびりセカンドライフ

ツユの合間に

2015年06月15日 07時32分38秒 | 日記
今朝の庭の薔薇。



昨日は少しだけ雨が上がった。

雨ばっかりだと体にカビが生えてきそうな感じがする

梅雨の間は割り切って小説の準備と読書。そしてゆっくり休息。



小説は今年は仕上がらないかもしれないが、構想はほぼ出来上がっている。

阿蘇のカルデラの中、南郷谷に長野という村があって、江戸期から明治にかけて70数年日記を書き続けていた男がいる。

長野内匠(たくみ)。この人の日記を去年古文書で解読する機会に恵まれ、その時いつかこの時代をテーマに小説が書けたらいいなーと思った。

テーマは明治維新という日本の近代の幕開け、大きな時代の区切りであった。
この革命が果たして阿蘇の山裾に生きる百姓にとってどうであったのか?

西南戦争と時期を同じくして起こった百姓一揆が一つのテーマであり、そしてもう一つ、阿蘇の修験の行く末。

阿蘇山に彼方此方から修験者が集まり一つのコミュニティーを作った。山上を古坊中、黒川のものを麓坊中という。

阿蘇を神と崇める修験者=山伏にとって、明治の訪れは閉鎖的社会からの宗教解放であった訳ではなく、徳川将軍に成り代った薩長の草莽の志士たちで作る政権が進める反動的宗教政策ー神仏分離、廃仏毀釈、そして天皇を頂点とする国家神道への国民の誘導策。これによって、修験道者は生きる道を奪われ、坊庵は完全に潰されてしまう。

図らずも熊本を舞台にして起こった士族反乱の幕締め=西南戦争、そして同じ時期に起こった阿蘇の百姓一揆。

激動する時代に生きた名もない百姓、男は百姓一揆を指導し、西南戦争では薩摩に肩入れし、ある日官軍との戦闘に参加する。
・・・

時代背景を国全体と熊本藩と村と3本に分けて年表を作り解説を添えたところ。

これからテーマ別に百姓一揆を調べ、修験者の動向を探り、筋立てを考えていく。

読書も時代ものを中心に読んでいて、特に「やま」を描いている作品で情景の描写を学んでいる。
今は高橋義男の『狼奉行』(直木賞作品)を読み終えたところ。
おもしろかった。が、果たして直木賞に値するかどうかは少し首を捻らざるを得ない。特に結末の描き方が尻切れトンボ。