おやままさおの部屋

阿蘇の大自然の中でゆっくりのんびりセカンドライフ

勇壮な火祭り

2009年10月15日 08時27分53秒 | 日記
昨夜、妻の実家の村で伝統の火祭りが行われた。結婚32年、ほとんど欠かすことなくこの祭りを見てきた。ひとつも変わらない歴史的な伝承のある祭りだ。1200年の時間を遡って、平安朝の時代、外国の海賊船に襲われた村人が襲来する恐ろしい異人を退治するために、枯れ木に火をつけて武器としたという。この火の応戦が姿を変え、現在は村の独身の若者衆と既婚者の男達に分かれて、独身組は神社の周りに円陣を作り、既婚者組の攻撃から社(やしろ)を防御するという形になっている。武器は椎の木のみ。両軍、拝殿に上がって、神主から清めの祓いを受けた後、両軍それぞれの配置に着く。既婚者組の代表がうやうやしく神主からご神火を受け取って、外側に陣取る既婚者達の椎の木点火。攻撃用の椎は祭りに備えて事前に山から若木を切り、何日間かかけて乾燥させてある。これを遠巻きに凄い量が積み上げられている。その一本一本に火を点けて、社にいつでも向けて投げ入れるのだ。独身組は飛んでくる火の点いた枝木を同じ椎で作った「さす又」でしっかり受け止めて投げ返すのだ。この必死の戦いが続く。独身組が手を抜くと、社に火が点いてしまうから責任が重い。現代に至るも誰一人女性でこの「戦闘」に参加するものはいない。なにしろ、火が飛び交うので、火傷は必至。皆消防団の厚手のはっぴ?やら覆面、手袋などで身を包んでいる。女性は顔に火傷でもしたら・・・と避けるのだろうかー神社の外には、もしもの場合に備えて、消防車が配備されている。いつでも消火に当たれるように。
用意した何百本かの椎の枯れ木がすべて使われてしまうと、境内に用意された竹を組んだ塔(ドンドヤの櫓)に点火される。この燃え方で一年の収穫を占うのだという。この村は昔からみかんの栽培で有名な地域。今年は雨が少なかったので甘みはあるが、小玉なのだという。祭りは男の勇壮なものだった。