手打蕎麦処 いっこう

2011年08月11日 | 蕎麦【県外】
ここは、たがた店主、田形さんに教えて頂いた店。
西八王子にある、いっこうです。
蕎麦打ち哲学の深さは、田形さんも凄いと認める、店主、柴崎さんに会いに行ったようなものです。
実は、柴崎さんと田形さんは同じ店で修行したとのこと。

事前に、静岡から行く旨も電話で伝えておきました。

伝えていた時間よりやや早く店には到着。
目立たない外観は伺っていましたが、これは、自宅の一部を店舗に改築したそうです。

柴崎さんは、宣伝をしないという営業くスタイルを開店から貫き、マスコミの紹介も断り続けたようです。
唯一が、太野祺郎さんの蕎麦手帳に紹介されたのみのようです。



お店に入る前にメニューを確認。



夏休みの案内も。



お店に入ると、ちょうど団体客が帰った後で、僕一人でした。
後で分かったのですが、僕の行く時間と重ならないように団体客の時間を調整してくれたようです。
とても嬉しい気遣いをしてくれる店です。
そこに、いっこうを一番良く知る、柴崎さんの旧知の方も来られて楽しい時間の始まり。

注文は、柴崎さんの提案で、粗挽き3兄弟の相盛りで。
混みが落ち着いたからこそ出せるメニューのようです。
運が良かった!
粗挽き3兄弟の名前は、藤枝のながいけでも使われていて、ここでは初めてでも、何とも親しみを感じました。



たがたで使用している、福井大野産の蕎麦を粗挽きで、右から、せいろ・手挽き・十割でしょう。
どれも粗挽きらしい風貌ですが、特に、手挽きは12メッシュでふるった、超粗挽き。



食べ比べると、共通しているのは、柴崎さんの追及している「ザラツル」な食感。
そして、荒々しいくらいの蕎麦の風味。
粗挽きにすると、穀物系の風味が増すといいますが、まさにその通り。

痩せた土地でも育つという、蕎麦の強さを感じます。

ですが、3つは3つで微妙に味が違うんですよね。

僕としては、手挽きが一番好きな蕎麦でした。
強い風味の中に微かに感じる甘みもあり、特に美味しかったです。



蕎麦湯を頂いて、食後、ここからが長い柴崎さんとの蕎麦談義。
柴崎さんの蕎麦に対する考えを、色々教えて頂きました。 
深過ぎて、ここでは書ききれないです。

中でも、蕎麦を打つ時の水回しで、噴霧式という独自の加水の仕方は、柴崎さん独自の打ち方。
そして、製粉の仕方など、柴崎さんのこだわりは留まるところを知りません。
しかも、今後も蕎麦打ちに対するこだわりは尽きることは無いと言われていました。
田形さんもそうですが、美味しい蕎麦を打つことに対する情熱の深い方の店は本当に良いです。
田形さんは、良い蕎麦粉を求めて全国を飛び回り、柴崎さんは美味しい蕎麦をどう打つかを研究するという計らずも、同じ目標を分業して担当されているようです。

こうした話を聞いていると、とても楽しく、予想以上に長居をしてしまいましたが、柴崎さんは、こういう話をしたくて店をやっているようなものだと言って下さいました。

ここは凄い店です。 遠路足を運んだ価値が十分ありました。
そして、間違いなく再訪するでしょう。

今度はかけを食べてみたいです。 
粗挽きのかけって、ツユをよく吸って美味しいんですよね~。

場所はこの辺り


■東京都八王子市日吉町8-16
■℡ 042-622-0792
■営業時間 11:30~14:30 夜(予約)17:30~20:30
■定休日 火・水曜日


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