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観た映画の感想とそれから連想したアレコレ(ネタバレ有)。

ダイ・ハード4.0  Die Hard 4.0 /LIVE FREE OR DIE HARD

2007年11月23日 | Weblog
監督:レン・ワイズマン
製作:ブルース・ウィリス、ジョン・マクティアナン、アーノルド・リフキン
製作総指揮:マイケル・フォトレル 、ウィリアム・ウィッシャー
脚本:マーク・ボンバック
音楽:マルコ・ベルトラミ
美術:パトリック・タトボロス
撮影:サイモン・ダガン
出演:ブルース・ウィリス:ジョン・マクレーン
   ジャスティン・ロング:マシュー(マット)・ファレル
   マギー・Q:マイ・リン
   ティモシー・オリファント:トーマス・ガブリエル
   クリフ・カーティス:ボウマン
   メアリー・エリザベス・ウィンステッド:ルーシー・マクレーン
   シリル・ラファエリ:ランド
   ケビン・スミス
2007/米/129mins.   ☆☆☆☆★

 前作『ダイ・ハード3』から12年ぶりに作られた、ブルース・ウィリス=ジョン・マクレーンが想定外の事件に巻き込まれながらも心・技・体を駆使して敵と戦い抜く、大人気アクションシリーズ第4弾です。全米国内と全世界トータルの興行収入はシリーズ最高額を記録しました。1作目『ダイ・ハード』が作られたのが1988年でパート2は2年後の90年に製作され、そこからさらに5年経た95年にパート3が作られています。続編公開の間隔が開いていくのは、主演のブルース・ウィリスが売れっ子になり、『アルマゲドン』(98)や『シックス・センス』(99)といった作品に出演したからです。当然その後、2000年代早々に『ダイ・ハード』4作目が作られても不思議ではありませんでしたが、2001年9月11日に、アメリカで同時多発テロが勃発し、事件の影響でハリウッドでは多くのアクション映画が企画進行をストップさせたらしいのです。『ダイ・ハード4』も…?。公開に漕ぎ着けた今作は、『ダイ・ハード』シリーズの伝統ですが、犯人側の目的が思想信条の問題ではなく金目当てだとしている点も、9.11テロから離れる意味では良かったのではないでしょうか。
 敵役ガブリエルにもう少しカリスマ性が欲しい(どうみても部下のマイ・リンの方が強い)ところではあるけれど、今回は敵役のキャラクターを立てるより、主人公マクレーンの前に次々関門を作ることが主眼らしく、演じているブルース・ウィリスのキャリアや私生活が反映されてます。映画の中でマクレーンは離婚し、『ファイナル・デッドコースター』のメアリー・エリザベス・ウィンステッド演じる娘“ルーシー”との関係がぎくしゃくしてますが、ブルース・ウィリス自身も『ダイ・ハード3』の後でデミ・ムーアと離婚しています。12年前の『ダイ・ハード3』で、ほとんど髪の毛がなくなっていたブルース・ウィリスは今回スキン・ヘッドで(時代の流れ?)これまでにない包容力溢れる(拉致された反抗期(?)の娘のみならず、生意気な若造ハッカーをも包み込む大らかさ)主人公ジョン・マクレーンを演じるほか、製作も兼任してます。第1作目からの熱烈な『ダイ・ハード』ファンを自認する『アンダーワールド』のレン・ワイズマンを監督に迎え、全米をパニックに陥れるサイバー・テロの野望に立ち向かう最高に「運の悪い」男の不死身の奮闘を描いています。主人公の「ワシントンD.Cへ犯人を護送するだけだったのに」というセリフが、映画「16ブロック」のセルフパロディであったり、娘のルーシーに呼び捨てにされて「その呼び方はやめろ」という演出が「アルマゲドン」のセルフパロディであったり「アルマゲドン」というセリフも劇中で何回か言われているのは監督のお遊びのような気がします。閉鎖的な空間での死闘が多かった前作までに比べ、カーアクション満載の豪快なアクションの数々に圧倒され129分が短くさえ感じます。
 北米での原題は"Live Free or Die Hard"ですが、北米以外では"Die Hard 4.0"のタイトルで公開されています。北米での題名"Live Free or Die Hard"の由来は、ニューハンプシャー州の標語 (state motto) Live Free or Dieのもじりである為、本作のプリントをイギリスへ運ぶ際には「ニューハンプシャー」という暗号名を使って、何の映画か分からないようにしたそうです。それ以外の"Die Hard 4.0"は、サイバーテロが扱われてることもあって「4.0」とソフトウェアのバージョン番号風になっています。日本での邦題の読みは、CM等では「ダイハード・フォー」となっていますが…。
 劇中とエンド・クレジットで流れるCCRの「フォーチュネイト・サン」もジャスト・フィット!アメリカンなジョン・フォガティの声に『トワイライト・ゾーン』(83)冒頭で出会った時以来の感動を覚えました。
 独立記念日前夜、FBIのサイバー犯罪部が突然何者かにハッキングされた。FBI副局長のボウマン(クリフ・カーティス)は、犯人の可能性のあるハッカーを全員連行するよう指示を出す。同じ頃、ニューヨーク市警の刑事ジョン・マクレーン(ブルース・ウィリス)は、大学生の娘ルーシー(メアリー・エリザベス・ウィンステッド)に会うために、管轄外のニュージャージー州に来ていた。彼氏とキスをしている場面に遭遇し、3人の間で言い争いになる。娘に冷たくあしらわれて憮然とするマクレーンの元に、無線で連絡が入る。そして、近くに住むハッカーのファレル(ジャスティン・ロング)の身柄を確保し、ワシントンD.C.のFBI 本部まで連行するように指示が出された。渋々、ファレルを訪ねるマクレーン。しかし、ファレルを部屋から連れ出そうとしている時、突然銃撃される。訳が分からないまま敵を倒し、二人は何とかその場から逃げ延びる。FBI本部に着いた二人は、アメリカ合衆国全土にわたるサイバーテロが始まりつつあるのを知った…。


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