mapio's STREETS OF MOVIE

観た映画の感想とそれから連想したアレコレ(ネタバレ有)。

ギフト THE GIFT

2006年05月28日 | Weblog
監督:サム・ライミ Sam Raimi
製作:ジェームズ・ジャックス James Jacks
   トム・ローゼンバーグ Tom Rosenberg
   ロバート・G・タパート Robert G. Tapert
製作総指揮:ショーン・ダニエル Sean Daniel
   グレゴリー・グッドマン Gregory Goodman
   ゲイリー・ルチェッシ Gary Lucchesi
   テッド・タネンバウム Ted Tannebaum
脚本:ビリー・ボブ・ソーントン Billy Bob Thornton
   トム・エッパーソン Tom Epperson
撮影:ジェイミー・アンダーソン Jamie Anderson
音楽:クリストファー・ヤング Christopher Young
出演:ケイト・ブランシェット Cate Blanchett(アニー・ウィルソン)
   ジョヴァンニ・リビシ Giovanni Ribisi(バディ・コール)
   キアヌ・リーヴス Keanu Reeves(ドニー・バークスデール)
   ケイティ・ホームズ Katie Holmes(ジェシカ・キング)
   グレッグ・キニア Greg Kinnear(ウェイン・コリンズ)
   ヒラリー・スワンク Hilary Swank(ヴァレリー・バークスデール)
   ゲイリー・コール Gary Cole(デヴィッド・ダンカン)
2000/米/1h51m ☆☆☆☆★

人の運命を見抜く“超感覚(ギフト)”を持った未亡人アニーが、その能力で息子の担任教師の婚約者女性の失踪事件を探るスリラー。「ダークマン」「スパイダーマン」「シンプル・プラン」のサム・ライミ監督が「シンプル~」のビリー・ボブ・ソーントンとゲイリー・コール(TVシリーズ「アメリカン・ゴシック」の保安官役が印象的)他、豪華スタッフ・出演陣で贈る衝撃作。先頃、ブルック・シールズと同じ日に出産した、トム・クルーズの婚約者ケイティ・ホームズがセミ・ヌードも厭わず熱演。彼女の出演した「ワンダー・ボーイズ」で音楽担当だったクリストファー・ヤングがストーリーにマッチした素敵な曲を提供しています。ジャケットを見るとホラー映画みたいなイメージを感じますが、中身は非常に良く出来た(心霊?)ドラマです。サム・ライミ監督は一作毎に才能の広さを感じさせてくれる人と思います。

ブラックアウト THE BLACKOUT

2006年05月25日 | Weblog
監督:アベル・フェラーラ Abel Ferrara
製作:エドワード・R・プレスマン Edward R. Pressman
   クレイトン・タウンゼント Clayton Townsend
脚本:マーラ・ハンソン Marla Hanson
   クリスト・ゾイス Christ Zois
   アベル・フェラーラ Abel Ferrara
撮影:ケン・ケルシュ Ken Kelsch
音楽:ジョー・デリア Joe Delia
出演:マシュー・モディン Matthew Modine
   デニス・ホッパー Dennis Hopper
   クラウディア・シファー Claudia Schiffer
   ベアトリス・ダル Beatrice Dalle
   サラ・ラセズ Sarah Lassez
   スティーヴン・バウアー Steven Bauer
1997/米=仏/1h39m ☆☆☆★
 映画界のスターのマティは華やかな生活の裏で、実生活では麻薬と酒に溺れる(逃げる)毎日だったが、恋人アニーの妊娠を聞き、生活を変えて結婚する決意を固めていた。だがマーティは泥酔状態で、アニーから妊娠したことを打ち明けられた時、その場で堕胎しろと怒鳴ったのを忘れてしまい、後でまだアニーが妊娠していると思いこんで求婚した時に彼女が堕胎したことを知り、なぜ自分の子供を殺したのだと激しく追求する。こんなマティにアニーは愛想がつき、怪しいビデオ・アーティスト(D.ホッパー)に惹かれてマティのもとを去る。愛するアニーを失い、マティはさらに麻薬にのめり込んで次第に虚構と現実の区別を失っていく。一年半の酒と麻薬断絶で普通の彼女も出来るが、自分がアニーを殺す夢を見て、それが忘れていた現実だという確信に似たものを感じ出す。そして断っていた酒と麻薬に再び手を出した時、全てを思い出したかと思われたが…。泥酔の結果起こるブラックアウト(一時的な意識喪失)がタイトルの意。本当に屑みたいにどうしようもないヤツをマシュー・モディンが好演。実際、人間は誰もがこういった弱さを持っていると思う。

ロボポリス R.O.T.O.R

2006年05月21日 | Weblog
監督/製作:カレン・ブレイン Cullen Blaine
製作:リチャード・ゲスバイン、バド・ルイス Richard Gesswein, Budd Lewis
製作総指揮:フランク・アルパイア、ジョージ・エセフ Frank Arpaia, George Esseff
脚本:バッド・ルイス Budd Lewis
撮影:グレン・ローランド Glenn Roland
編集:ダグ・ブライアン Doug Bryan
音楽:デヴィッド・ニューマン David Newman
特殊メイク:ジャック・ベネット Jack Bennett
キャスト:
マーガレット・トリッグ Margaret Trigg (Sonya)
リチャード・ゲスイーン Richard Gesswein (Coldyron)
ジェーン・スミス Jayne Smith (Dr. Steele)

1987/米/1h30m ☆☆

原題は、Robotic,Officer,Tactical,Operation,Resarch(人造人間、警官、戦術、行動、捜査)の頭文字で構成した造語と映画冒頭のナレーション(長い!)で述べている。金曜日7:30pm。コールダイロン所長がダラス湖のほとりで現行犯逮捕された。容疑は白バイ警官殺害。彼はダラス警察戦術捜査研究所の所長でロボ警官分野の先駆者だった。所長が警官殺しの容疑をかけられるに至った経緯の物語。増え続ける凶悪犯罪に対処できるロボット警官ROTORをダラス警察戦術捜査研究所、コールダイロン所長は開発中だった。これまでに3年半を費やして、あと60ヶ月で研究が完了する目処がついた頃、60日でROTORを完成させろと上院議員からビューグラー本部長経由で突然の命令が下った。理由は半年後に選挙がある為、それまでに目に見える成果が欲しいのだ。この無理な話を断ったコールダイロン所長は解任され、研究は部下のホータリン博士に引き継がれた。人工知能とユーモアのセンスを持つ助手ロボットのウィラードと作業を進めるホータリン博士。偶発的な出来事で電気が急激にROTORのカブセルに吸い取られ、ROTOR:警官番号222は自己起動、自分専用のバイクを探し当て、パトロールに勝手に出かけていった。222はお約束通り、法を破るものを逮捕もせずに処刑する。映画タイトルから『ロボコップ』系を想像していたが、どちらかというと『ターミネーター』や『処刑ライダー』風である。もっとも最初から意識していたのは明白で、研究所のウィラードの「“ターミネーター”はこうして生まれた」というセリフがある。あるカップルの車で女性が結婚後、仕事を辞めるか続けるかで口ゲンカし、熱くなった彼女は思わずアクセルを踏み込み、張り込んでいた222に捕まる。普通の警官(メイク代の節約か、見た目は全然ロボットぽくない)と思い、助手席の男はワイロを渡して見逃してくれる様に言い寄ると有無を言わさず銃で秒殺。この後、彼女と222の追いかけっこに終始する。最後に郊外のボート乗り場でアマゾネスみたいに屈強な女博士と所長がインディアンの処刑方法(四肢を縄で括って四方向に引っ張る)で何とか倒すが、その所長は本部長に射殺され、名誉の殉職となる。その頃、222との死闘で倒れた女博士が第二のROTORとして開発されていた…。理不尽なストーリー展開、チープなカメラワークにお手上げ。

マネー・ピット THE MONEY PIT

2006年05月21日 | Weblog
監督:リチャード・ベンジャミン Richard Benjamin
製作:フランク・マーシャル Frank Marshall
キャスリーン・ケネディ Kathleen Kennedy
   アート・レヴィンソン Art Levinson
製作総指揮:スティーヴン・スピルバーグ Steven Spielberg
  デヴィッド・ガイラー David Giler
脚本:デヴィッド・ガイラー David Giler
撮影:ゴードン・ウィリス Gordon Willis
音楽:ミシェル・コロンビエ Michel Colombier
出演:トム・ハンクス Tom Hanks
   シェリー・ロング Shelley Long
   アレクサンダー・ゴドノフ Alexander Godunov
   モーリン・ステイプルトン Maureen Stapleton
   ジョー・マンテーニャ Joe Mantegna
   フィリップ・ボスコ Philip Bosco
   ジョシュ・モステル Josh Mostel
1986/米/1h31m ☆☆☆★

タイトルは“金喰い虫”の事。超破格の安値で大邸宅を手に入れた若いカップル。だがその家は次から次に欠陥が判明。最初、二人は仲良く修理していくのだが事態はそんなに甘くなかった。時と共に家ばかりか二人の仲まで崩壊していく…。シェリー・ロングの元彼のオーケストラ指揮者に『ダイ・ハード』のテロリスト役で強烈なインパクトのあったアレクサンダー・ゴドノフが扮してバレエで鍛えた綺麗な肢体も披露しています。『1941』以上にスピルバーグの自己満足度が高い作品。

ストラングラー/猟奇マザコン絞殺魔 DAVITELJ PROTIV DAVITELJA

2006年05月14日 | Weblog
監督/脚本:スロボダン・シャン
脚本:ネボイシャ・パイキッチ
音楽:ブック・クレノビッチ 
出演:タシュコ・ナチッチ
   スルジャン・シャベル
   ニコラ・シミッチ
   ソンヤ・サビッチ
1984/ユーゴスラヴィア/1h33m. ☆☆☆★

ユーゴスラビア産の異色のブラック・ユーモア溢れるホラー映画(?)。英語では「STRANGLER VS.STRANGLER」となっています。デビュー作「歌っているのはだれ?」でジョルジュ・サドゥール賞をはじめ多くの国際映画賞を獲得したユーゴスラヴィア映画界の俊英スロボダン・シアン監督が放つ恐怖?爆笑?のアブナイ秀作。ベオグラードの街頭でカーネーションを売って生計を立てる体重120キロ、身長190センチの心優しい独身中年男が、ズボンを穿いた女性に花の悪口を言われると感情が爆発、花を馬鹿にした相手を次々と締め殺してゆく。だが、彼の心と交感したロック歌手スピツルが、『ベオグラード絞殺魔』という曲を発表して大ヒット。曲の内容が自分のことだと知った中年男は、曲に惹かれて13日の金曜日にロック歌手のコンサート会場に行くが…。一見、引いてしまいそうな邦題だが、ソニービデオから発売されてて興味半分で観てみたら拾い物だった一編。

かくも長き不在  Une aussi longue absence

2006年05月07日 | Weblog
監督:Henri Colpi アンリ・コルピ
脚本:Marguerite Duras マルグリット・デュラス
   Gerard Jarlot ジェラール・ジャルロ
脚色:Marguerite Duras マルグリット・デュラス
   Gerard Jarlot(2) ジェラール・ジャルロ
撮影:Marcel Weiss マルセル・ウェイス
音楽:Georges Delerue ジョルジュ・ドルリュー
キャスト:
Alida Valli アリダ・ヴァリ
Georges Wilson ジョルジュ・ウィルソン
Jacques Harden ジャック・アルダン
Diana Lepvrier ディアナ・レプブリエ
Catherine Fonteney カトリーヌ・フォントネー
カンヌ映画祭グランプリ(1961)
1960/仏/1h38m  ☆☆☆☆

「雨のしのび逢い(1960)」のコンビ、マルグリット・デュラス、ジェラール・ジャルロのシナリオをアンリ・コルピが演出した戦争の傷跡を男女の愛でうたった心理ドラマ。パリでカフェを営むテレーズ(同年ホラー映画『顔のない目』にも主演したアリダ・ヴァリ)はある日、見かけた浮浪者が戦争中にドイツに捕虜となった夫アルベールではないかと驚く。しかし彼は記憶を失っていた。彼の口ずさむオペラ曲を店のジュークボックスで流したり、親族の話を聞かせたり好みのチーズを調べて記憶をなんとか回復させようと努力するが、彼にはその意欲が感じられなかった。最後に店を後にする彼に「アルベール!」と痛切な声をかけるテレーズ。全てが分かった時、戦争の空しさを心底感じる愛の話です。

最終生物バイオゾイド THE TERROR WITHIN II

2006年05月05日 | Weblog
監督:アンドリュー・スティーヴンス Andrew Stevens
製作:マイク・エリオット Mike Elliott
製作総指揮:ロジャー・コーマン Roger Corman
脚本:アンドリュー・スティーヴンス Andrew Stevens
撮影:ヤヌス・カミンスキー Janusz Kaminski
音楽:テリー・プルメリ Terry Plumeri
 
出演:アンドリュー・スティーヴンス Andrew Stevens『フューリー』『ナイト・アイズ』
チック・ヴェネラ Chick Vennera
R・リー・アーメイ R. Lee Ermey
クレア・ホーク Clare Hoak
ステラ・スティーヴンス Stella Stevens
バートン・“ババ”・ギリアム Burton "Bubba" Gilliam
1992/米/1h27m. ☆☆

 生化学兵器ビールス荒廃した近未来を舞台に、シェルターに籠るわずかな生存者と身の毛もよだつ怪物(バイオゾイド)の戦いを描くSF。監督・主演はアンドリュー・スティーヴンス。彼がビールスのワクチンとなる“薬草”を探し、砂漠の真ん中に立つシェルターへ戻る途中、砂漠で助けた女性がやはり生き残りの蛮族スカベの策略で怪物にレイプされ、物凄い早さで妊娠、やがて産み落とされ、みるみる成長した怪物と切り落とされて蠢く指から再生したもう一匹の怪物とのシェルター内での死闘と構成は組み立ててあるが、いかんせん成長体の怪物が着ぐるみ然としててチープ感は否めない。コーマン総指揮映画の部類ではハズレよりです。

クリスティーナの館 Christina's House

2006年05月04日 | Weblog
監督:Gavin Wilding
脚本:Stuart Allison
キャスト:
Brendan Fehr .... Eddy Duncan
Brad Rowe .... Howie Rhodes
Allison Lange .... Christina Tarling
John Savage .... James Tarling
Lorne Stewart .... Bobby Tarling
Crystal Buble .... Karen
Jerry Wasserman .... Sheriff Mark Sklar
Chelsea Hobbs .... Suzy Cooper
Sigrid M. Spade .... Michelle
Chilton Crane .... Joanne Tarling
Linden Banks .... Dr. David Lescher
1999/カナダ/96min. ☆☆☆
「ザ・ハウス」みたいな家モノかと思いきや、ストーカー映画、いやいや母親の邪念が引き起こすサイコ映画とも取れる不思議な映画。母が精神病院にいる為、父と弟と暮らす女子高生クリスティーナが越してきた家は、第三者の気配(物音や視線)を感じる家だった。彼女をステディにしようとする男友達や、女友達しか家へ呼ぶ事を許さない父親、そんな彼女の監視役みたいにいつも一緒にいる弟ボビー。家でいつも聞こえる物音の理由が分かる時、恐ろしい事実が判明する…。最後はこんなの有り~?みたいなひと癖もふた癖もある映画です。

ベーゼ・モア BAISE-MOI

2006年05月03日 | Weblog
監督・脚本:ヴィルジニー・デパント/コラリー・トラン・ティ
製作:フィリップ・ゴドー
撮影:ブノワ・シャマイヤール
美術:イレーヌ・ガリツィーヌ/ポール・フェイヤール/クリストフ・ムロー
音楽:ヴァルー・ジャン
衣装:イザベル・フレイス/マガリ・バレ
原作:ヴィルジニー・デパント「バカなヤツらは皆殺し」(原書房刊)
配給:コムストック
出演:ラファエラ・アンダーソン/カレン・バック

2000/仏/74min.☆☆
SEX&暴力シーンの過激さに本国フランスでは8日で上映中止になったとあるが、感想は勢いだけの映画。全編に流れるパンク風音楽はまあ救えるが、演出が甘い。“銃を構える女→銃声→床に倒れている男”“男を囲んで顔を蹴飛ばし踏み付けている風な足だけのシーン→血だらけで伏している男”。スタント無しで本人が演じるにしてももう少しリアリティが欲しい。セックスシーンで無抵抗の女性を四つん這いにさせ男が自分のモノに唾をつけて犯すが無反応なので「死体とやってるみたいだ」と愚痴る。こちらの方がリアルだ。原作者でない方の監督コラリー・トラン・ティはポルノ女優でもあるからこっちは十八番なのかな。フェラシーンも多数あるが、暴力描写より性描写に厳しい日本ではボカシたり暗くしたりして訳の分からない映像になっている。結局、ただこんな映画を作りたかったから、が理由みたいで訴えるものを何も感じられなかった。こういう生き方を真似る人が出てくると怖い…。女同士のハチャメチャ・ロードムービーなら『テルマ&ルイーズ』をお薦めしたい。